2026/6/11

『箱の中の羊』(2026)考察/解説レビューをリアルサウンドに寄稿しました

箱の中の羊/是枝裕和[DVD]

『箱の中の羊』“結末”の意味を考える 是枝裕和による“手放す”ためのグリーフワーク」という考察/解説レビューをリアルサウンドに寄稿しました。

綾瀬はるかと大悟を主演に迎えた、是枝裕和監督の最新作『箱の中の羊』(2026年)。子どもを亡くした夫婦が、息子と寸分違わず同じかたちをしたヒューマノイドを迎え入れることから始まるこの映画は、SF的なモチーフを扱いつつも、その手触りは間違いなくいつもの是枝作品だ。ここには、キャリアの初期から一貫して見つめ続けてきた「喪失」と「遺された人々」、すなわちグリーフワーク(愛する者を失った悲嘆と向き合い、新たな生を再構築していくプロセス)が物語の中心に刻まれている。

突然夫を失った妻の喪失感を切り取った『幻の光』(1995年)、死者たちが天国へ行く前にたった一つの大切な記憶を選ぶ『ワンダフルライフ』(1998年)、カルト教団によるテロ事件の加害者遺族の葛藤に迫った『DISTANCE』(2001年)、長男の命日に集まる家族のある一日を見つめた『歩いても 歩いても』(2008年)、父の死をきっかけに出会う異母姉妹の絆を紡いだ『海街diary』(2015年)……。

是枝作品は常に、大切な人を亡くして止まってしまった時間が、再び動き出すまでのプロセスを丁寧に見つめてきた。『箱の中の羊』もまた、息子を亡くした夫婦が、ヒューマノイドという「実体を持った死者」とどう向き合い、生を立て直していくかが主軸となっている。

ぜひご一読ください!

作品情報
  • 製作年/2026年
  • 製作国/日本
  • 上映時間/126分
  • ジャンル/ドラマ
スタッフ
キャスト
是枝裕和 監督作品レビュー