『多少の辻褄より、目の快楽。いつだってダリオ・アルジェントのやりすぎ演出は、オーディエンスの心をあっという間に掴んでしまう。70年代前半に発表した3本の初期作品…いわゆる「動物3部作」(タイトルに動物の名が含まれていることからそのような呼称となった)のラストを飾る『4匹の蝿』(71)でも、ケレン味たっぷりな監督術は絶好調だ。
例えば、主人公のロベルト(マイケル・ブランドン)が一心不乱にドラムを叩くオープニング。真俯瞰から、真横から、彼のスティック捌きが映し出される。ふっと音が消え去り、現れる「4 mosche di velluto grigio」というイタリア語のタイトルクレジット。その横には、なぜかドクドクと脈打つ心臓。
観客の頭の中で、「なぜ心臓?」というクエスチョンマークが点滅するなか、画面は再び激しいドラミングに切り替わる。ふと、後ろを振り返るロベルト。そこには、見るからに怪しいフェドラハットのグラサン男が佇んでいる。一体彼は何者なのか?そして、またも唐突にインサートされる心臓(本日二度目)。
ぜひご一読ください!
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