「I am the king of the world!(俺は世界の王だ!)」――『タイタニック』でアカデミー監督賞を受賞した夜、ジェームズ・キャメロンはオスカー像を掲げ、主人公ジャックの台詞を壇上で叫んだ。あの瞬間、彼は文字通りハリウッドの頂点に立っていた。興行的成功、技術革新、批評的評価。そのすべてを手にした映画作家が、勝利の言葉として選んだのが「世界の王」という宣言だった。
だが、あの宣言からほぼ30年が経過した現在振り返ると、キャメロンのフィルモグラフィーには異様な空白が広がっている。その間に彼が発表した長編劇映画は、わずか3本。しかもすべてが「アバター」シリーズだ。多作でもなく、ジャンル横断でもなく、同じ世界、同じ神話、同じ家族を、異様な執念で反復し続けている。おそらく彼にとって、「アバター」は単なる巨大フランチャイズではない。それは、かつて「世界の王」を自称した男が、自分自身の人生と倫理を引き受け直すための、ほとんど私的な叙事詩なのだ。
では、その叙事詩は、どのような神話から始まるのか。キャメロンが選んだのは、共同体の外部からやってきた者が救世主となり、王として迎え入れられるという、きわめて古典的な物語構造。その中心に置かれているのが、本作の主人公ジェイク・サリーだ。
ぜひご一読ください!
- 原題/Avatar: Fire and Ash
- 製作年/2025年
- 製作国/アメリカ
- 上映時間/197分
- ジャンル/SF、アクション、アドベンチャー
- 監督/ジェームズ・キャメロン
- 脚本/ジェームズ・キャメロン、リック・ジャッファ、アマンダ・シルヴァー
- 製作/ジェームズ・キャメロン、ジョン・ランドー
- 製作総指揮/リチャード・ベイナム、レイ・サンキーニ、デヴィッド・ヴァルデス
- 撮影/ラッセル・カーペンター
- 音楽/サイモン・フラングレン
- 編集/スティーヴン・E・リフキン、ニコラス・デ・トス、ジョン・ルフーア、ジェイソン・ゴーディオ、ジェームズ・キャメロン
- 美術/ディラン・コール、ベン・プロクター
- 衣装/デボラ・L・スコット
- SFX/ジョー・レッテリ、リチャード・ベイナム
- サム・ワーシントン
- ゾーイ・サルダナ
- シガニー・ウィーヴァー
- ブリテン・ダルトン
- ジャック・チャンピオン
- トリニティ・ジョー=リー・ブリス
- クリフ・カーティス
- ケイト・ウィンスレット
- ベイリー・バス
- スティーヴン・ラング
- ウーナ・チャップリン
- デヴィッド・シューリス