「『キング・オブ・ニューヨーク』90年代ニューヨークを舞台に描かれる、暴力とモラリズム」という考察/解説レビューをCINEMOREに寄稿しました。
アメリカ映画史において、ギャング・ムービーは単なるジャンルの一つにとどまらない。それは、アメリカ資本主義社会の暗部を投影する、時代の映し鏡として現れる。
例えば30年代に作られたのは、『民衆の敵』(31)や『暗黒街の顔役』(32)といった、下っ端チンピラがのしあがっていく“成り上がり”系。大恐慌により、多くの人々が経済的困窮に直面したこの時代は、法や秩序の外で成功するしかない状況が描かれていた。戦後になると、『死の接吻』(47)や『拳銃魔』(50)のような、運命に翻弄されるフィルム・ノワールが隆盛に。アメリカが経済的繁栄を迎える一方で、冷戦の影響で不安感が増大し、個人の努力だけでは報われない現実が浮き彫りになる。
70年代に入ると、フランシス・フォード・コッポラ監督の『ゴッドファーザー』(72)が公開される。当時のニクソン政権は、ウォーターゲート事件を契機として汚職や不正が明るみとなり、資本主義社会における成功が必ずしも清廉ではなく、むしろ暴力や搾取と切り離せないことが白日のもとに晒された。そんな時代に呼応するように、血生臭い抗争によってアメリカン・ドリームを成し遂げていくマフィアの一大叙事詩が大ヒットとなったのである。
ぜひご一読ください!
作品情報
スタッフ
- 監督/アベル・フェラーラ
- 脚本/ニコラス・セント・ジョン
- 製作/メアリー・ケイン
- 製作総指揮/ジョイ・ジュリアン、ヴィットリオ・スクィルランチ
- 撮影/ボジャン・バゼリ
- 音楽/ジョー・デリア
- 編集/アンソニー・レッドマン
- 美術/アレックス・タボラリス
- 衣装/キャロル・ラムジー
キャスト
アベル・フェラーラ 監督作品レビュー
- キング・オブ・ニューヨーク(1990年/アメリカ)
- バッド・ルーテナント 刑事とドラッグとキリスト(1992年/アメリカ)
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