主人公の「キキ」が、魔女の修行のために故郷を離れ、よその町で1年間修行を積んでいく姿を描いた『魔女の宅急便』で、大きな印象を残すのが黒猫の「ジジ」です。親元から離れた13歳の少女にとって、ジジは心強い相棒であり、良き相談相手であり、家族のような存在でした。
しかし物語の中盤、キキはジジと会話することができなくなります。魔法の力が弱まったことで、ジジの言葉が分からなくなってしまったのです。クライマックスでキキはなんとか魔法の力を取り戻しますが、ジジとは最後までしゃべれないままでした。その理由について鈴木敏夫プロデューサーは、『ジブリの教科書5 魔女の宅急便』という書籍のなかでこんなコメントをしています。
「あれはただのペットじゃなくて、もうひとりの自分なんですね。だからジジとの会話っていうのは、自分との対話なんです。ラストでジジとしゃべれなくなるというのは、分身がもういらなくなった、コリコの町でちゃんとやっていけるようになりました、という意味を持っているわけです」
ぜひご一読ください!
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