『ミラーズ・クロッシング』の考察/解説レビューをCINEMOREに寄稿しました

『ミラーズ・クロッシング』フィルム・ノワールの裏に隠された、報われない恋の物語」という考察/解説レビューをCINEMOREに寄稿しました。

コーエン兄弟は、これまで数多くのオリジナル脚本を手がけているが、既存の文学作品を手がかりにして着想を得た映画も多い。『ビッグ・リボウスキ』(98)はレイモンド・チャンドラーの「大いなる眠り」、『バーバー』(01)はジェームズ・M・ケインの「殺人保険」、『オー・ブラザー!』(00)は古典叙事詩「オデュッセイア」。

『ミラーズ・クロッシング』(90)もまた、ダシール・ハメットが1931年に発表したハードボイルド小説「ガラスの鍵」の影響を大きく受けている。町の実力者マドヴィグと、彼に絶対的な忠誠を誓うネドの関係は、そのままレオ(アルバート・フィニー)とトム(ガブリエル・バーン)の関係に当てはめることができるだろう。しかし、コーエン兄弟はこのストーリーから帰納法的にプロットを紡ぎあげたのではない。むしろ彼らは、あるぼんやりとしたイメージから映画を膨らませた。

ぜひご一読ください!

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