10位 Loveless(1983年/My Bloody Valentine)
製作期間は2年、作業に関わったエンジニアは16人、製作費には6000万円以上。クリエーション・レーベルを倒産の危機に陥らせたという、伝説的作品。聴く者をバッド・トリップさせる至高なる夢幻世界に、身体がとろける。
9位 Tubular Bells(1973年/Mike Oldfield)
ヴァージン・レコードの記念すべき第1回作品。マイク・オールドフィールドがあらゆる楽器をほぼ一人で演奏して、多重録音を重ねたという偏執狂的アルバム。「パート1」は、『エクソシスト』のテーマ曲としてあまりにも有名。
8位 Sgt. Pepper’s Lonely Hearts Club Band(1967年/Beatles)
ビートルズ中期のマジカル・サウンドを突き詰めた、壮大なコンセプト・アルバム。メロディ・メーカーとしてのポール・マッカートニー、前衛的アーティストとしてのジョン・レノンの個性がいよいよ際立つ、ロック史上に残る大名盤。
7位 ケモノと魔法(2008年/原田郁子)
可愛らしい童話的世界を飛び越え、アニミズム的な神秘主義をもパッケージ。山梨県小淵沢の元保育園を改装したギャラリーで録音された、原田郁子の2ndアルバム。
6位 Pet Sounds(1966年/Beach Boys)
ビーチ・ボーイズのメンバーでありながら、サーフィンには全く興味がなかったブライアン・ウィルソンが、自宅でシコシコ創り上げた実質的なソロ・ワークス。自転車のペダルやテルミンなど独創的なアイディアが随所に詰まった、宅録アルバムの頂点。
5位 Paris, Texas(1984年/Ry Cooder)
ハンパない寂寥感、ハンパない叙情感。ライ・クーダーの歪んだスライドギターが、静かに聴く者の胸を打つ。この音楽なくして、ヴィム・ヴェンダースの映画は名作たり得なかったはず。
4位 point(2001年/Cornelius)
小山田の膨大な音楽的教養が、試行錯誤を繰り返しながら洗練され、最終的にミニマルな音像に回帰。電子の音塊と自然界のざわめきがDNAレベルで奇跡的な結合を果たした、アルカリイオンのような一枚。
3位 Kind Of Blue(1959年/Miles Davis)
コードの呪縛からの解放。物語性から解き放れたサウンドは、始まりも終わりもなく、どこまでも浮遊していくかのよう。今も世界中で売れ続けている、ジャズ界のモンスター・アルバム。
2位 銀河鉄道の夜(1985年/細野晴臣)
1985年公開のアニメーション映画『銀河鉄道の夜』のために、細野晴臣が書き下したオリジナル・サウンドトラック。YMOを経て、より無国籍性を帯びたワールド・ミュージックが、カラダにゆっくりと浸透していく。
1位 Waltz For Debby(1961年/Bill Evans)
僕の知る限り、地球上で最も美しいアルバム。ピアノのビル・エヴァンス、ベースのスコット・ラファロ、ドラムスのポール・モチアンによる最強のトライアングルはいよいよ円熟味を増し、そのインタープレイは、鋭利な刃物のようにソリッド。宇宙の深淵に堕ちていくかのような、あるいは深い森にわけいっていくかのような、えも言われぬディープな響きに、身も心も持っていかれる。
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