かつてブルースは、悪魔の音楽と呼ばれていた。奴隷制度時代の労働歌にルーツを持つこのジャンルは、19世紀後半のアメリカ南部で、黒人の感情を表現する音楽として誕生。日々の生活の苦しみや、愛と官能を歌い上げるも、道徳や倫理を規範とする敬虔なキリスト教徒から「世俗的すぎる!」と非難され、迫害を受ける。
その独特なリズムやシンコペーション、ブルーノート・スケールで展開されるコード進行も、当時の“良識ある人々”にはまったく理解されなかった。並外れたギターの腕を手に入れるため、真夜中の十字路で悪魔に魂を売ったというロバート・ジョンソンの伝説も、ブルース=悪魔の音楽という偏見に拍車をかけてしまう(ちなみにブルースの語源は、憂鬱という意味のBlue Devilsに由来している)。
しかしながら、今やブルースはアメリカ音楽の母と見なされている。12小節のコード進行とブルーノート・スケールはジャズに大きな影響を与え、ブルースにファンクやソウルミュージックの要素を加えることで、R&Bが発展した。ブルース界の巨人マディ・ウォーターズは、「The Blues Had a Baby and They Named It Rock and Roll」(ブルースは赤ん坊を生み、その子をロックンロールと名付けた)と歌っている。ブルースはジャズ/R&B/ロックの大きな礎となったのだ。
ぜひご一読ください!
- 原題/Sinners
- 製作年/2025年
- 製作国/アメリカ
- 上映時間/137分
- ジャンル/ホラー
- 監督/ライアン・クーグラー
- 脚本/ライアン・クーグラー
- 製作/ジンジ・クーグラー、セブ・オハニアン、ライアン・クーグラー
- 製作総指揮/ルドウィグ・ゴランソン、ウィル・グリーンフィールド、レベッカ・チョー
- 撮影/オータム・デュラルド・アーカポー
- 音楽/ルドウィグ・ゴランソン
- 編集/マイケル・P・ショーバー
- 美術/ハンナ・ビークラー
- 衣装/ルース・E・カーター
- マイケル・B・ジョーダン
- ヘイリー・スタインフェルド
- マイルズ・ケイトン
- ジャック・オコンネル
- ウンミ・モサク
- ジェイミー・ローソン
- オマー・ミラー
- デルロイ・リンドー
- 罪人たち(2025年/アメリカ)
