『突破口!』の考察/解説レビューをCINEMOREに寄稿しました

『突破口!』溢れるラスト・オブ・ザ・インディペンデントの精神」という考察/解説レビューをCINEMOREに寄稿しました。

「ドンの映画を見ていると、卓越したタッチを感じる。どのショットも、私が最も尊敬する映画製作の手法だ。アクションのためにごちゃごちゃと撮影しているのではない。観客が何を知りたがっているのかを把握し、見る人の視線を簡潔なショットで具体的に誘導する……。彼は、人間としても映画監督としても、大げさに話をしないし、無駄な言葉を発しない人だった。彼はとても直接的で具体的なことを言う人で、いつも頼りにしていたよ」(フィリップ・カウフマンへのインタビューより引用 *1)

頑固一徹なフィルムメーカー、ドン・シーゲル。フィリップ・カウフマン監督のコメント通り、彼は決して余計なことはしない。センチメンタルな感傷性も、ハートウォーミングな叙情性もない。ただ必要最低限な情報を、最も効率的なショットで観客に提示し、簡潔にストーリーを紡いでいく。そんな彼の卓越した演出手腕が遺憾無く発揮され、大ヒットとなったのが『ダーティハリー』(71)だ。

クリント・イーストウッド演じるハリー・キャラハン刑事と、アンディ・ロビンソン演じる連続殺人犯スコルピオの対決。ドン・シーゲルは凄惨な暴力描写すらも乾いたタッチでカメラに刻み、映画史上に残るバイオレンス映画を創り上げてみせた。当然、続編となる『ダーティハリー2』(73)も彼が監督するものと思われたが、結局それは叶わず。『奴らを高く吊るせ!』(68)で知られるテッド・ポストが、その任を務めることになる。

ぜひご一読ください!

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