『ジョン・ウィリアムズ/伝説の映画音楽』の考察/解説レビューをCINEMOREに寄稿しました

『ジョン・ウィリアムズ/伝説の映画音楽』少年の心を抱いたまま大人になった天才作曲家の回顧録」という考察/解説レビューをCINEMOREに寄稿しました。

2023年9月5日。普段は着ることのないタキシードに身を包み、いささか緊張した面持ちで、筆者はサントリーホールまでいそいそと出かけた。お目当ては、映画音楽界の巨匠ジョン・ウィリアムズ。伝説のマエストロが30年ぶりに来日して、『スター・ウォーズ』(77)や『スーパーマン』(78)や『レイダース/失われたアーク《聖櫃》』(81)や『ハリー・ポッターと賢者の石』(01)を披露してくれるとあれば、是が非でも駆けつけるしかない。子供の頃から聴き続けてきた名曲の数々に生で触れ、感激に打ち震えたのである。

印象的だったのが、曲が始まる前に「(次の曲は)インディ・ジョーンズですよ」「ダース・ベイダーのテーマですよ」と、マイクも使わず聴衆に語りかけていたこと。気取らない人柄というか、チャーミングというか。何気ないファンサの一つ一つに、彼の優しい人柄が伺える。スピルバーグも「上品だが気さくで温かい人」と評しているくらいだから、根っからの人格者なのだろう。

そして彼は、決して表に出るタイプではない。マーティン・スコセッシ監督の『タクシードライバー』(76)、ブライアン・デ・パルマ監督の『スカーフェイス』(83)、ロバート・ゼメキス監督の 『バック・トゥ・ザ・フューチャー』(85)、ジェームズ・キャメロン監督の『タイタニック』(97)など、錚々たる映画のメイキング・フィルムを手がけてきたローラン・ブーズローは、ジョン・ウィリアムズの密着ドキュメンタリーを作らせてほしいと、長年にわたって交渉し続けてきた。そのたびに偉大なるマエストロは、謙虚な態度でその申し出を断ってきたという。「誰も僕の人生になんて興味ないよ」(*1)。それが彼のシンプルな理由だった。

ぜひご一読ください!

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