Oblivion With Bells/Underworld

Oblivion With Bells

『A Hundred Days Off』から、約5年というインターバルを経てリリースされた『Oblivion With Bells』。

ア・ハンドレッド・デイズ・オフ

テレビ東京ブロードバンドの100%出資会社として設立されたレーベル、「Traffic」への移籍第一弾アルバムでもある。社長を務めるのは、V2レコーズのジェネラルマネージャーとして辣腕をふるってきた中村周市氏。

Asian Dub Foundation、Unkle、The Orbといった一癖も二癖もあるミュージシャンが名前を連ねているとあって、今後の展開がなかなか楽しみなレーベルなり。

さてこの『Oblivion With Bells』、何でも200曲にも及ぶデモ音源中から厳選に厳選を重ね、おまけにU2のラリー・ミューレン・ジュニアや、ブライアン・イーノまでもが選曲に携わって、最終的に12曲を絞り込んだというのだから、気合いの入り方はハンパなし。

世間的には、「圧倒的スケールの壮大なアート・アルバム」として人口に膾炙しているようだが、個々の楽曲のクオリティーはハイレベルながらも、むしろ全体的には半径数メートルのミニマルな世界で共振するかのような、慎ましやかなトラックが全体を占めている感がある。

オープニングを飾る『Crocodile』は、トライバル・ハウスのビートがリスナーの耳に心地よく響きわたる、いかにもUnderworldらしいナンバーだが、ダウン・テンポのチル・アウト系トラックが多いことにもそれは顕著だ。

シンセサイザーによるシンフォニー・サウンドが、深い海の底でたゆたうようなフィーリングを体感させるM-4『To Heal』、ダークでインダストリアルな音響設計のM-8『Cuddle Bunny vs Celtic Villages』、生ピアノの旋律がストレートに胸に突き刺さるM-11『Good Morning Cockerel』。

『Dubnobasswithmyheadman」や『Beaucoup Fish』の頃の、アッパーなダンス・ミュージックが好みのリスナーには、『Oblivion With Bells』は喉越しが良すぎて、ひっかかりがないことが不満の向きもあるだろう。

そういう意味では、このアルバムはフロアー向きの作品ではないかもしれない。しかしUnderworldは、確実にサウンドのテクスチャーを深化させている。

それはリスナーをフィジカルに作用させるのではなく、体内の奥底にそっと入り込んで、バイオロジカルに覚醒させるのだ。

DATA
  • アーティスト/Underworld
  • 発売年/2007年
  • レーベル/Traffic
PLAY LIST
  1. Crocodile
  2. Beautiful Burnout
  3. Holding The Moth
  4. To Heal
  5. Ring Road
  6. Glam Bucket
  7. Boy, Boy, Boy
  8. Cuddle BUnny vs. The Celtic Villages
  9. Faxed Invitation
  10. Good Morning Cockerel
  11. Best Mamgu Ever

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