2026/1/1

2026年 アルバムランキング&レビュー|竹島ルイのベスト100+α

竹島ルイの独断と偏見による2026年 アルバムランキングです。ランキングは常に暫定的なので、明日にも変わるかもしれません。悪しからず。
  • Detached From The Rest Of You/ロレイン・ジェイムズ[CD]
    Detached From The Rest Of Youロレイン・ジェイムズ

    僕がゼロ年代初頭によく聴いていた池田亮司とか青木孝允とかのグリッチ系IDMに、ちょっとだけインディー・フォークの体温が重なったような感じ。こちとら、こういう音に触れたくて音楽聴いている!

  • Atlântico/マヌエル・リニャレス[CD]
    Atlânticoマヌエル・リニャレス

    アルバムタイトルはポルトガル語で大西洋という意味らしいけど、その名の通りどこまでも広がるようなスケールの大きい空間設計。滑らかに浮遊するヴォーカル、リニアなメロディライン、サウダージなテクスチャーが、ディープブルーな煌めきを放っている。

  • Inferno/ボーズ・オブ・カナダ[CD]
    Infernoボーズ・オブ・カナダ

    1曲目の「Introit」で、いつもの温かなアンビエント・シンセの響きが流れた瞬間に「あ、いま僕はボーズ・オブ・カナダ新作を聴いているんだ!」という嬉しさがこみあげてくる。でも聞き続けていると、「Inferno」(業火、生き地獄)というタイトル通り、次第に冥界から響くような低音や、呪術的なチャントや、ローファイなビートが世界を支配し始めて、退廃的でメランコリックな音像が展開されていく。「Music Has The Right To Children」や「Geogaddi」のような得体の知れない不穏さとはまた違う、甘美なる煉獄のサウンドスケープ。

  • Rumspringa/ear[CD]
    Rumspringaear

    A24 Musicからリリースされた、エレクトロニック・デュオearの「Rumspringa」、ジャスト好み!ローファイなインディー・ポップ、IDM、サウンドコラージュまでを軽やかに横断するインディー・トロニカ。ちょっとPsappを彷彿とさせる、耳に嬉しい音。

  • What Do I Know Now?/ナヴァ・シー、ブラクストン・クック、サクストン・シェフ[CD]
    What Do I Know Now?ナヴァ・シー、ブラクストン・クック、サクストン・シェフ

    現代オルタナティブR&B/ジャズ・シーンの最前線にいる3人による、強力なコラボレーション・アルバム。サクストン・シェフによるザラついた質感のプロダクションの上に、ナヴァ・シーによるシンセサイザーが空間の奥行きを作り、ブラクストン・クックのサックスが強い肉体性を与える。R&Bやネオ・ソウルの文脈にありながら、あえてハッキリとしたビートを強調しない、引き算の美学が貫かれている。

  • 岡潔(Oka Kiyoshi)/EVISBEATS、Nagipan[CD]
    岡潔(Oka Kiyoshi)EVISBEATS、Nagipan

    世界的数学者である岡潔が提唱した「情緒」や「二つの心」といった哲学的な思想をテーマに、EVISBEATSとNagipanの2人が直覚、気配のようなものを頼りにして、今なにを感じているかをアウトプットした傑作。瞑想的でオーガニックなサウンドスケープが、ひたすら気持ちいい。

  • Ambiguous Desire/アーロ・パークス[CD]
    Ambiguous Desireアーロ・パークス

    アーロ・パークスがツアー中に訪れたロサンゼルスのレイブや、ロンドンのナイトライフの影響が色濃く反映されたという3rdアルバム。これまでのアコースティックなサウンドから、ハウス/エレクトロニカにシフトチェンジして、さらにジャスト僕好みなサウンドに。ダンスフロアの多幸感に満ちている。

  • Distracted/サンダーキャット[CD]
    Distractedサンダーキャット

    ノスタルジックなブレイクビーツと彼特有のシルキーなファルセット、そしてサックスの音色が交錯するプロダクションは圧巻。メランコリックな内省にとどまらず、ポップな推進力とダンサブルなグルーヴを同時に成立させたマスターピース。

  • 死んでも一生/野口文[CD]
    死んでも一生野口文

    フォーキーでエレクトロニカな親密サウンドに、変則ビートが絡みつく快感。「頭」「目」など身体器官を冠したトラックから、おんぶに疲れたり、呼吸を忘れたり、次第に感情と肉体が直結していく構成も見事。極上なポップミュージック。七尾旅人と対バンしたライヴもすごく良かった!

  • forgotten/冬にわかれて[CD]
    forgotten冬にわかれて

    大貫妙子みたいな凜とした空気のニューミュージック感、キセルみたいな浮遊する音響フォーク感、トクマルシューゴみたいな箱庭的チェンバーポップ感、気品と洗練と実験精神が息づいた最高のポップス。イラストレーターの鯵坂兼充によるカバージャケットもカッコいい。

  • Train On The Island/オルダス・ハーディング[CD]
    Train On The Islandオルダス・ハーディング

    ニュージーランド出身のシンガーソングライター、オルダス・ハーディングの5thアルバム。シンセサイザーの導入により温かみが加えられており、曲の展開に合わせて会話のようなトーンから深く豊かな歌声へとシームレスに変化する「ボーカルの遊び場」的なアプローチが、アルバム全体に特有の緊張感をもたらしている。

  • 三三三 (Sanmai)/EVISBEATS、Nagipan[CD]
    三三三 (Sanmai)EVISBEATS、Nagipan

    前作『岡潔』から間髪入れずにリリース。っていうか早すぎじゃね????タイトルの「三三三」が示す通り、ひとつのことに心を集中させて散らさない状態がテーマ。Nagipanによる流麗な鍵盤やインストゥルメンタルの生音感と、EVISBEATSの洗練されたビートメイクが完全に溶け合って、まさしく三昧の境地!

  • UNRELATED/サム・ゲンデル、サム・ウィルクス[CD]
    UNRELATEDサム・ゲンデル、サム・ウィルクス

    これまでのサムサムとぜんっぜん違う!ライブ感やアタック感が薄まって、よりミニマルでエクスペリメンタルな音響空間に近づいた感じ。M-4「JAGUAR PAW」なんて下手したら武満徹だし、M-5「RAPMAN」はTown & Country。

  • COME CLOSER/TOMORA(オーロラ、トム・ローランズ)[CD]
    COME CLOSERTOMORA(オーロラ、トム・ローランズ)

    ケミカル・ブラザーズのトム・ローランズと、ノルウェー出身のシンガーソングライター、オーロラによるコラボレーション・プロジェクト。トリップホップなダウナーなサウンドに、トム・ローランズ特有の推進力のあるビートと、オーロラの神秘的なヴォーカルが混ざり合い、独自のコントラストを生み出している。

  • 映画「災」オリジナル・サウンドトラック[CD]
    映画「災」(オリジナル・サウンドトラック)豊田真之

    メインテーマ「SAI」は、スティーヴ・ライヒのようなミニマル・ミュージックにありったけの不穏さを注入したようなトラックだし、M-3「faceless」もリゲティのようなピアノ曲で最高。超がつくおすすめ。

  • Neon Summer Skin/ベドウィン[CD]
    Neon Summer Skinベドウィン

    シリアにルーツを持つSSWベドウィンの、人生の軌跡と記憶をテーマにしたコンセプト・アルバム。キャロル・キングやカレン・カーペンター、さらにはトッド・ラングレンの持つポップなメロディ・センスを意識的に取り入れたとという、70年代チェンバー・ポップ的な柔らかな質感が良き。トランペットや、バルブ・トロンボーン、フルートが随所に効果的に配置されている。

  • A Love For Strangers/チェット・フェイカー[CD]
    A Love For Strangersチェット・フェイカー

    アデルやポール・マッカートニーを手掛けた、グレッグ・カースティンをメインプロデューサーに招聘。即興的でジャジーな要素を残しつつ、80年代のシンセ・ポップやブリット・ポップのような、より明快で洗練されたポップ・センスが気持ちいい。サンダーキャットはいつだって最高なのだ。

  • The Moment (The Score) /A・G・クック[CD]
    The Moment (The Score) A・G・クック

    チャーリー・XCX主演映画『The Moment』のオリジナル・サウンドトラック。ダンスフロア向けの攻撃的でエネルギーに満ちたトラック(ソフィーやオウテカを彷彿とさせるようなアグレッシブな高周波やキック)と、エレガントでアンビエントなシンセパッドの広がりが同居している。リフレインしてると脳がヤラれるので注意!

  • IT'S BEEN AWFUL/アイザイア・ラシャド[CD]
    IT’S BEEN AWFULアイザイア・ラシャド

    『The House Is Burning』(2021年)から約5年ぶりとなる4thアルバム。シザ、ドミニク・ファイク、ジュリアン・シントニアという豪華ゲストを迎え、クローズドでスモーキーな内省録から、プリンスやアウトキャストといった革新者たちのエッセンスを強く取りこんだ、カラフルでアヴァンギャルドなポップネスへと踏み出している。

  • Oh yeah?/スティーヴ・レイシー[CD]
    Oh yeah?スティーヴ・レイシー

    スティーヴ・レイシーの新譜「Oh yeah?」、ヴィンテージな温かみがあって聴き心地がいい。過剰に作り込みすぎないラフな雰囲気があって、ベッドルーム・ポップの親密さを漂わせている(ギターの弾き語りとかもあるし)。SZAとコラボした「is it cool?」、エリカ・バドゥとコラボした「pure colour」もいいけど、9曲目「nice shoes / in your world」でブレイクコアからメロウなバラードにシフトチェンジして、そこに再び超高速ビートが折り重なる展開がカッコよすぎた。

  • Waves/ムーンチャイルド[CD]
    Wavesムーンチャイルド

    僕がネオ・ソウルに求めてるメロウネスが、ぜんぶこのアルバムにコンパイルされてる。ジル・スコット、ロバート・グラスパー、クリス・デイヴ、PJモートンといった超豪華ゲストを迎えて、サンプリングなどの新たな音響実験と、「心の回復」という生々しいテーマが美しく調和した一枚。

  • Hyakunen No Kodoku/百年の孤独[CD]
    Hyakunen No Kodoku百年の孤独

    僕がネオ・ソウルに求めてるメロウネスが、ぜんぶこのアルバムにコンパイルされてる。ジル・スコット、ロバート・グラスパー、クリス・デイヴ、PJモートンといった超豪華ゲストを迎えて、サンプリングなどの新たな音響実験と、「心の回復」という生々しいテーマが美しく調和した一枚。

  • Heaven 2/Lala Lala[CD]
    Heaven 2Lala Lala

    シカゴを拠点とするリリー・ウェストによるインディー・ロック・プロジェクト、Lala Lalaの5thアルバム。共同プロデューサーのメリナ・ドゥテルテとほぼすべての楽器を二人で演奏し、シネマティックでエレクトロなサウンドスケープを構築。それでいてインディー・ポップなトラックもあったりして、バリエーションの広さが楽しい。

  • Where Light Settles/ジャスミン・マイラ[CD]
    Where Light Settlesジャスミン・マイラ

    イギリス・リーズ出身のサックス奏者、ジャスミン・マイラの3rdアルバム。自らストリングスのスコアを書き、過去最大規模となる14人編成の大型アンサンブルを率いて、プロダクション全体をハンズオン。スピリチュアル・ジャズやアンビエントをベースにしつつ、ヒップホップやクラシック・ジャズのグルーヴ、フォーキーなテイストもアリ。アルバムを通じて彼女がサックス・ソロを披露しているのが、アルバムのラストを飾る表題曲のみというのも、演奏家ではなく作曲家としての立ち位置を示したものなんだろう。

  • Fix Your Face/マセーゴ[CD]
    Fix Your Faceマセーゴ

    サックスの生演奏と、ヒップホップやR&Bのビートメイクが高度に融合した、いかにもマセーゴらしいサウンド・メイキングが楽しい一枚。ブジュ・バントン、キーシャ・コール、レオン・トーマス、ミュージック・ソウルチャイルドなどなど、実力派アーティストたちが参加。

  • The Shell/マルティン・ブルッガー[CD]
    The Shellマルティン・ブルッガー

    ドイツのミュンヘンを拠点とするレーベル「Squama」の共同創設者であり、ベーシスト/プロデューサーでもあるマルティン・ブルッガー2枚目のソロアルバム。フィールドレコーディングによる環境音、ノイジーなシンセサイザー、ローファイなフォークギターが混ざり合う、幻想的なアトモスフィア。

  • OrWave Weave - Soni Obi/アルヴァ・ノト[CD]
    OrWave Weave – Soni Obiアルヴァ・ノト

    京都の細尾ギャラリーで開催されたインスタレーション展「WAVE WEAVE」のために提供した楽曲集。1と0の2進法で布を編むジャカード織機のアルゴリズムを、マシンカットな超高精度パルスへとハックした、西陣織×電子音響の結晶。

  • WHACK'S MUSEUM/ティエラ・ワック[CD]
    WHACK’S MUSEUMティエラ・ワック

    アウトキャストのアンドレ3000からも絶大な支持を得ている、ティエラ・ワックのゴキゲンなミックステープ。アブストラクト/アンダーグラウンド・ヒップホップ・シーンを支える重要プロデューサー、コンダクター・ウィリアムズとタッグを組んで、ローファイでシネマティックな空気感を生み出している。

  • CONFESSIONS II/マドンナ[CD]
    CONFESSIONS IIマドンナ

    ダンス・ポップの金字塔『Confessions on a Dance Floor』(2005年)の正統なる続編。プロデューサーにスチュアート・プライスを迎え、アルバム全体が途切れることなくシームレスに繋がるノンストップ・クラブ・フロー形式を採用。前半はフロアライクな4つ打ちビート、後半は90年代UKの重厚なグルーヴに変化する構成が見事。マドンナ、やっぱすげえ。

  • YEARNALISM/ベイビー・ローズ[CD]
    YEARNALISMベイビー・ローズ

    ベイビー・ローズ本人曰く、「さまざまな形態における欲望のプロセスとその記録」。ジャジーなネオソウルを基調としつつ、70年代のソウルの古典的な感触と、現代的なプロダクションが融合。南部訛りのある情緒的なヴィブラートが全編にわたって響く。

  • Emotional Junglist/ニア・アーカイヴス[CD]
    Emotional Junglistニア・アーカイヴス

    リズムはハードコアなブレイクビーツなのに(ハイハット刻みすぎ!)、メロディはメランコリックで、そこにソリッドなギターが重なるという、頭がクラクラするようなサウンドメイキング。聴いているうちに味が濃いのに慣れすぎてしまって、5曲目の「This Could Be…」のように真っ直ぐなインディーロックになると、ちょっと物足りなく感じてしまう。サンファとコラボした「Tender」は、抑えめのブレイクビーツ、ヴォーカルとコーラスを意識的に押し出した音響設計で、文字通り優しい気持ちになれるグッドチューン。

  • MOJACAT/Kan Sano[CD]
    MOJACATKan Sano

    UAや柴田聡子とコラボした曲もいいけれど、個人的に好きなトラックはM-7「それから」。ハネるようなシンセのリフ、夏目漱石を引用しつつ、頑張らない頑張り方をさらりと歌うポップソング。耳福。

  • Fenian/ニーキャップ[CD]
    Fenianニーキャップ

    ヒップホップ・トリオ、ニーキャップの3rdアルバム。2024年の逮捕劇を経て、彼らのラップは鋭利な社会批判を越え、剥き出しの内省へと到達。アシッドハウスやトラップが渦巻く狂騒のなか、名声の孤独や肉親の死といった痛みが綴られる。政治的怒りと個人的な悲嘆が激しく火花を散らし、現代アイルランドのアイデンティティを更新する重要作。

  • NOTE/Shin Sakiura [CD]
    NOTEShin Sakiura

    ギターやビートメイクにとどまらず、Shin Sakiuraがベースや鍵盤も自ら操るマルチプレイヤーとしての才能を前面に押し出した3rdアルバム。おまけにミックスダウンまでのエンジニアリング工程も全部やってるって、多才すぎるだろ!

  • Nothing's About to Happen to Me/Mitski[CD]
    Nothing’s About to Happen to MeMitski

    前作『The Land Is Inhospitable and So Are We』では「犬」が象徴的に用いられていたけど、このアルバムでは「Cats」や「That White Cat」といった楽曲名が示す通り、「自由でしなやかな猫」が重要なモチーフに。オーケストラを駆使した起伏の激しいサウンドに対して、Mitskiのボーカルはとても自然体で、そのコントラストが彼女の孤独やトラウマ、心象風景をより際立たせる。

  • NEWME/UA[CD]
    NEWMEUA

    いやーUAもデビュー30周年かー。感慨深し。2016年の「JaPo」以来となる本作は、ジャンルの垣根を軽々と飛び越え、新たなポップスの現在地を鮮やかに提示した記念碑的作品に。実の長男・村上虹郎とコラボした「ZOMBIE」や、藤原さくらとコラボした「まわるみらい」もいいけど、気鋭のフィメールラッパーMFSを招聘した「WAKEUP」が超かっこいい。

  • ?/ベースヴィクティム[CD]
    ベースヴィクティム

    ロンドン発のエレクトロニック・デュオ、ベースヴィクティムの2ndアルバム。自分たちをベースパンクと称しているだけあって、ヘヴィなベースミュージック、ネオンカラーのEDMを掛け合わせた熱狂的なサウンドがアツい。ヘッドフォンで聴いたら飛ぶかも。

  • Kiss All The Time. Disco, Occasionally./ハリー・スタイルズ[CD]
    Kiss All The Time. Disco, Occasionally.ハリー・スタイルズ

    これまであまりハリー・スタイルズの良いリスナーじゃなかったけど、今回の新譜はジャスト好み。一曲目の「Aperture」から霞がかったポスト・クラブ的なムードが漂っていて、倦怠感のあるゆるいハウスビートが気持ちいい。

  • Chapter 1/Sault[CD]
    Chapter 1Sault

    「God, Protect Me from My Enemies」とか「Fulfil Your Spirit」とか、祈りや精神の充足に関するトラックが並び、これまでよりもソウル/ファンクのヴィンテージ感は強め。文字通り新しい時代の始動。

  • Wuthering Heights/チャーリー・XCX[CD]
    Wuthering Heightsチャーリー・XCX

    正直クラブ・アンセムとしての「BRAT」には今ひとつハマれなかったけど、ジョン・ケイルを召喚した本作は、インダストリアルで内省的なサウンドがツボりまくり。「Dying for You」はイントロからアガる。

  • Trying Times/ジェイムス・ブレイク[CD]
    Trying Timesジェイムス・ブレイク

    ジェイムス・ブレイクはいつだってクールでええですね。この新譜も、生楽器も取り入れてエモーショナルになるはずなのに、どこか決定的に無機質というか。なんというか、人類が絶滅した未来の劇場でアンドロイドがプログラミングされた音楽劇をやっているような感じ。

  • ヤッホー/坂本慎太郎[CD]
    ヤッホー坂本慎太郎

    ブルース、ムード歌謡、60年代ソウル、サーフ・インスト、ファンクといった彼自身のルーツとなる多彩な音楽ジャンルを飲み込み、非常に抜けの良い洗練されたバンドサウンドへと昇華。社会の不条理や漠然とした不安、現代の狂気をすくい取りながらも、決して声高に叫ぶのではなく、あくまで軽快でメロウなグルーヴに乗せて歌い上げる坂本慎太郎は、ただひたすらカッコいい。

  • 箱の中の羊/坂東祐大[CD]
    箱の中の羊坂東祐大

    『大豆田とわ子と三人の元夫』から坂東祐大の仕事は追いかけてきたけど、このサントラも見事な完成度。M-1「箱の中の羊 – Fragment 0」のチェロ(演奏は伊東裕)の響きが心に沁みわたります。ドラマーの石若駿、ピアニストの梅井美咲、ベーシストの須川崇志といった、現代ジャズシーンの最前線を走るトップ・プレイヤーも参加。

  • The Demise Of Planet X/スリーフォード・モッズ[CD]
    The Demise Of Planet Xスリーフォード・モッズ

    ノッティンガム出身のポストパンク/エレクトロ・デュオ、スリーフォード・モッズ13枚目のスタジオ・アルバム。ヘロヘロLo-fiサウンドで淡々とループされるビートが、劇的な爆発など起きない瓦礫の中の日常を映し出す。M-3「Elitest G.O.A.T.」が、めっちゃB-52’っぽいサウンド!

  • Heaven Ain't Sold/チョーカー[CD]
    Heaven Ain’t Soldチョーカー

    7年という長い空白期間を経て、チョーカーが舞い戻ってきた。ポエティックなリリックにストーリーテラーとしてのルーツが色濃く反映された、優しさ満点のオーガニックR&B。

  • イ三/原口沙輔[CD]
    イ三原口沙輔

    15歳でメジャーデビュー、ボカロネット音楽シーンでのメガヒットを経て、目まぐるしく展開してきた原口沙輔のキャリア総決算的アルバム。鎮座DOPENESS、環ROY、いとうせいこう、U-zhaanといった豪華コラボレーターを招聘して、アヴァンギャルドかつポップな音響空間を構築している。

  • Honora/フリー[CD]
    Honoraフリー

    レッド・ホット・チリ・ペッパーズのカリスマ的ベーシスト、フリーが満を持して発表した初のソロ・アルバム。なんでも彼は少年時代から熱狂的なジャズのファンで、もともとトランペット奏者として音楽キャリアをスタートしたんだとか(知らんかった!)。60歳を前にして再びトランペットを手に取り、練習を重ねてアルバムを完成させた。トランペットのみならずヴォーカル、作曲・編曲も担当。トム・ヨークやニック・ケイヴといったトップアーティストを迎えて、静謐でメロディアスな音楽を奏でている。

  • Wilding/ジョン・ホプキンス、ビッギ・ヒルマルス[CD]
    Wilding(Soundtrack)ジョン・ホプキンス、ビッギ・ヒルマルス

    デヴィッド・アレン監督によるイギリスのドキュメンタリー映画『Wilding』(2023年)のサウンドトラック。環境保護活動家でもあるアイスランドの作曲家ビッギ・ヒルマルスと、以前から自然の再生力に深く感銘を受けていたジョン・ホプキンスが共同でスコアを手掛け、アンビエントや現代音楽をクロスオーバーしながら、緻密で奥行きのあるプロダクションが施されている。

  • Kammerkonzert/スクエアプッシャー[CD]
    Kammerkonzertスクエアプッシャー

    全てのパートをスクエアプッシャー一人で演奏・構築したエレクトロニック・コンチェルト。いや、やってることマイク・オールドフィールドやないかい!超高速ベースラインに、凶暴なオーケストラ・サウンドが絡み合う、カオティックな一枚。

  • Doomsday...Don't Leave Me Here/ロージー・カーニー[CD]
    Doomsday…Don’t Leave Me Hereロージー・カーニー

    The 1975のベーシストであるロス・マクドナルドと、長年のコラボレーターであるエド・トーマスとの共同プロデュースで制作。静かなフォークシンガーだったロージー・カーニーが、エレクトロニクス/シューゲイザーという「鎧」を手に入れ、これまでにないオルタナティヴ・ポップを生み出した。

  • Cruel World/ホリー・ハンバーストーン[CD]
    Cruel Worldホリー・ハンバーストーン

    ホリー・ハンバーストーンの2ndアルバム。前作『Paint My Bedroom Black』で見られた、ダークでインディーロック寄り(ギター主体)の鬱屈としたサウンドから、シンセベースを強調したディスコ調のアプローチに移行。インディー由来のパーソナルな手触りを残しつつ、シンセポップのダイナミズムが壮大なスケールを感じさせる。

  • The Grass Grows, Antonych Grows/ルカ・クプロウスキー[CD]
    The Grass Grows, Antonych Growsルカ・クプロウスキー

    カナダ・トロントを拠点に活動するシンガーソングライター、ルカ・クプロウスキーの5thアルバム。ジャズ、ニューエイジ、アヴァン・フォークが美しく交差する音響空間。デヴィッド・シルヴィアンにも通じる引き算の美学を感じる。

  • Dance Para Se Salvar/ヂオゴ・シュトラウス[CD]
    Dance Para Se Salvarヂオゴ・シュトラウス

    ゴキゲン!ご陽気!パリとサンパウロを拠点に活動するプロデューサー、ヂオゴ・シュトラウスによるブラジリアン・ディスコ・ファンク。山下達郎とか角松敏生の初期ファンク・ミュージックとも親和性があるので、耳馴染みよく聴ける。

  • Ca$ino/ベイビー・キーム[CD]
    Ca$inoベイビー・キーム

    グラミー賞を受賞した2021年の大ヒットデビュー作『The Melodic Blue』以来、約5年の沈黙を破ってリリースされた2ndアルバム。従兄弟であるケンドリック・ラマーをはじめ、西海岸のレジェンドであるトゥー・ショート、チェ・エクル、モモ・ボイドなど、豪華アーティストが参加。ヴィンテージ・ラスベガスの美学が詰まっている。

  • With Heaven On Top/ドライ・クリーニング[CD]
    Secret Loveドライ・クリーニング

    甘美でビザールなポストロック。ギターが不安定に歪むたび、時間も空間も捻じ曲がる感覚。うわ、いま俺ドライ・クリーニング聴いてる…ってなる。コーラス/フックが強まり、エモーションの輪郭が一気にクリアになった。

  • Don't Be Dumb/エイサップ・ロッキー[CD]
    Don’t Be Dumbエイサップ・ロッキー

    約8年ぶりとなる4thアルバムは、ドイツ表現主義とヒップホップを融合させた新ジャンルGRIMを掲げる、実験的野心作。ティム・バートンがビジュアル監修に関与し、アルケミストら豪華制作陣が集結。映画的な美学とダークな世界観で、画一化したシーンに対し「思考停止するな」と警鐘を鳴らす、聴覚と視覚を統合したアート・プロジェクト。

  • TYPHOON/ルーク・チアン[CD]
    TYPHOONルーク・チアン

    台湾系アメリカ人のシンガーソングライター、ルーク・チアンのデビューアルバム。2019年に「Shouldn’t Be」等で大ブレイクした直後、病気で声を失うという絶望を味わった彼。約6年の空白を経て完成させたこの作品は、まさにキャリアを取り戻すためのドキュメンタリー。HILLARIやアルバート・ポシスら参加ゲストもアツい。

  • To Whom This May Concern/ジル・スコット[CD]
    To Whom This May Concernジル・スコット

    ジル・スコット姐さんの約10年ぶりとなるニューアルバム、めっちゃ良いじゃないですか。ポエトリー・リーディングとしての側面がこれまで以上に強調されつつ、有機的なネオ・ソウル・サウンドが心に染みる。

  • PEACE/テラス・マーティン[CD]
    PEACEテラス・マーティン

    全15曲、約32分間にわたる演奏は一切の編集なしでレコーディング。「言語化される前のコミュニケーションであり、構造化される前の感情」とテラス・マーティンが語る通り、筆が最初にキャンバスに触れる瞬間を音にしたようなアルバム。

  • Oranj/Robohands[CD]
    OranjRobohands

    『Green』(2018年)、『Violet』(2022年)、『Giallo』(2022年 ※イタリア語で黄色) ときて、今度は『Oranj』。Lo-fiなヒップホップというよりは、変拍子やドラムソロをガンガン取り入れたモダンジャズという感じ。後半はIDMやノイズっぽい要素もあるけど。

  • 儚くも美しき12の変奏/くるり[CD]
    儚くも美しき12の変奏くるり

    「金星」みたいなまっすぐな曲と、「たまにおもうこと」みたいなちょっと変な曲と、「La Palummella」みたいなすごく変な曲が、いつものようになんの違和感もなくパッケージングされている不思議。楽しい。

  • SOMA/スクリレックス[CD]
    SOMAスクリレックス

    正直言うと、90年代的UKレイブカルチャーなサウンドはあんまり好みじゃなくて、彼のアルバムはそれほど熱心にチェックしていなかったんだけど、直近で映画「シラート」と「the moment/ザ・モーメント」を観てすっかりアゲアゲ・モードになってたもんで、その勢いで聴いたら意外にスッと入ってきた。インダストリアルな質感の「Thistle」やドラムレスな「La Noche 2」もイイけど、ロバート・マイルズの「Children」を大胆にサンプリングした「Noche Without You」にはめっちゃ驚いた。

  • Until We Meet Again/クリスチャン・レフラー[CD]
    Until We Meet Againクリスチャン・レフラー

  • My Lover/クレア・ロージンクランツ[CD]
    My Loverクレア・ロージンクランツ

    22歳になったクレア・ロージンクランツの「大人への過渡期」を記録した2ndアルバム。かつてのアップテンポで元気なローファイ・ポップとは一線を画し、より内省的で映画的なアプローチに。

  • BULLY/Ye[CD]
    BULLYYe

    Yeの新譜4周くらいしたけど全然良さが分からなくて、早くも2026年終わった。

  • Selling A Vibe/ザ・クリブス[CD]
    Selling A Vibeザ・クリブス

    キャロライン・ポラチェックやMGMTなどを手がけるパトリック・ウィンバリーをプロデューサーに招聘。ザ・クリブス特有の荒削りなDIYテイストを残しつつも、80年代ポップスの洗練された光沢感によって、メロディの美しさがより際立つサウンド・プロダクションへと進化している。

  • TOWN BEAT/KIRINJI[CD]
    TOWN BEATKIRINJI

    前作『Steppin’ Out』から約2年4ヶ月ぶりとなる新作。シティ(City)のような煌びやかで巨大な物語ではなく、より生活に密着したタウン(Town)を、洗練されたソウル/ファンクで描いている。ゲストボーカルにとどまらず、コーラスアレンジや楽曲の構築に深く関与しているという小田朋美の貢献度がハンパない。

  • THE CORE - 核/XG[CD]
    THE CORE – 核XG

    7人組ガールズグループ・XGが、満を持して世界に放った1stアルバム。力強いラップ、変幻自在なバイリンガルフロウ、そして圧倒的な歌唱力が凝縮された多彩なトラックが並んでいる。リリース直前の1月12日(成人の日)は、メンバー全員が20歳を迎えたタイミングなんだって。わけー。

  • The Mountain/ゴリラズ[CD]
    The Mountainゴリラズ

    どうしよう、あんなに好きだったゴリラズの新譜が全然ハマらない。ジャンルレスでダブ的なアプローチ、極上のユルロック感が好みだったのに、壮大でスピリチュアルな音響設計がピンと来ず。まあその懐の広さがデーモン・アルバーンなんだろうけど。

  • The Romantic/ブルーノ・マーズ[CD]
    The Romanticブルーノ・マーズ

    ブルーノ・マーズの良さが分からなくてホントごめん。

  • HANA/HANA[CD]
    HANAHANA

  • My New Band Believe/マイ・ニュー・バンド・ビリーヴ[CD]
    My New Band Believeマイ・ニュー・バンド・ビリーヴ

    ブラック・ミディのベーシスト/ボーカリストであるキャメロン・ピクトンによる新ユニット、マイ・ニュー・バンド・ビリーヴのデビュー・アルバム。変拍子や激烈なノイズは抑えられ、アコースティック・ギターの響きを主体とした、軽やかでいてどこか陰りのあるサウンドに。