『クルージング』の考察/解説レビューをCINEMOREに寄稿しました

『クルージング』徹底した写実主義者が切り取る、善と悪の境界線 ※注!ネタバレ含みます」という考察/解説レビューをCINEMOREに寄稿しました。

「歴史上の人物で興味深いと思うのは2人。ヒトラーとキリストだ。真実だと信じていることが1つある。“人は誰でも善と悪の両面を持つ“。(中略)面白いと思うのは極端な例だからだ」(*1)

ウィリアム・フリードキンは歯に衣着せぬ物言いで、周囲がザワつく発言をたびたびカマしてきた。いや、発言だけではない。発表した映画も議論を巻き起こすものばかり。『エクソシスト』(73)では、十字架が汚される場面がインサートされていたことからカトリック教徒から大バッシングを浴び、『L.A.大捜査線/狼たちの街』(85)では、製作を手がけたテレビドラマが盗用されたとしてマイケル・マン監督から訴訟を起こされ、『英雄の条件』(00)では、アラブ人の描写が人種差別的だという批判を受けた。

彼のフィルモグラフィーで最も議論を呼んだ作品は、ゲイ・コミュニティを舞台にしたサスペンス映画『クルージング』(80)かもしれない。ニューヨークで、ゲイ男性が次々に惨殺される殺人事件が発生。外見が被害者の特徴によく似ていたことから、刑事部長のエデルソン(ポール・ソルヴィノ)は若い警官のバーンズ(アル・パチーノ)に密命を託す。そのミッションとは、ゲイが夜な夜な集まるSMクラブに潜入捜査することだった。やがてバーンズは、未知の世界にどんどん引きずり込まれ、セクシャリティが変容していく。

ぜひご一読ください!

アーカイブ

メタ情報

最近の投稿

最近のコメント

カテゴリー