『Cloud クラウド』の考察/解説レビューをIGN JAPANに寄稿しました

Cloud クラウド – レビュー 生きる欲望を失った魍魎たちのサバイバルゲーム」という考察/解説レビューをIGN JAPANに寄稿しました。

2024年は、黒沢清の新作が3本も観られるという、キヨシ・マニアにはたまらない年となった。柴咲コウ主演のセルフリメイク作品『蛇の道』。配信プラットフォーム「Roadstead」のオリジナル作品第1弾として制作された『Chime』。そして、主演に菅田将暉を迎えたクライムサスペンス『Cloud クラウド』。来年に古希(70歳)を迎える名匠は、相も変わらず、いやこれまで以上に、精力的な仕事ぶりを続けている。

およそ40年にわたるフィルモグラフィーを通して、一風変わった映画を撮り続けてきた黒沢監督。そのなかでも『Cloud クラウド』は、輪をかけて一風変わった作品に仕上がっている。ストーリーを簡単に説明するとこうだ――主人公は、町工場で働きながら転売屋としても活動している吉井(菅田将暉)。真面目な働きぶりが認められて工場の社長・滝本(荒川良々)から管理職を打診されるが、彼はそれを断って退職。恋人の秋子(古川琴音)と一緒に郊外に移り住み、転売業に専念する。

アシスタントに佐野(奥平大兼)という若者を雇い、吉井は事業を拡大させようと奔走。やがて、犯罪スレスレの転売業が多くの人間に反感を買ってしまい、それが集団憎悪へと膨れ上がって、吉井は命を狙われるようになってしまう。そして最後は、廃工場を舞台に生き残りをかけた銃撃戦が繰り広げられる。自分で書いててもだいぶヘンテコな話だが、本当にそういう話なのだから仕方がない。

ぜひご一読ください!

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