『F1/エフワン』の考察/解説レビューをCINEMOREに寄稿しました

『F1®/エフワン』カーレースを舞台にした、アメリカ伝統のアウトロー映画」という考察/解説レビューをCINEMOREに寄稿しました。

アウトロー(outlaw)。アメリカ映画の歴史において、彼らは古くからフロンティア・スピリットを体現するキャラクターとして描かれてきた。他者に頼らず困難に立ち向かい、自分の力で人生を切り拓いていく。out-lawという字義通り、彼らは“法の外にいる者”。社会のルールや一般的な価値観から逸脱した孤高の存在、己の流儀で生き抜く個人主義のシンボルとして、唯一無二の光を放ちづけてきた。

そんなアウトローが最もスクリーンで躍動する舞台が、西部劇だった。素性の知れない流れ者がふらりと現れ、悪を倒して去っていく。『シェーン』(53)の寡黙なガンマン、『荒野の用心棒』(64)の名無しの男、『ペイルライダー』(85)の牧師…。特定の場所や集団に縛られず、過去を語ったり感情を表に出すこともなく、正義感を内に秘め、虐げられる人々のために戦う。言葉ではなく行動で示す、孤高のヒーロー。

アメリカ独立宣言には、「人間は等しく平等であり、生命・自由・幸福の追求は神から与えられた権利であって、誰もこれを奪うことはできない」という一文がある。自らの信念や倫理観に従って行動し、究極の自由を体現するアウトローは、THEアメリカ、THE独立精神の文化的象徴。だからこそ、彼らは西部劇の主役として観客から拍手喝采を浴びたのである。

ぜひご一読ください!

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