2025年6月
ひたすら原稿執筆にいそしむ。RYUSENKEIのニューシングル「真夏の瞬間」を聴いてたら、出だしの“突然のキス…”が完全に「プラスティック・ラブ」でびっくり。
朝方に納品&請求書発行作業。日比谷で『フロントライン』試写。コロナウィルスをどう瀬戸際で防ぐかというパンデミック・サスペンスではなく、ダイヤモンド・プリンセス号に隔離された人々にどう向き合うかという、人道的選択についての物語。このバランス感覚は僕は好きです。
そのあと渋谷に移動して、WWW Xでサム・ウィルクスのライヴ。途中から中村佳穂も参戦する最高の時間。

六本木で『夏の砂の上』試写。オダギリジョーと髙石あかりが階段を上ったり下ったりする。高低差を意識した絵作りの映画。
そのあと半蔵門に移動して『DROP/ドロップ』試写。のっぴきならない状況に追い込まれ、殺人計画に加担させられるという映画はこれまでゴマンとあったけど、これはスマホのDROP機能に目をつけた時点で戦略勝ち。展望レストランという密室シチュエーション、半径15メートル以内に謎の監視者がいるという設定が巧み。面白過ぎて途中からニッコニコですわ。どうでもいいことですけど、『ハッピー・デス・デイ』のお面を被った宣伝会社の人が急に真横に現れて、死ぬほど怖かった。
帰宅後、フランソワ・オゾン最新作『秋が来るとき』オンライン試写。タイトルからして、ある老婦人の人生の黄昏を描く優しさ満開映画と思いきや、サスペンフルなタッチで贖罪を描く濃厚ドラマだった。剛柔併せ持つオゾンの演出にため息。冒頭のマグダラのマリアのくだりに、本作のテーマが込められている。
長嶋茂雄の訃報。この人が真に偉大なのは、これだけのスーパースターなのに畏怖の対象ではなく、「初めて還暦を迎えて」とか「サバは魚へんにブルー」とか「失敗は成功のマザー」とかお茶目コメントを連発して、全国民からツッコまれる存在として愛されていたことだと思う。
ゲラの確認。六本木に移動して『九龍ジェネリックロマンス』試写。全体の構成は『エターナル・サンシャイン』に似てるけど、でも全然違う。横長のスコープサイズで描かれる、とっても奇妙なSFラブストーリー。後半はやや冗長さを感じたものの、この奇抜さは買い。望遠のワンカットで吉岡里帆と水上恒司の芝居を捉えたシークエンスに、池田千尋監督らしい個性を感じる。
そのあと文喫に寄って、魚喃キリコや松本大洋の漫画、伊丹十三や都築響一のコラムなどを読む。特に魚喃キリコ『blue』、よかったなあ。高校三年生の桐島カヤ子が、留年していた同学年の遠藤雅美に淡い恋心を抱き、友情とも恋愛ともつかない関係性を築き、大切な時間を過ごし、やがて離れ離れになるまでのガールズ・グラフィティ。登場人物は全員黒目で、その心の奥を伺い知ることができない。極端に背景を省略することで、余白(白)が全体を覆っている。情報量が抑制された世界で、桐島と遠藤の心のアヤだけが浮かび上がっていく。決定的な瞬間に、あえて顔を描かない演出も切な哀しい。
深夜に原稿を納品。ゆったりした気分でLittle Simz姐さん新作『Lotus』を聴く。以前みたくイントロでツカミOKみたいなトリッキーさは影を潜めたものの、ボッサでソウルな音がグルーヴィー。
『アスファルト・シティ』試写。そのあとTOHOシネマズ六本木ヒルズで『国宝』。これまで李相日作品はハマってなかったけど、圧倒させられた。
ミシェル・ルグランに迫るドキュメンタリーが9月に公開されるらしい。そのタイトルが『ミシェル・ルグラン 世界を変えた映画音楽』。『ジョン・ウィリアムズ 伝説の映画音楽』とか『モリコーネ 映画が恋した音楽家』とか『ハンス・ジマー 映画音楽の革命児』とか、映画音楽のレジェンドを描いたドキュメンタリーは、世界を変えたり伝説になったり恋したり革命を起こしたりで忙しいですね。
「1994-2024 ミルクマン斉藤レトロスペクティブ」購入。博覧強記でグルーヴィーな文体が楽しい。
ミルクマン斉藤さんや川勝正幸さんのテキストを読んでポップカルチャーに沼った自分としては二人とも鬼籍に入っていることは残念だけど、こういう形で改めて文章が読めて嬉しい。ミルクマン斉藤さんは“デザイン集団groovisionsの唯一デザインしないメンバー”なので今回のレトロスペクティブもgroovisionsがデザインしているけど、ミルクマン斉藤さんや川勝正幸が関わった映画本は本当にデザインセンスがズバ抜けていた。「Weird movies a go! go!」とか本当に目に楽しかった。
夜は新宿で山田さん、アナイスさん、野津さんの「銀幕にポップコーン」組で飲み会。かあさん、僕も同業の知り合いができたよ。
そのあとスペースで久々に若い友人と喋ってたら、会社を休職して新しいチャレンジをするとのこと。いやーすげえな。頑張ってほしい。
みうらじゅんと山田五郎のポッドキャスト「みうら五郎」を聞く。開口一番山田五郎が「親父の葬式に行った」という話をして、その様子をしんみり語るのかなと思ってたら、みうらじゅんがアロハで十回忌に行った話になり、なぜか面白い話は何度してもいいという謎理論に行き着いてこの二人凄いと思った。
ブライアン・イーノ&ビーティー・ウルフのコラボ・アルバムが2枚同時リリースされたので早速聴く。僕はヴォーカル・アルバムの『Luminal』よりも断然アンビエント一本勝負な『Lateral』派。
夜はYouTube番組の収録。『国宝』語ったった!
原稿を納品。そのあと、TOHO CINEMAS池袋で『か「」く「」し「」ご「」と「』(書きにくいタイトルだなこれ!)鑑賞。二言目には「僕みたいなもんが」「私みたいなもんが」というワードが出てくる、「生まれてすいません」レベルで自己評価激低ティーンエイジャーたちの青春映画。そのもどかしさが切ないというより物語の停滞に見えて、正直あまり乗れず。出口夏希の画面支配力とヒコロヒーのスーパーナチュラル芝居は良かった。
続いて『見える子ちゃん』と鑑賞。なるほど、これは評判がいいのも納得。学園祭ワチャワチャ青春ドラマ×ちょい怖ホラー×ちょい泣きヒューマン系という3要素を、中村義洋監督がさすがの職人芸でいい塩梅に仕上げている。原菜乃華は芸達者だし、パンを美味しそうに食べるハナちゃん役の久間田琳加は可愛らしいし、群馬県桐生市というロケ地も絶妙。
スライの訃報。R.I.P。
『VIVANT』続編が発表された。このドラマの魅力って、『新幹線大爆破』とか『君よ憤怒の河を渉れ』とか佐藤純彌作品のような70年代大作映画的ノリにあると思っている。ツッコミどころは多いけど、コッテリ演出で突き通しちゃうみたいな。
『ラ・コシーナ/厨房』と『青春ゲシュタルト崩壊』オンライン試写。特に『ラ・コシーナ』はぶっ飛ばされた。超がつくオススメ。
ブライアン・ウィルソン訃報。R.I.P。スライに続いて、レジェンド・アーティストがまた一人天国に旅立ってしまった。追悼の意を込めて『Pet Sounds』を聴く。
ひたすら原稿書き。一息ついて、劇場スルーになってた『ザ・コンサルタント2』を見たり。第1作が典型的な“舐めてた相手が実は殺人マシンでした映画”だったのに対し、今回はベン・アフレックとジョン・バーンサルの兄弟ワチャワチャ萌え、キャラ萌え映画。アクションは二の次、会計士設定は三の次な思い切りが良き。
苦戦していた原稿、なんとか納品。あー疲れた。図書館に行って、実はまだ読んでいなかった又吉直樹の『火花』を読む。彼の小説自体を読むのが初めてだったけど、こんなに分かりやすく太宰治スピリットなんですね。
夜は、DOMMUNEのテリー・ライリー特集を視聴。去年、清水寺でIn C聴くイベントやってたのね。最高じゃん。京都行けば良かった。
だらだら過ごしてしまった。猛省。
図書館で読書。村田沙耶香さんの『コンビニ人間』を読む。この世界のなんとなくの“正しさ”になんとか適応して過ごしている女性のお話。いやホント、“正しさ”ってなんだろう。こちとら50を過ぎたおじさんなのに、いまだにその正体が分からない。たぶん一生分からない。だって、人間って日々新しい情報を摂取して、新しい価値観に接しているんだぜ。今日自分が信じている“正しさ”が、明日も絶対に正しいなんてなんで言い切れるんだ。“正しさ”なんて、かりそめの自分ルールでしかない。周りの人が“正しさ”を吹聴するのは構わないけど、僕は人に“正しさ”を説こうなんて微塵も思わない。
明日のマクガイヤーチャンネルに備えて、『X エックス』『Pearl パール』を見返して就寝。
夜からマクガイヤーチャンネル「何がエリザベスとマキシーンに起ったか? 『サブスタンス』と『MaXXXine マキシーン』とガワは80年代こころは2020年代映画」回の収録(タイトル長!)。いつものようにドクター20分遅刻。終了後、遅刻したら罰金とるシステムにしたらどうですかと提案したら、いいですねと採用してくれた。
帰宅して原稿書き。
原稿を納品して新宿へ。TOHO CINEMAS新宿で『ドールハウス』鑑賞。これはもうJホラーの歴史に刻まれるレベルの大傑作なのでは。ストーリーが進むにつれてギアが2段、3段と上がっていく展開には目を見張るし、隅から隅までしっかりエンターテイメントしてる。矢口史靖監督恐るべし。ある意味でホラー版サバイバルファミリー。それにしても、『ミッシング・チャイルド・ビデオテープ』とか『見える子ちゃん』とか今年のJホラーやばすぎないか。『近畿地方のある場所について』も楽しみ。
そのあと『リライト』鑑賞。松居大悟監督がヨーロッパ企画の上田誠とタッグを組んだら、見事なまでにほろ苦青春群像劇成分50%、タイムリープコメディ成分50%の絶妙バランスムービーが出来上がった。某有名SFへのオマージュをふんだんにまぶした、尾道ロケ映画の最新ヴァージョン。
Xのタイムラインを眺めてたら、宇野維正さんが最近全然ポストしてない!心配!って界隈がざわついてた。僕も一週間くらい投稿しなかったら誰か心配してくれるのだろうか。誰もいないだろうな。
GAGAでパオロ・ソレンティーノ監督『パルテノペ』試写。ナポリで生まれた主人公パルテノペが、その美しさゆえに性的な眼差しを浴び続け(男女関係なく)、それを利用したり、傷つけられることもありながら、文化人類学学者としてキャリアを積んでいく一代記。鑑賞者を惑わせる魔術的な編集がいかにもソレンティーノ。あと、デカ音の演出が印象的。ドーンという時計の音、花火の音、パーティのタンゴの音。
帰宅後「水曜日のダウンタン」をみたら、インディアンスがちょんまげラーメンに改名してた。他の候補がおでかけマダムとかウロウロじいちゃんとか献立母ちゃんとか、小学生が3秒で考えたみたいなのばっかりで逆に凄い。
僕が『メガロポリス』コラムを寄稿したキネマ旬報届く。天下のキネ旬に3回も執筆したのだから、そろそろ売れていいんじゃなかろうか俺。関係各所の皆さん、Don’t be shy。どんどん仕事をふってくれたまへ。
いや、それにしても天下のキネ旬にこんな近況コメント↓でええんやろか。いや、僕もカンヌ行ってきましたとかトム・クルーズに会ってきましたとか言ってみたいっすよ。本当に何もないんだもん。

リアルサウンドに寄稿した『国宝』コラムがそこそこ読まれているようで嬉しい。ウキウキ気分でグランドシネマサンシャイン池袋『F1』試写に向かう。トムクルがパイロットならブラピはカーレーサーだ!という90’s is not dead親父のONCE AGAIN映画だった。トニー・スコットが蘇ったかのようなジョセフ・コシンスキーの超高速カット割&キビキビ演出に泣かされる。
宇野維正さん、自宅で倒れて入院していたらしい。いまは安静中ということで、とりあえずご無事で良かったです。フリーランスはカラダが資本。ワシも健康診断せないかんな。
HAIMのニューアルバム「I quit」がリリースされたので、朝からヘビロテ。僕がいつも彼女たちの曲を聴いて感じるのは、痛みや孤独をメランコリックに昇華させるんじゃなくて、ほろ苦だけどポジティブでエンパワーメントなサッド・バンガーとして、カラっとした明るさがあること。このアルバムも哀しみに囚われるんじゃなくて、力強く前に進むために「やめてやったぜ!」なグッド・トラック集。もちろんベースはインディフォークなれど、シューゲイザーなM-8「Lucky stars」、UKガラージなM-9「Million years」、ディスコティークなM-12「Spinning」と違う表情を見せてくれるのも楽しい。
日比谷に移動して、TOHOシネマズ シャンテで『罪人たち』。確実に映画館マスト案件。豚や鶏がまるごと入ったドロドロのスープに香辛料をふりかけたような、濃厚すぎるサバイバルホラー。時間が捩れる中盤のワンシーンワンカットには拍手喝采したくなった。批評的で音楽的でライアン・クーグラーの野心が隅々にまで行き渡っている。
そのあと『ルノワール』。相米慎二の『お引越し』を早川千絵監督がアートハウス系にフルモデルチェンジさせたような、ひとりの少女の目を通して家族・社会・孤独を描く物語。一応ルノワールの有名な絵画「可愛いイレーヌ」が出てきたりはするのだが、正直タイトルの意味がよく分からず、印象主義でよく使われる筆触分割(異なる色を隣に並べる手法)みたいに、現実と時間と空間が分割する映画だからなのかな、と。厩舎に紛れ込むショットとか、客船を真俯瞰から捉えたショットとか、主人公のフキがカーテンの奥で幽霊のように佇んでいるショットとか、撮影監督・浦田秀穂によるワンショットワンショットの切れ味がナイフのように鋭い。
2本とも濃厚すぎて頭がクラクラ。帰宅後もあまり頭が回らず、ぶっ倒れるように寝てしまった。
ゲラの確認、原稿書き。そのあと渋谷に移動して、映画ジャンキーの会飲み。みんな『国宝』大絶賛だった。
「ザ・トゥナイト・ショー」でHAIMが「Relationships」を即興演奏するシーンが好きすぎて、何度も見返している。アラナが2拍目で紙を破るのが最高。
トランプ米大統領がイランの核施設3カ所に空爆だって?おいおい、アメリカ第一主義で他国の戦争には口も手も出さないのがこの人のスタンスじゃなかったっけ。トランプ2.0は全能感がありすぎてホントに怖い。誰か止めてくれ。
原稿書き書き。
ふと色々考える。植草甚一さんや川勝正幸さんに憧れてライターになった自分としては、活動のフィールドをあらゆるポップカルチャーに広げたい願望があったけど、結果的に得意ジャンルが定まらないというデメリットも最近すごく感じている。宇野維正さんみたいにアメリカ映画を紹介しつつヒップホップ(&NewJeans)を語るとか、木津毅さんみたいにヨーロッパ映画に言及しつつインディフォークを語るみたいな地場を固められれば良いのだが、興味の対象がわりと全方位的で、我ながらふわっとしているのだ。かといってコナンとか鬼滅の刃には疎いし、マカロニえんぴつやMrs. GREEN APPLEは聴かないし、我が国最大のポップカルチャーに接続できていない。PVがマネタイズに直結するWEBメディアを主戦場にしている自分としては、そうとうなマイナス。なんてことを、月曜からいろいろ考えこむのであった。
六本木で『バレリーナ』試写。監督はチャド・スタエルスキからレン・ワイズマンに交代したが(すっげー久々じゃんね)、なかなか死なない敵、その場にあるアイテムでの格闘、シームレスな縦横移動というジョン・ウィック的アクション文法はきちんとキープ。普通に面白いっす!
そのあと文喫に移動して原稿の仕上げ、納品。あとはのんびり読書。東村アキコの『かくかくしかじか』を読む。映画は華麗にスルーしたけど(まだ公開中だけど)、これ涙腺決壊漫画っすね。『ブルーピリオド』みたいな美大受験もの→モラトリアム→まんが道っていう人生の節目の先生ムーブが泣けるし最後の展開は号泣必至だし。そしてイケメン彼氏の西村がいい奴だし。あとは、青木保の『エドワード・ホッパー ―静寂と距離―』などを読む。
サイゼリヤが好きすぎて昼と夜両方行ってしまった。後悔はしていない。
TOHO CINEMAS日比谷で『28年後…』。視覚的・聴覚的な刺激を求めすぎるダニー・ボイルと、現実トレース地獄めぐり系シナリオのアレックス・ガーランドって本来はミスマッチなんじゃないか。ポップな方向にも寓話な感じにもならないし。ネタバレしないように書くけど、終盤に『地獄の黙示録』のカーツ大佐みたいなボディペイントした奴が出てきて、生と死を司る存在として描かれる。でもダニー・ボイルのノリだとすっごく薄く見えちゃう(ザ・ビーチのティルダ・スウィントンを思い出した)。そのバランスがすっごいムズい、この映画。
そのあと『キャンドルスティック』試写。なんだかすっごい薄味金融サスペンスに見えてしまうのは、『半沢直樹』や『七つの会議』みたいな福澤克雄の超濃厚ドラマに慣れてしまったから?
帰宅して『フォーチュンクッキー』をオンライン視聴。タリバンが復権したことをきっかけに亡命し、カリフォルニア州フリーモントのフォーチュンクッキー工場で働くアフガニスタン女性の物語。不眠症という設定だったり、濃厚な政治性だったり、もっとハードな内容になっても良さそうなところを、モノクロ/スタンダードサイズ/正面・真横の切り返しショット/オフビート・コメディ演出で、キュートなガール・ミーツ・ボーイ映画になっているのがマル。ブリティッシュ・フォークの伝説的歌手Vashti Bunyanの「Diamond Day」が使われてたり、「一流シェフのファミリーレストラン」のジェレミー・アレン・ホワイトが出てたり、なんかそういうところがいちいちツボだったりします。
あと、知らないうちにTOKIOが解散してた。
原稿書き。夜、渋谷でD氏とお茶。今後僕がどのようにライターとして振る舞うべきか、いろいろアドバイスをいただく。やっぱり自分はガツガツ意見を吐くタイプではないことを再確認。前に出るのではなく、うしろでプロデューサー的に暗躍するのが性に合っている。
昨夜D氏に教わったVR Chatやってみようとしたら、MACは非対応じゃねーの。こんなあからさまなApple差別は久々ですわ。時が満ちたらやります。
一日かけて『イカゲーム シーズン3』完走。資本主義をカリカチュアしたこのシリーズ、最後の最後で殺し合いを眺めるセレブ=我々視聴者に対しても冷や水を浴びせてきた。デスゲームドラマがデスゲームを批評的にとらえる視座が巧み。さらにシリーズが続くにしても、これ以上の批評性を持ち得ることはできないのでは。
今日から上映が始まった映画『選挙と鬱』のパンフレットでコラムを書かせてもらっているんですが、SNSで盛況ぶりが伝わってくる。大ヒットしてほしい。
W氏と芦花公園で待ち合わせ、成城青果でラーメンを食べて、世田谷文学館の「士郎正宗の世界展」へ。80年代オタクっぽい工学的センスと隙間恐怖症的描き込みがすごい。一緒にやってた「海野十三と日本SF」展もなかなか興味深し。『十八時の音楽浴』とか『赤外線男』とかタイトルがいちいちかっこいい。

そのあと、環七沿いのサイゼリヤへ。極貧中年のオアシアスですなここは。5時間近く駄話してもうた。帰宅後、原稿書き。
原稿納品。
断続的に見続けていた『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』、やっと見終わった。正直マチュとニャアンがクランバトルに興じる6話くらいまで全然ハマっていなかったのだが、シャロンの薔薇あたりからエヴァみが急速度で高まっていって、ラスト2話は完全にお祭り状態。90年代・ゼロ年代的なサブカル意識がこの時代に爆発するという意味も含めて、これはやはり2025年を総括するうえで外せない作品かと。俄然ガンダム熱を帯びてしまって、そのまま1stガンダムを見始めてしまった。もうダメだ俺。
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