「確かに私の姿は奇妙だ。しかし、自分を責めることは神を責めることになる」
19世紀のロンドンで“エレファント・マン”と呼ばれた青年ジョゼフ・メリックは、自伝でこのような言葉を残している。特異な容姿のため、見世物小屋で奇異の眼差しに晒されてきた彼は、やがてトリーヴス医師との交流を通じて、人間としての尊厳を取り戻していく。繊細で優しく知性にあふれた彼の生涯は、デヴィッド・リンチ監督の映画『エレファント・マン』(80)によって、広く知られることになった。
一方、『顔を捨てた男』(23)の主人公エドワード(セバスチャン・スタン)は、ジョゼフ・メリックとは対照的な存在。彼もまた病気のために顔が大きく変形しているが、自身の引っ込み思案な性格や、社会への不適応をすべて見た目のせいだと決めつけ、やり場のない怒りを抱えて生きている。地下鉄に乗れば、周囲の視線に怯えてしまう。劇作家志望の隣人イングリッド(レナーテ・レインスヴェ)と親しくなっても、過度な緊張から募る想いを伝えられない。「自分を責めることは神を責めることになる」とは真逆の、運命を呪い、自分を呪い、そして神を呪う日々。
ぜひご一読ください!
- 原題/A Different Man
- 製作年/2023年
- 製作国/アメリカ
- 上映時間/112分
- ジャンル/ドラマ
- 監督/アーロン・シンバーグ
- 脚本/アーロン・シンバーグ
- 製作/クリスティーン・ベイコン、バネッサ・マクドネル、ガブリエル・メイヤーズ
- 製作総指揮/セバスチャン・スタン、アーロン・シンバーグ
- 撮影/ワイアット・ガーフィールド
- 音楽/ウンベルト・スメリッリ
- 編集/テイラー・レビ
- 美術/アンナ・キャスリーン
- 衣装/ステイシー・バーマン
- セバスチャン・スタン
- レナーテ・レインスベ
- アダム・ピアソン
- マラカイ・ウィアー
- マイケル・シャノン
- 顔を捨てた男(2023年/アメリカ)
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