「キングダム 大将軍の帰還 – レビュー エモ演出がスパークした、シリーズの集大成」という考察/解説レビューをIGN JAPANに寄稿しました。
春秋戦国時代末期を描いた原泰久の漫画を、空前のスケールで実写映画化した「キングダム」シリーズ。コミック原作の映画作品は数あれど、血湧き肉躍るアクションエンターテインメントとしての王道感といい、超人気俳優が一堂に会したオールスター映画としての華やかさといい、今現在の日本映画において「キングダム」は堂々たる地位を築いている。ヒットを義務付けられたエンタメど真ん中な作品が、普通に“面白い”という偉大さに、筆者は畏敬の念を覚えてしまうのだ。
しかも「キングダム」は、シリーズを追うごとに“面白さ”のフォーミュラ(公式)を少しずつ変えて、ファンの期待を裏切らない作りにしている。第1作『キングダム』(2019年)は、天下の大将軍という夢を抱く信(山﨑賢人)が嬴政(吉沢亮)の仲間となって、王都・咸陽を奪還するまでの物語。手勢わずか50人で王宮に侵入した信たちが、左慈(坂口拓)やランカイ(阿見201)というボスキャラをいかに倒すかという、バトルものとして構築されていた。
続く第2作『キングダム2 遥かなる大地へ』(2022年)で描かれるのは、秦が魏の大軍と蛇甘平原で戦う地上戦。前作のような個 VS 個のバトルではなく、戦略的要所となる丘の奪還という軍事タスクに一点集中した、戦争映画としての面白さに満ちていた。戦略シミュレーション+体育会系テンションという「キングダム」的トンマナは、この作品から形作られる。
ぜひご一読ください!
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