「『急に具合が悪くなる』が描く“確率”という運命論への抵抗 濱口竜介が映した“関係性”」という考察/解説レビューをリアルサウンドに寄稿しました。
哲学者の宮野真生子と、医療人類学者の磯野真穂による共著『急に具合が悪くなる』は、宮野ががんの転移を告げられた直後から始まる往復書簡集だ。
2人のやり取りの根底にあるのは、確率や効率ばかりがもてはやされる現代のシステムに対する、大きな疑問である。書籍の中で磯野は、医師から告げられる「〇〇パーセントの確率」といった数値に欺瞞を感じると記している。10パーセントであれ90パーセントであれ、事象は常に「起こる」か「起こらない」かのどちらかでしかない。
それなのに、確率という数字は、まるであらかじめ人生の分岐ルートが決まっていて、自分を俯瞰してコントロールできるかのような錯覚を抱かせる。「急に具合が悪くなる」という現実の前に立たされたとき、我々は分岐ルートを選ぶゲームをしているのではなく、後戻りできない一本の道を手探りで歩いているに過ぎないのだ。
ぜひご一読ください!
作品情報
スタッフ
- 監督/濱口竜介
- 脚本/濱口竜介、ルディムナ玲亜
- 原作/宮野真生子、磯野真穂
- 撮影/アラン・ギシャウア
- 音楽/サミュエル・アンドレイエフ
- 編集/山崎梓
- 美術/ミラ・プレリ
- 衣装/カロリーヌ・シュピート
キャスト
濱口竜介 監督作品レビュー
- 寝ても覚めても(2018年/日本)
- ドライブ・マイ・カー(2021年/日本)
- 悪は存在しない(2024年/日本)
- 急に具合が悪くなる(2026年/フランス、日本、ドイツ、ベルギー)
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