REVIEW
「ダウンタウンのガキの使いやあらへんで」で、松本人志の「芸者ガールズという名前で音楽 デビューしよう」という冗談に端を発した異色のコラボレーション。彼等の唯一のアルバム「炎のおっさんアワー」こそ、坂本キョージュがダウンタウンとタッグを組んだ’90年代的「スネークマンショー」である。
そのスネークマンショーのフロントマンだった小林克也のナレーションで華麗に幕を開け、テイ・トウワによる狂乱のヒップホップ「Blow Your Mind」へなだれ込む怒濤の展開。1stシングル「Kick & Loud」の続編でもあるこのキャッチーな一曲は、まさにテイ・トウワ節満開である(ちなみにテイ・トウワと吉本興業の甘い密月は、今田耕司と組んだ「ナウ・ロマンティック」まで引き継がれる)。
テイは本アルバムのアート・ディレクションも担当)。照れくさいほどのストレートな歌詞が眩しい「少年」は思いっきしフォーク、「ノメソタケ」はアート・リンゼイのボサノバを、だらしのないポルトガル語で歌ってしまうという、大胆極まりない無謀が嬉しい。
さらには、当時J POPを一人勝ち状態、我が世の春を謳歌してウハウハだった小室哲哉氏が参加している「炎のミーティング」。そういや小室って、今吉本に所属してるんだっけか。今思うと、時代との因果なリンクを感じずにはいられない。
このまま調子にのって全米デビューを果たしてしまったGEISHA GIRLS。N.Yで行われたシークレット・ライヴでは、顔面白塗りのKen & Shoの後ろで、MC-202を楽しそうにいじる教授と、ターンテーブルを前にDJプレイを淡々といそしむテイ・トウワの姿があった。’95年、「H Jungle with T」として紅白歌合戦に登場した浜田を応援すべく、松本は下半身ブリーフ丸出しに振りそでをまとったGEISHA GIRLSの姿で登場。彼等は文字どおり日米を制したアーティストなのである。
DATA
- アーティスト/The Geisha Girls
- 発売年/1995年
- レーベル/フォーライフミュージックエンタテインメント
PLAY LIST
- ザ・ゲイシャ・ガールズ・ショウ・オープニング・テーマ
- ブロウ・ユア・マインド~森オッサン・チョイチョイ・キリキリまい
- 奥さん
- plonge[‘]r
- ノメソタケ~Minha Geisha
- ステップナー
- 少年
- AGATTE
- 「あ」研究家
- おいちゃん
- Damesska
- monter sur la barre fixe
- ビー玉
- Yuji
- 炎のミーティング
- NAGOMI
- ba[^]timent de l’e[‘]cole