2025年 アルバムランキング

竹島ルイの独断と偏見による2025年 アルバムランキングです。ランキングは常に暫定的なので、明日にも変わるかもしれません。悪しからず。
  1. 『Gloria』Dustin Wong
  2. 昨年亡くなった祖母に捧げられた、ダステイン・ウォンによる電子音の弔辞。キラキラと煌めく虹色の音塊が、分子のように高速運動する。めっちゃIDMなのに土着性を感じさせるサウンドなのも良き。

  3. 『Hope Handwritten』Hope Handwritten
  4. バラク・オバマもお気に入りというロンドンベースのシンガーシングライターHope Talaのデビューアルバム、最高にいい。ボッサやR&Bを緩やかに横断する至極のベッドルームポップ。春のBGMにぴったり。

  5. 『Weft』Blue Lake
  6. コペンハーゲン出身のマルチ・インストゥルメンタリスト、ジェイソン・ダンカンことBlue LakeのEP。メロディックなギターリフが少しずつ変化しながらリフレインするアンビエント・フォーク。ロッキングチェアで夕焼けを眺めながら聴いていたい。

  7. 『no floor』More Eaze、Claire Rousay
  8. Town & Country に代表されるシカゴ音響派ともどこか共振する、ノイジーでミニマルなサスンドスケープ。延々と続く田園風景をエクスペリメンタルな音像で紡ぐ、ポスト・アメリカーナ。

  9. 『digi-squires』Sam Gendel、Nate Mercereau
  10. エクスペリメンタル・ジャズの鬼才と天才ギタリストがコラボしたら、トライバルかつスピリチュアルなヘヴン・ミュージックが爆誕した。端から端まで気持ち良すぎる。

  11. 『Balloonerism』Mac Miller
  12. ヒップホップの熱心なリスナーではない僕ですが、マック・ミラーのメロウで美しいサウンドメイキングにはいやおうなく惹かれてしまう。SZAが参加したM-2 「DJ’s Chord Organ」の荘厳さたるや!

  13. 『Salt River』Sam Amidon
  14. インディロックと電子音楽が融合したような印象を受けた前作から一転、ディストーションもリバーブもかけない、素朴でナチュラルなギター・サウンドに回帰。現代の吟遊詩人サム・アミドンが紡ぐ、トラッドなフォークロア。

  15. 『Square Pegs In Round Holes』Franc Moody
  16. 『Lay Low』Eddie Chacon
  17. ニック・ハキムをプロデューサーに迎えたエディ・チャコンの新作。深いベースの音、メランコリックなピアノの打鍵、どこか靄がかかったようなエレクトロニック・サウンドがチルな気分に浸らせてくれる、至極のモダンソウル。

  18. 『For Melancholy Brunettes (& sad women)』Japanese Breakfast
  19. ブレイク・ミルズをプロデューサーに迎えたジャパニーズ・ブレックファストの新譜、水の波紋がゆっくり広がっていくようなアコギとストリングスの響きが染み渡る傑作だった。M-8「Men in Bars」の男性ヴォーカルがトム・ウェイツかと思ったら、俳優ジェフ・ブリッジスでびっくり。

  20. 『Luminescent Creatures』青葉市子
  21. アルバムを完全再現した昭和女子大学人見記念講堂でのライヴを見てたのでなんとなくイメージは掴んでいたけど、改めてヘッドフォンで聴くと音響の素晴らしさに感動する。まるで一瞬の煌めきを瞬間パックしたような。

  22. 『Sharon Van Etten & The Attachment Theory』Sharon Van Etten
  23. バンドとの共同制作としてリリースされたシャロン・ヴァン・エッテンの7thアルバム。インディ・ロックを基調にしながら、「I Can’t Imagine (Why You Feel This Way)」のようなユーロポップも織り交ぜる振り幅の広さ。

  24. 『Antigone』石橋英子
  25. 漆黒の闇に覆われたアンビエント・ジャズ。ひとつひとつの音に奥行きがあって深さがある。ひんやりとした無機質な空間を、憂いのある石橋英子のヴォーカルが優しく湿らすようなサウンドスケープ。今年のヘビロテ確定盤。

  26. 『DJ-Kicks: Logic1000』Logic1000
  27. ベルリンベースのDJ兼プロデューサーLOGIC1000による、名門レーベル!K7の名盤MIX企画。キャッチーなハウスから離れ、ダーク・アンビエント系のMIXが並んでる。このサウンドの質感はジャスト好み。ずっと聴いてしまう。

  28. 『The Brutalist』Daniel Blumberg
  29. ダニエル・ブルームバーグによる「ブルータリスト」のサントラ、とても良き。ハンス・ジマーとかルドウィグ・ゴランソンの音圧ねじ伏せ系じゃなくて、「デデデンデーン」という五音のモチーフがちゃんと耳に残る音楽。ちょっとジョニー・グリーンウッドみもあって最高。

  30. 『some thingies』KNOWER
  31. 知らない内にリリースされてたKNOWERの新作EP。これライブセッションの音源化ですよね。素晴らしい。

  32. 『AH!!』Tei Towa
  33. この人のオンガクは360°全方位的に楽しい。石野卓球の「ティピカル、ティピカル」、る鹿の「シンセサイザー、ハッピー」が脳内永久リフレイン。生前の高橋幸宏ドラムに細野晴臣ベースを加えたM-7「THE PROPHET」も良き。あ、還暦おめでとうございます。

  34. 『DÍA』Ela Minus
  35. コロンビア出身の電子音楽家、エラ・マイナスの2ndアルバム。ワームホールからワームホールへ超高速移動しているかのような、高揚感あふれるグッド・バンガー。このアッパーでユーフォリックな感じ、問答無用で腰がクネる。

  36. 『SABLE,fABLE』Bon Iver
  37. チェンバーロックやトラッドフォークやゴスペルを祝祭的な光で包み込み、唯一無二のポップミュージックに昇華。ジャスティン・ヴァーノンの美しいファルセットが、柔らかな弦楽器の音色に溶け込んでる。M-10「I’ll Be There」なんてもうプリンスじゃんね。

  38. 『Glory』Perfume Genius
  39. ブレイク・ミルズをプロデューサーに迎えた7thアルバム。ゴツゴツした骨太インディーロックと思って聴いてたら、M-5「Left For Tomorrow」あたりから内省的なサウンドに変化して、次第にエクスペリメンタルな衣をまとっていく。どんどん内面世界にINしていくような感じ。

  40. 『Humanhood』The Weather Station
  41. タマラ・リンドマン率いるカナダのフォーク・バンド、ザ・ウェザー・ステーション。この新作でも、透明感のあるストレートなバンド・サウンドが真っ直ぐリスナーの心に染み渡っていく。

  42. 『The Bad Fire』Mogwai
  43. 一曲目の「God Gets You Back」から極太シューゲイザーを喰らって、身体の隅々に轟音が入り込んでくる。でも音がクリーンに澄み渡っているから、むしろ浄化される感じ。モグワイってやっぱりモグワイだわ。あ、30周年おめでとうございます。

  44. 『I Exist Inside This Machine』Max Cooper
  45. マックス・クーパーが音楽プロデューサー/ミキシング・エンジニアのアニーク・タパーとコラボしたEP。ディープハウス系の四つ打ちテクノをベースに、スペーシーなシンセ・サウンドが何重にも折り重なっていく感じが陶酔的。ちょっとプログレ感もあり。

  46. 『EUSEXUA』FKA twigs
  47. プロデューサーにジェイミーxxとの仕事で知られるコアレスを招聘してるだけあって、めっちゃエレクトロニック。90年代のマドンナを彷彿とさせるユーロポップを基軸にしつつ、ハウス/ガレージなサウンドを鳴らしていて、とにかく音の圧力が高い。

  48. 『11100011』Asian Glow
  49. 韓国ソウル出身のシン・キョンウォンのソロ プロジェクト、アジアン・グロウによるドリーミーなシューゲナイザー。

  50. 『The Jester』Addy Baddy
  51. まっとうなインディーロックのようでいて、どこかすっとぼけた感じもあり。アンディ・バディー、まったく正体が掴めんぜ。

  52. 『LEGION』Creepy Nuts
  53. 世界基準を全部知り尽くしたうえで、あえてドメスティックなビートメイクしている余裕綽々な感じがカッコええ。

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  54. 『La femme aux yeux de sel』Gabi Hartmann
  55. パリで哲学と政治を学び、リオデジャネイロでブラジル音楽を学び、ロンドンで民族音楽学を学んだ“旅するSSW”ギャビ・アルトマンの2ndアルバム。サウダージな風が吹く、肩の力が抜けたグッド・ミュージック。

  56. 『Fデザインあneo 1』蓮沼執太
  57. え電子音がグリッド状に配置されたコーネリアスのコンセプトは踏襲したうえで、ちゃんと蓮沼執太らしい温かみのあるテクスチャになってる。ええですね。

  58. 『F*CK U SKRILLEX YOU THINK UR ANDY』Skrillex
  59. 『THANK YOU SO MUCH』サザンオールスターズ
  60. サザンって猥雑と茶目っ気でロックを更新してきた存在だと思っているけど、今回の新譜も「恋のブギウギナイト」とか「悲しみはブギの彼方に」とか過去曲をバラバラにして繋ぎ合わせたような曲名にすることで、パロディ精神を堅持しつつ超王道なのが凄い。

  61. 『DeBÍ TiRAR MáS FOToS』Bad Bunny
  62. レゲトン/ラテン・トラップの覇王としての貫禄を見せつける一枚。ルーツとしてのサルサをまんま反映したかと思えば、そのスピリットを活かしつつフロア仕様のクラブミュージックを鳴らしてみたり。しかも全部シームレスに繋がってる。

  63. 『Sinister Grift』Panda Bear
  64. 今をときめくCindy Leeが参加するとあって、絶対にダウナーな実験作になるじゃんと思って聴いてみたら、ゆったりリズムにBeach Boys風コーラスが重なるグッドメロディーな快作だった。音のひとつひとつが超リラックス・モードでめっちゃ優しい。

  65. 『The Human Fear』Franz Ferdinand
  66. 時代を経ても変わらないものはたくさんあるけど、フランツ・フェルディナンドの音楽は20年間本当に変わらない。アート・スクール的&アングラ的な耽美性、柔らかなシンセサイザーとグルーヴィーなベースが絡み合うダンス・ミュージック感。安心して聴ける。

  67. 『Telepa Telepa』一十三十一
  68. 2017年のアルバム「Ecstasy」のキラメキ・トロピカル・サウンドが超絶好きな自分としては、同じくDorianがプロデュースしたM-2「デジャブのブルー」が好みなんだが、流線形時代を思わせるM-5「ロストシティ」のアーバンな感じも、M-7「あなたとContigo」の中毒性高いディスコティークな感じも良い。

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