『罪人たち』の考察/解説レビューをCINEMOREに寄稿しました

『罪人たち』ブルースが悪魔を召喚して時空の扉を開く、マッシュアップ・ブラックムービー ※注!ネタバレ含みます」という考察/解説レビューをCINEMOREに寄稿しました。

かつてブルースは、悪魔の音楽と呼ばれていた。奴隷制度時代の労働歌にルーツを持つこのジャンルは、19世紀後半のアメリカ南部で、黒人の感情を表現する音楽として誕生。日々の生活の苦しみや、愛と官能を歌い上げるも、道徳や倫理を規範とする敬虔なキリスト教徒から「世俗的すぎる!」と非難され、迫害を受ける。

その独特なリズムやシンコペーション、ブルーノート・スケールで展開されるコード進行も、当時の“良識ある人々”にはまったく理解されなかった。並外れたギターの腕を手に入れるため、真夜中の十字路で悪魔に魂を売ったというロバート・ジョンソンの伝説も、ブルース=悪魔の音楽という偏見に拍車をかけてしまう(ちなみにブルースの語源は、憂鬱という意味のBlue Devilsに由来している)。

しかしながら、今やブルースはアメリカ音楽の母と見なされている。12小節のコード進行とブルーノート・スケールはジャズに大きな影響を与え、ブルースにファンクやソウルミュージックの要素を加えることで、R&Bが発展した。ブルース界の巨人マディ・ウォーターズは、「The Blues Had a Baby and They Named It Rock and Roll」(ブルースは赤ん坊を生み、その子をロックンロールと名付けた)と歌っている。ブルースはジャズ/R&B/ロックの大きな礎となったのだ。

ぜひご一読ください!

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