Gen/星野源

異世界混合大舞踏会のようなアルバム

M-15のタイトルのごとく、まさに異世界混合大舞踏会のようなアルバム。

彼の音楽的関心が触覚のようにニョキニョキ伸びて、フュージョン〜ハウス〜AORにアクセス。手数が多いドラミングとか複雑なコード進行とかポップソングとは言い難い曲もあるのに、ちゃんとポピュラリティを堅持してるのがすごい。

正直最初は戸惑いのほうが大きくて、何十周も聴き続けて、ようやく僕の身体に音楽が染み渡ってきた、という感じ。EIGHT-JAMの星野源特集で、STATSが「シンガーソングライター的な作り方から、トラックメイカー的な作り方に変わった」と言ってたけど、本当にそう思う。コロナに入ってから自宅でDAWを使った楽曲制作に移行して、そのサウンドには大きな変化が生じた。

M-1「創造」に始まり、「喜劇」と「暗闇」と「不思議」を経て、「Sayonara」で着地すると思ったら、“今は過去と未来の先にある”と歌う「Eureka」で幕を閉じる構成も素晴らしい。時間の不可逆性すら飛び越える感じがあるというか。

一番好きなトラックは、韓国のラッパーLee Youngji(イ・ヨンジ)が参加したM-6「2」。以前「星野源のおんがくこうろん」でNujabes特集をやってたけど、ちょっと彼を思わせるローファイヒップホップ感がある。

M-2「Mad Hope」でLouis Cole、Sam Gendel、Sam Wilkesとコラボしているのも嬉しい。この数年彼らの仕事を追いかけてきた僕としては、好きなアーティストが好きなアーティストとタッグを組んでくれた!という、ピュアな喜びがある。

DATA
  • アーティスト/星野源
  • 発売年/2025年
  • レーベル/ビクターエンタテインメント
PLAY LIST
  1. 創造
  2. Mad Hope (feat. Louis Cole, Sam Gendel, Sam Wilkes)
  3. Star
  4. Glitch
  5. 喜劇
  6. 2 (feat. Lee Youngji)
  7. Melody
  8. 不思議
  9. Memories (feat. UMI, Camilo)
  10. 暗闇
  11. Why
  12. 生命体
  13. Eden (feat. Cordae, DJ Jazzy Jeff)
  14. Sayonara
  15. 異世界混合大舞踏会
  16. Eureka

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ビクターエンタテインメント

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