『We Live in Time この時を生きて』の考察/解説レビューをCINEMOREに寄稿しました

『We Live in Time この時を生きて』10年間の軌跡を綴った非線形のラブストーリー」という考察/解説レビューをCINEMOREに寄稿しました。

映画の歴史は浅い。その端緒をリュミエール兄弟の『工場の出口』(1895年)に求めたとして、その歴史は100年ちょっとしかない。20世紀のはじめ、映画は単なる大衆娯楽でしかなかった。イタリアの映画理論家リッチョット・カニュードが、時間芸術(音楽、詩、舞踊)と空間芸術(建築、彫刻、絵画)を統合する第七芸術として映画を位置付けたことで、“CINEMA”はようやくその価値を認められたのである。

確かに映画は、時間と空間を自由に飛び越えることができる。過去を振り返るフラッシュバックと、未来を予想するフラッシュフォワードを、自在に操ることができる。類人猿が骨を放り投げると、いきなり宇宙船が航行しているシーンに切り替わることだって可能だ(『2001年の宇宙の旅』/68)。時系列に沿ったリニア的ストーリーテリングから解き放たれ、時空をシャッフルするノンリニア的ストーリーテリングを獲得したことで、語りの自由度は圧倒的に増した。

例えば、新聞王の生涯を複数の関係者の証言から解き明かしていく『市民ケーン』(41)。現代パートと過去パートをカットバックさせながら、マフィアの興亡史が綴られる『ゴッドファーザーPART II』(74)。ある一日が何度も繰り返される『恋はデジャ・ブ』(93)。古今東西の映画作家たちは、時間をランダムに配置したり、折り曲げたり、重ねたりすることで、新しい表現を追求していったのである。

ぜひご一読ください!

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