70’sサウンドを現代に召喚してみせた、クレイロの3rdアルバム
ソウル〜R&B〜フォークを緩やかに往還しながら、キャロル・キング、ハリー・ニルソン、ブロッサム・ディアリーを彷彿とさせる70’sサウンドを現代に召喚してみせた、クレイロの3rdアルバム。
ライヴ演奏をテープにトラックダウンするという、プロデューサーのレオン・ミッチェルズがこだわり抜いたアナログ・レコーディングによって、ちょっとくすみのある、柔らかなグルーヴが焼き付いている。
スライドギターやドゥーワップ・コーラスも登場する、ヴィンテージ感&ローファイ感。人肌程度の熱を感じさせる彼女の音楽は、余人をもって代えがたい。
オートチューン的加工が最小限抑えられた、まるで耳元で囁いているかのようなクレイロのウィスパー・ヴォイスと、密室的サウンド・プロダクションが、ホームメイド感を際立たせている。
どのトラックも名曲揃いだが、ヴィンテージソウルなM-2「Sexy to Someone」は特にフェイバリットな一曲。Aメロで半拍早く「ジャン!」って鳴る瞬間が好き。M-6「Terrapin」の、ディレイなドラミングからロールになるイントロも気持ちいい。
たぶん彼女の音楽は、静けさに満ちた部屋のなかで、ひとりランプに火を灯して聴くのがベストだと思われ。
DATA
- アーティスト/Clairo
- 発売年/2024年
- レーベル/ユニバーサル ミュージック
PLAY LIST
- Nomad
- Sexy to Someone
- Second Nature
- Slow Dance
- Thank You
- Terrapin
- Juna
- Add Up My Love
- Echo
- Glory of the Snow
- Pier 4
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