2025/8/14

『サタンがおまえを待っている』(2023)の考察/解説レビューをCINEMOREに寄稿しました

『サタンがおまえを待っている』サタニック・パニックが映し出す現代社会の病理」という考察/解説レビューをCINEMOREに寄稿しました。

1980年に刊行された「ミシェル・リメンバーズ」は、全米にセンセーショナルな衝撃を与えた。この書籍は、精神科医ローレンス・パズダーの退行催眠療法によって、ミシェル・スミスという女性の封印されていた記憶を綴ったもの。彼女は5歳のとき悪魔崇拝教団に引き渡され、虐待を受けていたというのだ。

オリに入れられる、動物が生贄になるのを目撃させられる、ロウソクを立てて詠唱させられる、血や肉を使った悪魔の儀式に参加させられる。そして性的暴行。「ミシェル・リメンバーズ」には、子どもに対するあまりにも残虐な悪魔崇拝儀式の詳細が記されていた。

本書はベストセラーとなり、テレビのワイドショーでも頻繁に取り上げられる。すると、ミシェルと同様に「幼い頃に悪魔崇拝の儀式の生贄にされた」という告発が相次ぎ、カトリック教会やローマ教皇、FBIまでも巻き込む騒動へと発展。これが、80年代から90年代にかけてアメリカで巻き起こった「サタニック・パニック」と呼ばれる現象である。

『サタンがおまえを待っている』(23)は、この社会現象を題材にしたドキュメンタリー映画だ。ミシェルとパズダーの親族・友人、ジャーナリスト、FBI捜査官、そしてサタン教会の高位聖職者までがインタビューに登場し、サタニック・パニックを多角的に検証していく。

ぜひご一読ください!

スティーブ・J・アダムズ,ショーン・ホーラー 監督作品レビュー