スカイキャプテン ワールド・オブ・トゥモロー

スカイキャプテン ワールド・オブ・トゥモロー [Blu-ray]

『スカイキャプテン ワールド・オブ・トゥモロー』。すごいタイトルです。

正直食指が動く映画じゃなかったんだが、知り合いに誘われてふらふらとお台場まで観にいってしまいました。WEBでいろいろ検索してみると、どうにも評判が芳しくないようですが、僕的にはアリ。まったくもってアリな映画です。

フリッツ・ラングの『メトロポリス』を思わせる、鉛のように脱色されたニュー・ジャーマンシネマ系の映像。ジュード・ロウ、グウィネス・パルトロウ、アンジェリーナ・ジョリーら、マンガから抜け出してきたかのようなクール・ビューティーを巧みに配し、ノスタルジックなSFアドベンチャーとしてのテイストを醸し出している。

そういや同系列の作品に、『ロケッティア』という予定調和すぎるストーリー展開がツラすぎて、ジェニファー・コネリーの可愛らしさしか印象の残らない映画もあったなあ。

やれ「ディティールだけに凝りすぎている」だとか、「オタク映画というカテゴリでしか通用しない」だとか、評論家の皆さんは意気軒昂におっしゃっているようですが…ナンセーンス!!ディティールに凝っているのはあくまでレトロ・フューチャー・ムービーを目指したゆえの“手段”。

これが目的にすりかわってしまうと、映画が破綻しちゃうのはよくあるケースなんだが、この作品をオタク映画と断定してしまうには、映画が閉じられていないことに注意すべきである。ここで言う「閉じている映画」とは、作り手が受け手のことをアウトオブ眼中で突き進んだ、観客不在の映画のことだ。

つまり、

ディティールに凝りすぎ→
ストーリーがおざなりになる→
CGクリエイティヴの面でしか語れない映画になる

というオタク監督が犯しがちな悪循環に陥らず、実にクラシカルでオーソドックスな内容(後半はほとんど、Dr.モローの島だもんなあ)を、レトロ・フューチャーでコーティングするための手段としてCGが存在しているんである。

「オタク映画ですが、何か?」と開き直られて、観客不在な映画が乱発される昨今、『スカイキャプテン ワールド・オブ・トゥモロー』のアプローチは、実に真っ当なだと思う訳であります。

監督のケリー・コンランは学校を卒業後、就職もせずに自宅のガレージにあるパソコンでシコシコとCG作品をつくりあげ、やっと完成した作品『The World of Tomorrow』がハリウッドの大物プロデューサーのおめがねにかない、今回初監督にしてアカデミー賞俳優がこぞって出演を熱望したという、ニートの希望の星である。

齢37にして、こういうミラクルもあるんだね。全世界のニート諸君!僕も昔ニートでしたが、人生諦めちゃいかんです。

まあ不満といえば、グウィネス・パルトロウとアンジェリーナ・ジョリーという「ビッグネームなのに脱ぐことを全然いとわない女優」が二人も出演しているにもかかわらず、お二方の裸体を拝めなかったことくらいか。彼女たちには、これからもどんどん脱ぎまくってくれることを切に希望!

DATA
  • 原題/Sky Captain And The World Of Tomorrw
  • 製作年/2004年
  • 製作国/アメリカ
  • 上映時間/107分
STAFF
  • 監督/ケリー・コンラン
  • 脚本/ケリー・コンラン
  • 製作総指揮/オーレリオ・デ・ラウレンティス
  • 製作/ジョン・アヴネット、ジュード・ロウ、サディ・フロスト、マーシャ・オグレズビー
  • 撮影監督/エリック・アドキンス
  • 美術監督/ケビン・コンラン
  • 編集/サブリナ・プリスコ
  • VFX監督/スコット E.アンダーソン
  • 音楽/エドワード・シェアマー
  • 衣装/ステラ・マッカートニー
CAST
  • ジュード・ロウ
  • グウィネス・パルトロウ
  • アンジェリーナ・ジョリー
  • ジョヴァンニ・リビシ
  • マイケル・ガンボン
  • バイ・リン
  • オミッド・ジャリリ
  • ローレンス・オリヴィエ

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