2026/9/7

『ラスト・サバイバー』(2026)の考察/解説レビューをCINEMOREに寄稿しました

ラスト・サバイバー

「『ラスト・サバイバー』“神殺し”から新たな神話の創世へ ※注!ネタバレ含みます」という考察/解説レビューをCINEMOREに寄稿しました。

リドリー・スコットほど、人類に絶望しきっているペシミストはいない。半世紀にわたって彼が暴き出してきたのは、自らの欲望に突き進み、同じ過ちを延々と繰り返す人間たちの愚かさだ。

企業の利益のためなら、乗組員の命なんぞ平気で切り捨てる『エイリアン』(79)。レプリカントを通じて人間の傲慢さを告発した『ブレードランナー』(82)。欲に目が眩んだ人々が自滅していく『悪の法則』(13)。神を気取る人類が手痛いしっぺ返しを食らう『プロメテウス』(12)と『エイリアン:コヴェナント』(17)。

文明の発展に浮かれる人類の足元を容赦なく掬い上げ、直視したくない醜さを叩きつける。監督自身、「私たちは過去の出来事から多くを学ばず、同じ過ちを延々と繰り返している」(*1)と語り、いつまでも紛争や環境破壊が絶えない現実を前に「私たち人類は一体どうしてしまったんだ?」(*2)と嘆く。彼はめちゃめちゃ頑固で、めちゃめちゃ口の悪い厭世主義者なのだ。

ところが、である。壊滅的な感染症によって人類の大半が死滅したアメリカを描く最新作『ラスト・サバイバー』(26)で、この偏屈な老匠は、あろうことか我々の予想を裏切る“希望”をスクリーンに刻みこんでみせたのだ。

ぜひご一読ください!

リドリー・スコット 監督作品レビュー