『わたしは目撃者』の考察/解説レビューをCINEMOREに寄稿しました

『わたしは目撃者』XYYの悲劇…遺伝子による差別社会への抵抗」という考察/解説レビューをCINEMOREに寄稿しました。

ダリオ・アルジェントの映画は、いつだって冒頭からめくるめくミステリーの世界へと誘ってくれる。「動物3部作」(タイトルに動物の名が含まれていることからそのような呼称となった)の2作目に当たる『わたしは目撃者』(71)もまた、ゾクゾクするようなシーンで幕を開ける。

夜の路地を歩く盲目の中年男性フランコ(カール・マルデン)と、姪のローリー(チンジア・デ・カロリス)。黒ハット・黒スーツにサングラスという出立ちのフランコに、赤いブラウスを羽織ったローリーという色彩の対比が素晴らしい。二人は手を繋いでおしゃべりを楽しんでいる。

「泳いで捕まえたと言うから、彼女“と”言ったの」「彼女“に”だ」「彼女“に”言ったの。300メートル潜って鯨捕りだなんて、できるはずがないって。私、正しかった?」「もちろんだとも」。なんの変哲もない会話だが、この内容だけでフランコが博学な紳士であり、彼がローリーにとって大切なメンターであり、彼女も聡明な少女であることが、ものの十数秒で描かれる。

ぜひご一読ください!

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