「『スマッシング・マシーン』無敵のヒーローを解体する、痛ましくも美しい“共感”」という考察/解説レビューをCINEMOREに寄稿しました。
『スカイスクレイパー』(18)では燃え盛る超高層ビルへ向かってクレーンから大ジャンプを決め、『ワイルド・スピード ICE BREAK』(17)では飛来する巨大魚雷の軌道を氷上を滑りながら素手でそらす。『ランペイジ 巨獣大乱闘』(18)では巨大怪獣と真っ向からタイマン勝負を挑み、『ブラックアダム』(22)では神の力で軍隊を壊滅させる。
我らがドウェイン・ジョンソンは、これまでどんな危機的状況に陥ろうとも、圧倒的な身体能力でねじ伏せてきた。常に勝利を約束されてきた無敵の男、ザ・ロック。しかし、『スマッシング・マシーン』(25)で彼が見せる姿は、我々の知る最強ヒーローとはあまりにもかけ離れている。
本作で彼が演じるのは、MMA(総合格闘技)黎明期に活躍した伝説的ファイター、マーク・ケアー。強靭な肉体から繰り出される豪快なテイクダウンと、マウントポジションからの容赦ないパウンドで対戦相手を震え上がらせた、“スマッシング・マシーン”の異名を持つカリスマだ。
だが、その破壊的なファイトスタイルとは裏腹に、ケアーの内面には溢れんばかりの優しさが宿っている。巨漢の選手を血祭りにあげて圧勝した直後でさえ、「大丈夫か?」と相手を本気で気遣うような男。監督のベニー・サフディが「ラディカル・エンパシー(究極の共感)」と呼ぶこの性質ゆえに、彼は相手の痛みに同調し、常に自らの在り方を深く内省する、知的で繊細な人物として描かれている。
ぜひご一読ください!
作品情報
スタッフ
- 監督/ベニー・サフディ
- 脚本/ベニー・サフディ
- 製作/ベニー・サフディ、ドウェイン・ジョンソン、イーライ・ブッシュ、ハイラム・ガルシア、デヴィッド・カプラン
- 製作総指揮/トレイシー・ランドン
- 制作会社/A24、セブン・バックス・プロダクションズ
- 撮影/マセオ・ビショップ
- 音楽/ナラ・シネフロ
- 編集/ベニー・サフディ
- 美術/ジェームズ・チンランド
- 衣装/ハイディ・ビベンズ
キャスト
ベニー・サフディ 監督作品レビュー
- スマッシング・マシーン(2025年/アメリカ)
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