10位 『Chet Baker Sings』(1956年/Chet Bake)
チェット・ベイカーがマイクの前に立つと、センチメンタルな心象風景が立ち上り、ユースフル・デイズ特有の苛立ちや痛みが突き刺ささる。セピア色に包まれたリリシズムに、涙が溢れそうになる。
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9位 『Tubular Bells』(1973年/Mike Oldfield)
ヴァージン・レコードの記念すべき第1回作品。マイク・オールドフィールドがあらゆる楽器をほぼ一人で演奏して、多重録音を重ねたという偏執狂的アルバム。「パート1」は、『エクソシスト』のテーマ曲としてあまりにも有名。
8位 『Sgt. Pepper’s Lonely Hearts Club Band』(1967年/Beatles)
ビートルズ中期のマジカル・サウンドを突き詰めた、壮大なコンセプト・アルバム。メロディ・メーカーとしてのポール・マッカートニー、前衛的アーティストとしてのジョン・レノンの個性がいよいよ際立つ、ロック史上に残る大名盤。
7位 『Romantic Warrior』(1976年/Return To Forever)
スペーシーなシンセサイザー、超絶技巧のエレキ・ギター、ハードなビートを刻むドラム。プログレ・サウンドが津波のように押し寄せる、超絶技巧のフュージョン・ジャズ。
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6位 『Pet Sounds』(1966年/Beach Boys)
ビーチ・ボーイズのメンバーでありながら、サーフィンには全く興味がなかったブライアン・ウィルソンが、自宅でシコシコ創り上げた実質的なソロ・ワークス。自転車のペダルやテルミンなど独創的なアイディアが随所に詰まった、宅録アルバムの頂点。
5位 『Paris, Texas』(1984年/Ry Cooder)
ハンパない寂寥感、ハンパない叙情感。ライ・クーダーの歪んだスライドギターが、静かに聴く者の胸を打つ。この音楽なくして、ヴィム・ヴェンダースの映画は名作たり得なかったはず。
4位 『Different Trains, Electric Counterpoint』(1989年/Steve Reich)
クロノス・カルテットによる四重奏に乗せて、汽笛の音、サンプリングされた様々な人間の「言葉」が、反復と変化を繰り返しながらインサートされ、ドラマティックに綴られていく。単調なコード進行のなかに発生する、かすかな“揺らぎ”がリスナーの快感中枢を刺激しまくり。
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3位 『Loveless』(1983年/My Bloody Valentine)
製作期間は2年、作業に関わったエンジニアは16人、製作費には6000万円以上。クリエーション・レーベルを倒産の危機に陥らせたという、伝説的作品。聴く者をバッド・トリップさせる至高なる夢幻世界に、身体がとろける。
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2位 『Kind Of Blue』(1959年/Miles Davis)
コードの呪縛からの解放。物語性から解き放れたサウンドは、始まりも終わりもなく、どこまでも浮遊していくかのよう。今も世界中で売れ続けている、ジャズ界のモンスター・アルバム。
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1位 『Waltz For Debby』(1961年/Bill Evans)
僕の知る限り、地球上で最も美しいアルバム。ピアノのビル・エヴァンス、ベースのスコット・ラファロ、ドラムスのポール・モチアンによる最強のトライアングルはいよいよ円熟味を増し、そのインタープレイは、鋭利な刃物のようにソリッド。宇宙の深淵に堕ちていくかのような、あるいは深い森にわけいっていくかのような、えも言われぬディープな響きに、身も心も持っていかれる。
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