「『ちいかわ』の怖さは“食物連鎖からの追放”にあり? 過去作から紐解く捕食のグロさ」という考察/解説レビューをリアルサウンドに寄稿しました。
我々ニンゲンは、食物連鎖の頂点だ。日々の生活のなかで、誰かのエサになる恐怖なんて微塵も感じることはない。スーパーに行けばパックされた魚の切り身が並んでいるし、レストランに行けば美しい肉料理が運ばれてくる。我々は、安全な場所から一方的に他者の命を消費する、絶対的捕食者として振る舞っているのだ。
にもかかわらず、フィクションの世界では執拗なまでに人間が食われる恐怖が描かれ続けてきた。ゾンビの群れだの、巨大な人食いザメだの、得体の知れないエイリアンだの。ポップカルチャーにおいて、捕食を描く最大の意味。それは、人間だって所詮はタンパク質の塊であり、巨大な自然界のシステムの一部に過ぎないという、ミもフタもない真理を突きつけることにある。
肉体がギャンギャンに引き裂かれ、消化液でドロドロに溶かされ、自分を殺した相手を動かすためのカロリーへと変換されていく。私という尊厳が根底から砕け散り、圧倒的な暴力の前でただのエサへと成り下がる。これ以上の恐怖があるだろうか?
ぜひご一読ください!
作品情報
スタッフ
- 監督/及川啓
- 脚本/ナガノ
- 製作/川上洋一、古澤佳寛
- 製作総指揮/松崎容子
- 制作会社/CygamesPictures
- 原作/ナガノ
- 撮影/岡﨑正春
- 音楽/トクマルシューゴ、上水樽力
- 編集/髙橋歩
- 録音/土屋雅紀
- キャラクターデザイン/辻智子
- 美術監督/眞﨑萌
- 色彩設計/長井彩香
キャスト
及川啓 監督作品レビュー
- 映画ちいかわ 人魚の島のひみつ(2026年/日本)
