2025年 アルバムランキング&レビュー|竹島ルイのベスト100+α

竹島ルイの独断と偏見による2025年 アルバムランキングです。ランキングは常に暫定的なので、明日にも変わるかもしれません。悪しからず。
  • う       た/灰野敬二、蓮沼執太
    う       た灰野敬二蓮沼執太

    2025年最も天外魔境な作品。即興演奏、ノイズ、フリージャズからサイケデリックロック現代音楽にまで越境する存在の灰野敬二。クラシカルな構造感覚を持ちながら、電子音響、ポップ、即興を横断する柔軟なスタイルを特徴とする蓮沼執太。世代と音楽的文脈も異なる2人がコラボしたら、タイトル通り空間を切り裂く呪術的なアルバムが出来上がった。70年代的ノイズとゼロ年代的音響の横断。秩序と無秩序の音楽。

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  • 『Gradually』Julien Mier
    GraduallyJulien Mier

    ドリルンベースなダンスミュージックの躍動も柔らかな音の光に包まれていて、その煌めきに身も心もとろけそう。最初の一音を聴いただけで完全に心をもっていかれてしまった。2025年のヘビロテ盤確定。

  • caroline 2caroline

    美しい混沌。祝福と安らぎ。実験的で瞑想的。ロンドンのミステリアスな8人組キャロラインが、2ndアルバムにして20年代インディフォークを確実に代表する傑作をリリース。フォーク・ミュージック・リバイバルの最終形態。

  • GloriaDustin Wong

    昨年亡くなった祖母に捧げられた、ダステイン・ウォンによる電子音の弔辞。キラキラと煌めく虹色の音塊が、分子のように高速運動する。めっちゃIDMなのに土着性を感じさせるサウンドなのも良き。

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  • 藤子野口文

    野口文という存在を全く知らなかったのだけれど、石橋英子との自主企画を終えたばかりのタイミングで彼のインタビューをたまたま読んで聴いてみたら、脳天に穴が開くくらい衝撃を受けた。ストラヴィンスキーとコルトレーンの『Love Supreme』ばかり聴いていたという青年が放つ、スーパーノンジャンル・ミュージック。クラシックヒップホップアンビエントやノイズを軽々横断する実験性と、フィールグッドな気持ちよさが違和感なく共存している。遅まきながらこの音楽に出会えて本当によかった。

  • EEliana Glass

    ニューヨーク・ベースのマルチ・インストゥルメンタリスト、エリアナ・グラスの1stアルバム。深いベースの音を縫うようにして打鍵される幻想的なピアノ、そして物憂げな彼女のヴォーカルが、気品高いジャズの香りを嗅ぐわせる。リリース元は、フランスの電子音楽/実験音楽レーベルShelter Press。

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  • Hope HandwrittenHope Handwritten

    バラク・オバマもお気に入りというロンドンベースのシンガーシングライターHope Talaのデビューアルバム、最高にいい。ボッサやR&Bを緩やかに横断する至極のベッドルームポップ。春のBGMにぴったり。

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  • 『Lateral』Brian Eno、Beatie Wolfe
    LateralBrian Eno、Beatie Wolfe

    ブライアン・イーノ&ビーティー・ウルフのコラボ・アルバムが2枚同時リリースされたけど、僕はヴォーカル・アルバムの『Luminal』よりも、断然アンビエント一本勝負な『Lateral』派。小さじ一杯程度人生をふくよかにさせてくれる、慎ましやかなスペース・ミュージック。

  • 『Weft』Blue Lake
    WeftBlue Lake

    コペンハーゲン出身のマルチ・インストゥルメンタリスト、ジェイソン・ダンカンことBlue LakeのEP。メロディックなギターリフが少しずつ変化しながらリフレインするアンビエント・フォーク。ロッキングチェアで夕焼けを眺めながら聴いていたい。

  • Lotus/Little Simz リトル・シムズ
    LotusLittle Simz

    長年の盟友インフロと袂を分ち(彼女は彼に100万ポンド以上の訴訟を起こしているのだ)、新たにマイルズ・クリントン・ジェームズをプロデューサーに迎えた、Little Simz姐さんの新作。以前みたくイントロでツカミOK!みたいなトリッキーさは影を潜めたものの、ボッサでソウルな音がグルーヴィー。

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  • 『Gadabout Season』Brandee Younger
    Gadabout SeasonBrandee Younger

    ハープ奏者ブランディ―・ヤンガーの3rdアルバム。同じハーピストでもナラ・シネフロはモジュラー・シンセが全体を包み込むアンビエント系だが、彼女はアリス・コルトレーン直系のスピリチュアル・ジャズ。それでいてブラック・コンテンポラリーな躍動もあって、片時も耳が離せない。

  • 『no floor』More Eaze、Claire Rousay
    no floorMore Eaze、Claire Rousay

    Town & Country に代表されるシカゴ音響派ともどこか共振する、ノイジーでミニマルなサスンドスケープ。延々と続く田園風景をエクスペリメンタルな音像で紡ぐ、ポスト・アメリカーナ。

  • 『digi-squires』Sam Gendel、Nate Mercereau
    digi-squiresSam Gendel、Nate Mercereau

    エクスペリメンタル・ジャズの鬼才と天才ギタリストがコラボしたら、トライバルかつスピリチュアルなヘヴン・ミュージックが爆誕した。端から端まで気持ち良すぎる。

  • 『choke enough』Oklou
    choke enoughOklou

    ミックステープやEPを散発的に発表していたオーケールーが、満を辞してデビューアルバムをリリース(プロデューサーはCasey MQ、Danny L Harle、そしてA. G. Cook!!)。ドリーム・ポップ的耽美性を漂わせつつ、ポストクラシカルな調べも絶妙にブレンドされることで、ダークシンフォニーのようなスケールも持ち得ている。

  • I quitHaim

    僕がいつもハイムの曲を聴いて感じるのは、痛みや孤独をメランコリックに昇華させるんじゃなくて、ほろ苦だけどポジティブでエンパワーメントなサッド・バンガーとして、カラっとした明るさがあること。このアルバムも哀しみに囚われるんじゃなくて、力強く前に進むために「やめてやったぜ!」なグッド・トラック集。もちろんベースはインディフォークなれど、シューゲイザーなM-8「Lucky stars」、UKガラージなM-9「Million years」、ディスコティークなM-12「Spinning」と違う表情を見せてくれるのも楽しい。

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  • 『Demilitarize』Nazar
    DemilitarizeNazar

    Prefuse73を思わせるカット&ペーストなコラージュ感と、「攻殻機動隊」にインスパイアされたというメランコリックなダーク・アンビエントがアッセンブル。次第にドス黒い闇が解き放たれていくような構成も見事。

  • 『Museum Music』Edward Skeletrix
    Museum MusicEdward Skeletrix

    ラッパーだけではなく、ファッションデザイナーやビジュアルアーティストとしても活躍するエドワード・スケレトリックスの2ndアルバム。ノイジーながら浮遊感のあるサウンドデザインで構築されたレイジラップ。どこか茶目っけのある祝祭的なシンセサイザーの音色が楽しい。

  • moisturizerWet Leg

    知らないうちに2人組から5人組になってたWet Legの2nd。彼女たちのワイト島仕込みのポストパンクはいつ聴いても中毒性高し。M-3「catch these fists」のイントロがフランツ・フェルディナンドの「Do You Want To」みたいでかっけえ。

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  • 『Balloonerism』Mac Miller
    BalloonerismMac Miller

    ヒップホップの熱心なリスナーではない僕ですが、マック・ミラーのメロウで美しいサウンドメイキングにはいやおうなく惹かれてしまう。SZAが参加したM-2 「DJ’s Chord Organ」の荘厳さたるや!

  • 『Salt River』Sam Amidon
    Salt RiverSam Amidon

    インディロックと電子音楽が融合したような印象を受けた前作から一転、ディストーションもリバーブもかけない、素朴でナチュラルなギター・サウンドに回帰。現代の吟遊詩人サム・アミドンが紡ぐ、トラッドなフォークロア。

  • 『Chewing The Fat』Franc Moody
    Chewing The FatFranc Moody

    血の通ったヒューマニティと、4ビートなファンクネスと、レトロフューチャーな電子音楽がスクリューされた、20世紀モダーン・ミュージック。

  • 『One Battle After Another』Jonny Greenwood
    One Battle After AnotherJonny Greenwood

    個人的には、これまでのジョニー・グリーンウッドの映画仕事のなかでベスト。特にM-8「Ocean Waves」の、ピアノの短音がずっと鳴り響き、そこに金管の不協和音が折り重なっていく不穏さがたまらない。

  • 『Lay Low』Eddie Chacon
    Lay LowEddie Chacon

    ニック・ハキムをプロデューサーに迎えたエディ・チャコンの新作。深いベースの音、メランコリックなピアノの打鍵、どこか靄がかかったようなエレクトロニック・サウンドがチルな気分に浸らせてくれる、至極のモダンソウル。

  • 『Willoughby Tucker, I'll Always Love You』Ethel Cain
    Willoughby Tucker, I’ll Always Love YouEthel Cain

    前作『Preacher’s Daughter』のコンセプトを引き継ぎ、エセル・ケインと初恋の相手ウィロビー・タッカーとの関係を描くアメリカンゴシック・ミュージック。アメリカ南部の湿度の高い夏のロマンス、そして悲劇。まるでアンドリュー・ワイエスの絵画を眺めているようなダークサイドっぷり。

  • 『Animaru』Mei Semones
    AnimaruMei Semones
  • 『BUZZKILL (forever)』Lyn Lapid
    BUZZKILL (forever)Lyn Lapid
  • 『For Melancholy Brunettes (& sad women)』Japanese Breakfast
    For Melancholy Brunettes (& sad women)Japanese Breakfast

    ブレイク・ミルズをプロデューサーに迎えたジャパニーズ・ブレックファストの新譜、水の波紋がゆっくり広がっていくようなアコギとストリングスの響きが染み渡る傑作だった。M-8「Men in Bars」の男性ヴォーカルがトム・ウェイツかと思ったら、俳優ジェフ・ブリッジスでびっくり。

  • 『Luminescent Creatures』青葉市子
    Luminescent Creatures青葉市子

    アルバムを完全再現した昭和女子大学人見記念講堂でのライヴを見てたのでなんとなくイメージは掴んでいたけど、改めてヘッドフォンで聴くと音響の素晴らしさに感動する。まるで一瞬の煌めきを瞬間パックしたような。

  • 『Run Club』Sam Gendel
    Run ClubSam Gendel

    何か知らんうちにフィジカル・オンリーだったサム・ゲンデルの4曲入りEPが配信リリースされてた。ラオスの民族楽器ケーン(いわゆる口オルガンらしい)+ラップトップ・ミュージックによる極上ご機嫌オンガク。

  • 『Sharon Van Etten & The Attachment Theory』Sharon Van Etten
    Sharon Van Etten & The Attachment TheorySharon Van Etten

    バンドとの共同制作としてリリースされたシャロン・ヴァン・エッテンの7thアルバム。インディ・ロックを基調にしながら、「I Can’t Imagine (Why You Feel This Way)」のようなユーロポップも織り交ぜる振り幅の広さ。

  • 『10』SAULT
    10SAULT

    いつもゲリラ的にアルバム/EPをサプライズ・リリースするSAULTの新作。これまで「5」「7」「11」というアルバムを出しておいて「10」というタイトルになるのもよく分からん。でも音楽は尖ったところのない真っ当なR&B。M-4「P」のチャック・レイニーみたいなベースラインがイカす。

  • 『Antigone』石橋英子
    Antigone石橋英子

    漆黒の闇に覆われたアンビエント・ジャズ。ひとつひとつの音に奥行きがあって深さがある。ひんやりとした無機質な空間を、憂いのある石橋英子のヴォーカルが優しく湿らすようなサウンドスケープ。今年のヘビロテ確定盤。

  • 『DJ-Kicks: Logic1000』Logic1000
    DJ-Kicks: Logic1000Logic1000

    ベルリンベースのDJ兼プロデューサーLOGIC1000による、名門レーベル!K7の名盤MIX企画。キャッチーなハウスから離れ、ダーク・アンビエント系のMIXが並んでる。このサウンドの質感はジャスト好み。ずっと聴いてしまう。

  • 『The Brutalist』Daniel Blumberg
    The BrutalistDaniel Blumberg

    ダニエル・ブルームバーグによる「ブルータリスト」のサントラ、とても良き。ハンス・ジマーとかルドウィグ・ゴランソンの音圧ねじ伏せ系じゃなくて、「デデデンデーン」という五音のモチーフがちゃんと耳に残る音楽。ちょっとジョニー・グリーンウッドみもあって最高。

  • 『AH!!』Tei Towa
    AH!!Tei Towa

    この人のオンガクは360°全方位的に楽しい。石野卓球の「ティピカル、ティピカル」、る鹿の「シンセサイザー、ハッピー」が脳内永久リフレイン。生前の高橋幸宏ドラムに細野晴臣ベースを加えたM-7「THE PROPHET」も良き。あ、還暦おめでとうございます。

  • 『black british music(2025)』Jim Legxacy
    black british music(2025)Jim Legxacy

    Fred Again…の「Ten」で、Jozzyと共にフィーチャーされていたJim Legxacyの新作ミックステープ。きらびやかなポップス、疾走感のあるギターロック、トライバルなアフロビーツを万華鏡のように横断する、おもちゃ箱のようなUKラップ。

  • 『DÍA』Ela Minus
    DÍAEla Minus

    コロンビア出身の電子音楽家、エラ・マイナスの2ndアルバム。ワームホールからワームホールへ超高速移動しているかのような、高揚感あふれるグッド・バンガー。このアッパーでユーフォリックな感じ、問答無用で腰がクネる。

  • 『Tabla Dhi, Tabla Dha』U-zhaan
    Tabla Dhi, Tabla DhaU-zhaan

    11年ぶりとなるU-zhaanの新譜、最高っすね。鎮座Dopenessとコラボした「Five Echo」でテンション上がり、Corneliusとコラボした「You & I」で宇宙に誘われ、青葉市子とコラボした「きこえないうた」でほっこりし、坂本龍一とコラボした「Tibetan Dance」で泣いてます。

  • 『some thingies』KNOWER
    some thingiesKNOWER

    知らない内にリリースされてたKNOWERの新作EP。2023年のアルバム『KNOWER FOREVER』のレコーディングセッションを音源化したもの。スタジオアルバムにはない、遊び心に富んだ即興性やダイナミクスが感じられる。

  • 『2』Foxwarren
    2Foxwarren

    カナダのシンガー・ソングライター、アンディ・シャウフ率いるバンドFoxwarrenの2nd。タイトルからして言うまでもないんだけど。メンバーがそれぞれアップロードした曲の断片を、シャウフがサンプリングして楽曲に仕上げたという、謎の工程を経て完成したポスト・フォーク。

  • D o n’ t L a u g h I t O f f羊文学

    一週間くらい聴き続けてきて、サウンドがようやく自分に染み渡ってきた。一曲目「そのとき」の塩塚モエカの声がまるでアン・サリーのようで、圧倒的母性と鍵盤が次第にシューゲイザーへ変貌していくのがスリリング。

  • 『Under Tangled Silence』DjRUM
    Under Tangled SilenceDjRUM

    頑張って作った音源がハードディスクの故障で損失し、心機一転イチから作り直したという、ポスト・クラシカルな楽曲集。やっぱ大切なファイルはクラウドに上げないとアカンね。

  • 『Luster』Maria Somerville
    LusterMaria Somerville

    マリア・サマーヴィルのささやくような歌声は、幻惑的なコーラスや、ほのかにリヴァーブを効かせるギターや、フィールドレコーディングの環境音と等価に配置され、シューゲイズの響きを持つドリームポップとして出力される。氷河の下を流れる水の音のように、そのサウンドは眩くように澄み渡っている。

  • Gen星野源

    まさに異世界混合大舞踏会のようなアルバム。彼の音楽的関心が触覚のようにニョキニョキ伸びてフュージョン〜ハウス〜AORにアクセス。手数が多いドラミングとか複雑なコード進行とかポップソングとは言い難い曲もあるのに、ちゃんとポピュラリティを堅持してる。

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  • Double Infinity/Big Thief ビッグ・シーフ[CD]
    Double InfinityBig Thief

    ベーシストのマックス・オレアーチクが脱退したことで、逆に重力から解き放たれ、各パートがより自在に漂っている。この変化は、Bon Iver以降の“フォーク解体”の流れに似てる気がする。

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  • 『DON'T TAP THE GLASS」』Tyler, The Creator
    DON’T TAP THE GLASS」Tyler, The Creator

    何周かしているけどまだうまく咀嚼できず。トリッキーな構成やコンセプチュアルな戦略性がある訳ではなく、ミックステープのように10個のトラックがシームレスに並んでいる。オールドスクールで温かみのある音はジャスト好み。30分の小さな祝祭。

  • 『History of Silence』Mum
    History of SilenceMum

    タイトルどおり沈黙、余白、時間のゆらぎをテーマに据えた一枚。音の抜け感、マージナルな静けさを活かした構成がムームらしい。

  • 『Headlights』Alex G
    HeadlightsAlex G

    Unknown Mortal Orchestraのジェイコブ・ポートレイトと共同プロデュースしたAlex Gの10thアルバム。耳馴染みよくサラリと聞けてしまうインディーロックだけど、よくよく耳を澄ますとノンコードトーン(非和声音)がバリバリ入ってる。Alex Gってシンプルな楽曲を紡ぐシンガーソングライターというより、シンプルに聴かせる手管に長けた才人というイメージ。ニール・ヤング、エリオット・スミス、ルシンダ・ウィリアムスに代表されるアメリカーナを現代に甦らせた一枚。

  • 『SABLE,fABLE』Bon Iver
    SABLE,fABLEBon Iver

    チェンバーロックやトラッドフォークやゴスペルを祝祭的な光で包み込み、唯一無二のポップミュージックに昇華。ジャスティン・ヴァーノンの美しいファルセットが、柔らかな弦楽器の音色に溶け込んでる。M-10「I’ll Be There」なんてもうプリンスじゃんね。

  • 『萃点』EVISBEATS、Nagipan
    萃点EVISBEATS、Nagipan

    EVISBEATSとNagipanのコラボアルバム「萃点」聴いとります。殺人的酷暑から僕たちをレスキューしてくれるのは、チルでローファイなこういう音楽。なにやら耳慣れないタイトルは、民俗学者・南方熊楠が遺した造語で、「さまざまな物事が集まる場所」という意味らしい。才能と才能が交差する場所、という解釈で良いのかしら。

  • 『Diamond Staircase』Sam Gendel、James McAlister
    Diamond StaircaseSam Gendel、James McAlister

    みんな大好きサム・ゲンデルが、スフィアン・スティーヴンスやThe NationalともコラボレートしてきたLAベースのミュージシャン、ジェームス・マカリスターとタッグを組んだ4曲16分のEP。マカリスターが繰り出す陶酔的なリズムの間を縫うようにゲンデルのサックスがフレージングする、ドラマティックな一枚。

  • 『Giant Opening Mouth on the Ground』Phil Elverum & Arrington De Dionyso
    Giant Opening Mouth on the GroundPhil Elverum & Arrington De Dionyso

    人里離れた南米の地で、召喚してはならない“ナニカ”を呼び出そうとしているような、禍々しさ100%音楽。インドネシアの竹笛(laloveという楽器らしい)やコントラバスクラリネットの音色が、この世のものではないサウンドスケープを生み出している。これ超重低音ウーハーで聴いたら頭おかしくなりそう。

  • 『Fancy That』PinkPantheress
    Fancy ThatPinkPantheress

    全10曲/トータル・タイム18分という、線香花火のように一瞬の輝きを放った1stミックステープ『to hell with it』から4年、この2ndでも全9曲/トータル・タイム20分というコンパクトさ。UKガラージ/2ステップの90’sリバイバルなゴキゲン・サウンドはさらに進化して、アッパーなグルーヴが脳髄を揺らす。

  • 『If Not Winter』Wisp
    If Not WinterWisp

    サンフランシスコ・ベースのSSW、ナタリー・ルーa.k.a.Wispのデビューアルバム。Cocteau Twins meets My Bloody Valentineって感じの、ドリームポップ成分多めなシューゲイザー。轟音で覆われた霧が時折ぱっと晴れるような瞬間があって、空気の変化が感じられるような一枚。

  • 『Instant Holograms On Metal Film』Stereolab
    Instant Holograms On Metal FilmStereolab

    15年ぶりとなるStereolabの新作、冒頭からピコピコ音によるレトロフューチャー宣言を行い、その後はイエイエ/ラウンジ/ネオアコないつものサウンドが横溢していて、泣きそうになる。元々彼らはノスタルジックな音楽だけど、本当のノスタルジーとして受け止めてしまった。

  • 『Lines in a Leaf』The Album Leaf
    Lines in a LeafThe Album Leaf

    ゼロ年代からエレクトロニック/アンビエント・シーンを牽引してきたアルバム・リーフ。この最新作でも、曇りガラスの向こうで明滅する光のように輪郭がぼんやりしたギターリフが、リスナーを陶酔的な世界に導いてくれる。

  • 『Space Cadet』CARRTOONS
    Space CadetCARRTOONS

    ニューヨーク・ベースのプロデューサーBen CarrによるプロジェクトCARRTOONS。このアルバムでは、「ソーシャルメディア時代における愛と嫉妬」をテーマに、相変わらずアナログ感のあるヴィンテージ・ファンクを聴かせてくれる。

  • 『デザインあneo 3』蓮沼執太
    デザインあneo 3蓮沼執太
  • 『Where to Begin』Milena
    Where to BeginMilena

    韓国のシンガーソングライターMilena(ミレーナ)の、楽曲のスタンダードな美しさが際立つアルバム。

  • 『Virgin』Lorde
    VirginLorde

    ファビアナ・パラディーノ、アンドリュー・エイジド、バディ・ロス、ダン・ニグロ、デヴ・ハインズといった面々が参加した、ロード姐さんの4thアルバム。本人が「自分の女性らしさを反映したドキュメントを作ろうとした」というコメント通り、ビートが全面に出過ぎない、彼女のヴォーカルがそのままクリアに反映された作品になってる。

  • 『か「」く「」し「」ご「」と「(Soundtrack)』蓮沼執太、増田義基、犬養奏、藤井心
    か「」く「」し「」ご「」と「(Soundtrack)蓮沼執太、増田義基、犬養奏、藤井心
  • 『Why Not More?』Coco Jones
    Why Not More?Coco Jones

    2022年のグラミー賞受賞EP『What I Didn’t Tell You』から3年、満を持してリリースされたココ・ジョーンズの威風堂々たるデビューアルバム。StargateやLondon on da Trackなどのトッププロデューサーを召喚して、極上のR&B〜ネオ・ソウルを聴かせてくれる。

  • 『Luminal』Brian Eno、Beatie Wolfe
    LuminalBrian Eno、Beatie Wolfe

    僕、ヴォーカル・アルバムの『Luminal』よりも、断然アンビエント一本勝負な『Lateral』派なんです。すいません。

  • 『Loner』Barry Can’t Swim
    LonerBarry Can’t Swim

    エジンバラ出身ジョシュア・マニーのひとりプロジェクトBarry Can’t Swimの2ndアルバム。バウンシーでカラフルなダンス・ミュージックなのに、明らかに生のドラムセクションがあったりして、エレクトロニックとオーガニックのバランス感覚が面白い。歌モノ・ダンストラックとしては、ポストMobyな感じ。

  • 『I Want My Loved Ones To Go With Me』Noah Cyrus
    I Want My Loved Ones To Go With MeNoah Cyrus

    アークティック・モンキーズのマイク・クロッシー、PJハーディングと共にプロデュースしたノア・サイラスの2ndアルバム。生まれ育ったナッシュヴィルへの感謝と祈りが捧げられたルーツ・ミュージック。フリート・フォクシーズのロビン・ペックノルドとデュエットしたM-2「Don’t Put It All on Me」も美しいが、政治家だった実の祖父ロン・サイラスの声をサンプリングしたM-7「Apple Tree」が圧巻。

  • 『Forever Is A Feeling』Lucy Dacus
    Forever Is A FeelingLucy Dacus

    ボーイジーニアスのメンバーとしても知られるルーシー・ダッカスの4thアルバム。これまでの内省的なアコースティック・サウンドから、ストリングスやシンセサイザーをフィーチャーした壮大なサウンドスケープに変化。M-1「Calliope Prelude」、めっちゃ初期レディヘ感があるな。

  • 『Suspended in Time』Fred Hersch、Rondi Charleston
    Suspended in TimeFred Hersch、Rondi Charleston

    ロンディ・チャールストンがパンデミック中に書き綴った詩を、フレッド・ハーシュが作曲することで生まれた作品。コロナ禍における世界の不安、孤独、そして希望が、季節の移ろいと重ね合わせて描かれる。柔らかな和音を奏でるフレッド・ハーシュのピアノが、ロンディ・チャールストンのヴォーカルに程よく溶け合う。

  • 『Better Dreaming』Tune-Yards
    Better DreamingTune-Yards

    メリル・ガーバスとネイト・ブレナーによるデュオ、チューン・ヤーズの6thアルバム。ミニマルでダークでちょっとチャイルディッシュなループ・ドラムが、彼らの音楽を変態チックなアート・ポップたらしめている。

  • 『Equus Caballus』Men I Trust
    Equus CaballusMen I Trust

    早くも今年2枚目となるMen I Trustのニューアルバム。まさかのフレンチポップ路線だった前作に比べて、今回は王道なベッドルームポップ。「Ring of Past」とか「Husk」とか過去作のリアレンジver.も収録されていて、超ショートスパンで原点回帰してる。

  • 『デザインあneo 2』蓮沼執太
    デザインあneo 2蓮沼執太

    個人的には1よりも好き。そしてxiangyuがfeaturingされたM-6「まえうしろうえしたよこ」が好き。

  • 『Glory』Perfume Genius
    GloryPerfume Genius

    ブレイク・ミルズをプロデューサーに迎えた7thアルバム。ゴツゴツした骨太インディーロックと思って聴いてたら、M-5「Left For Tomorrow」あたりから内省的なサウンドに変化して、次第にエクスペリメンタルな衣をまとっていく。どんどん内面世界にINしていくような感じ。

  • 『At The Beach, In Every Life』Gigi Perez
    At The Beach, In Every LifeGigi Perez

    ローリングストーンが“2025年注目のアーティスト”と称えた、期待の新星ジジ・ペレスのデビュー作。陶酔的なネオフォークの流れとも全然違う、力強いギターストロークが耳に残る、エモさ満点のアルバム。

  • 『TREE, FORESTS tribute to RYUICHI SAKAMOTO』伊藤ゴロー、Paula Morelenbaum、Jaques Morelenbaum
    TREE, FORESTS tribute to RYUICHI SAKAMOTO伊藤ゴロー、Paula Morelenbaum、Jaques Morelenbaum

    しっとりした甘美系だと思ってたら、「Happy End」(細野さんベース参加!)も「Rain」もカジュアルなラウンジ系でご陽気な感じ。特に「Ongaku」のサウダージ感凄し。パウラ・モレレンバウムの「僕は…」だけでやられた。

  • 『STAR LINE』Chance The Rapper
    STAR LINEChance The Rapper

    6年ぶりの新作。infloワークスLOVERとしては、一曲目にCleo Solの「Life Will Be」がサンプリングされててブチあがった。M-4「The Negro Problem」でアニタ・ベイカーの「Sweet Love」を元ネタに使うセンスも良き。Jamila WoodsをフィーチャーしたM-3「No More Old Men」のメロウネスは推せる。

  • 『All American F*ckBoy』Duckwrth
    All American F*ckBoyDuckwrth
  • 『デザインあneo 4』蓮沼執太
    デザインあneo 4蓮沼執太
  • 『Sinners』(Soundtrack)V.A.
    Sinners(Soundtrack)V.A.
  • 『SAYA』Saya Gray
    SAYASaya Gray
  • 『雨後 uuhu』Jeon Jin Hee
    雨後 uuhuJeon Jin Hee

    韓国のピアニスト/SSWのチョン・ジンヒが、ピアノソロと室内楽を収めたアルバム。久石譲高木正勝ラインをくすぐる美メロの横溢。

  • 『The Singing Winds pt. 3』Kele
    The Singing Winds pt. 3Kele
  • 『WHEN』Alex Isley
    WHENAlex Isley
  • 『Shards』Tim Hecker
    ShardsTim Hecker
  • 『Humanhood』The Weather Station
    HumanhoodThe Weather Station

    タマラ・リンドマン率いるカナダのフォーク・バンド、ザ・ウェザー・ステーション。この新作でも、透明感のあるストレートなバンド・サウンドが真っ直ぐリスナーの心に染み渡っていく。

  • 『The Bad Fire』Mogwai
    The Bad FireMogwai

    一曲目の「God Gets You Back」から極太シューゲイザーを喰らって、身体の隅々に轟音が入り込んでくる。でも音がクリーンに澄み渡っているから、むしろ浄化される感じ。モグワイってやっぱりモグワイだわ。あ、30周年おめでとうございます。

  • 『Seek』iri
    Seekiri
  • 『SURFACE TENSION』Dev Lemons
    SURFACE TENSIONDev Lemons
  • 『SOULAR』Kyle Dion
    SOULARKyle Dion
  • 『Tall Tales』Thom Yorke、Mark Pritchard
    Tall TalesThom Yorke、Mark Pritchard
  • 『スペシャル』スカート
    スペシャルスカート

    星野源の新譜で影に隠れてしまっている印象がありますが、スカートのニューアルバムもいいんですよ。むしろこっちの方が王道のポップソングをやってる感じがする。

  • 『I Exist Inside This Machine』Max Cooper
    I Exist Inside This MachineMax Cooper

    マックス・クーパーが音楽プロデューサー/ミキシング・エンジニアのアニーク・タパーとコラボしたEP。ディープハウス系の四つ打ちテクノをベースに、スペーシーなシンセ・サウンドが何重にも折り重なっていく感じが陶酔的。ちょっとプログレ感もあり。

  • 『EUSEXUA』FKA twigs
    EUSEXUAFKA twigs

    プロデューサーにジェイミーxxとの仕事で知られるコアレスを招聘してるだけあって、めっちゃエレクトロニック。90年代のマドンナを彷彿とさせるユーロポップを基軸にしつつ、ハウス/ガレージなサウンドを鳴らしていて、とにかく音の圧力が高い。

  • 『11100011』Asian Glow
    11100011Asian Glow

    韓国ソウル出身のシン・キョンウォンのソロ プロジェクト、アジアン・グロウによるドリーミーなシューゲナイザー。

  • 『7 piano sketches』André 3000
    7 piano sketchesAndré 3000

    文字通り静謐なタッチが楽しめるソロピアノ集だけど、後半になると笑い声や薄い電子音やビートが刻まれていくから、ボーカルレスのヒップホップアルバムみたいなノリある。そりゃ元OutKastだもん。

  • 『The Jester』Addy Baddy
    The JesterAddy Baddy
  • 『LEGION』Creepy Nuts
    LEGIONCreepy Nuts

    世界基準を全部知り尽くしたうえで、あえてドメスティックなビートメイクしている余裕綽々な感じがカッコええ。

  • 『La femme aux yeux de sel』Gabi Hartmann
    La femme aux yeux de selGabi Hartmann

    パリで哲学と政治を学び、リオデジャネイロでブラジル音楽を学び、ロンドンで民族音楽学を学んだ“旅するSSW”ギャビ・アルトマンの2ndアルバム。サウダージな風が吹く、肩の力が抜けたグッド・ミュージック。

  • 『Love Language』Ali Sethi
    Love LanguageAli Sethi
  • 『The Crux』Djo
    The CruxDjo
  • 『Diving For A Prize』Sea Lemon
    Diving For A PrizeSea Lemon
  • 『デザインあneo 1』蓮沼執太
    デザインあneo 1蓮沼執太

    電子音がグリッド状に配置されたコーネリアスのコンセプトは踏襲したうえで、ちゃんと蓮沼執太らしい温かみのあるテクスチャになってる。ええですね。

  • 『F*CK U SKRILLEX YOU THINK UR ANDY』Skrillex
    F*CK U SKRILLEX YOU THINK UR ANDYSkrillex
  • 『HALO』NOMELON NOLEMON
    HALONOMELON NOLEMON

    『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』挿入歌『きえない』を含む4曲入りEP。本人が「ノイズにまみれたポップス」と呼ぶ変幻自在でハイパーなエレクトロ・チューンで、Bメロ→サビへの展開がすっごくエモい。

  • 『Big city life』Smerz
    Big city lifeSmerz

    ノルウェーのエレクトロニック・デュオSmerzの2nd。青春キラキラにあぶれてしまった女の子二人の、無気力ダウナーライフ。もはや、メランコリックでビザールなチボ・マット。

  • 『THANK YOU SO MUCH』サザンオールスターズ
    THANK YOU SO MUCHサザンオールスターズ

    サザンって猥雑と茶目っ気でロックを更新してきた存在だと思っているけど、今回の新譜も「恋のブギウギナイト」とか「悲しみはブギの彼方に」とか過去曲をバラバラにして繋ぎ合わせたような曲名にすることで、パロディ精神を堅持しつつ超王道なのが凄い。

  • 『DeBÍ TiRAR MáS FOToS』Bad Bunny
    DeBÍ TiRAR MáS FOToSBad Bunny

    レゲトン/ラテン・トラップの覇王としての貫禄を見せつける一枚。ルーツとしてのサルサをまんま反映したかと思えば、そのスピリットを活かしつつフロア仕様のクラブミュージックを鳴らしてみたり。しかも全部シームレスに繋がってる。

  • 『Sinister Grift』Panda Bear
    Sinister GriftPanda Bear

    今をときめくCindy Leeが参加するとあって、絶対にダウナーな実験作になるじゃんと思って聴いてみたら、ゆったりリズムにBeach Boys風コーラスが重なるグッドメロディーな快作だった。音のひとつひとつが超リラックス・モードでめっちゃ優しい。

  • 『No Rain, No Flowers』The Black Keys
    No Rain, No FlowersThe Black Keys

    ブラック・キーズが奏でるのは、いつだって骨太なガレージロック。個人的にはこういう音楽は苦手なはずなんだけど、彼らの曲は突き抜けたポップネスがあって、楽しく聴けてしまう。いつもありがとうございます。

  • 『オールウェイズ』奇妙礼太郎
    オールウェイズ奇妙礼太郎
  • 『The Human Fear』Franz Ferdinand
    The Human FearFranz Ferdinand

    時代を経ても変わらないものはたくさんあるけど、フランツ・フェルディナンドの音楽は20年間本当に変わらない。アート・スクール的&アングラ的な耽美性、柔らかなシンセサイザーとグルーヴィーなベースが絡み合うダンス・ミュージック感。僕は正直彼らの良いリスナーではないけれど、安心して聴ける。

  • 『NV』NAQT VANE
    NVNAQT VANE
  • 『Telepa Telepa』一十三十一
    Telepa Telepa一十三十一
  • 『People Watching』Sam Fender
    People WatchingSam Fender
  • 『WHAM』Lil Baby
    WHAMLil Baby
  • 新幹線大爆破岩崎太整、山口由馬

    えっとまあ、一応聴いてみましたってだけなんですけど。