『ファーストキス 1ST KISS』時を駆け抜け、時をカンナで磨き上げるラブストーリー ※注!ネタバレ含みます」という考察/解説レビューをCINEMOREに寄稿しました。
脚本:坂元裕二、主演:松たか子。デビュー・シングル「明日、春が来たら」への歌詞提供からスタートした二人のコラボレーションは、その後『カルテット』(17)、『スイッチ』(20)『大豆田とわ子と三人の元夫』(21)といったドラマ作品で、最高のケミストリーを生み出してきた。最新作『ファーストキス 1ST KISS』(25)は、その最高到達点といえる。
松たか子が演じるのは、夫・硯駈(松村北斗)との結婚生活が15年目を迎えた女性カンナ。だが夫婦生活はすっかり冷え込み、二人は離婚届を提出することに。そんな矢先、駈が事故でこの世を去ってしまう。突然の出来事に途方にくれるカンナは、夫と初めて出会った日にタイムスリップし、彼の生命を救うために奔走するのだった…。
見知らぬ男女が出会い、恋に落ちるまでを描くのではない。倦怠期を迎えた夫婦が、再び恋に落ちるまでを描く。夫婦関係(もしくは元夫婦関係)の再構築というテーマは、『最高の離婚』(13)や『大豆田とわ子と三人の元夫』(21)でも扱われていた。それは、一度は結ばれた二人が新しい関係性を模索するまでの物語だったが、『ファーストキス 1ST KISS』は、がっつりロマンス系。15年前の夫に会いに行くというSF設定によって、王道のロマンティック・コメディが完成した。
ぜひご一読ください!
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