『ロリータ』の考察/解説レビューをCINEMOREに寄稿しました

『ロリータ』100%キューブリック印。いまだに議論を呼び続けている問題作」という考察/解説レビューをCINEMOREに寄稿しました。

スタンリー・キューブリックは、終生『スパルタカス』(60)を自分の作品として認めなかった。共和政ローマ時代を舞台に、剣闘士スパルタカスの反乱を壮大なスケールで描く一大歴史スペクタクル。批評家からも高い評価を受け、1960年アカデミー賞では4部門を受賞。だが、アンソニー・マン監督の代役として急遽呼ばれたキューブリックにとっては、作品をコントロールすることがままならず、単なる雇われ監督でしかなかったことに我慢がならなかった。当時のインタビューを読んでも、相当にフラストレーションが溜まっていたことが伺える。

「『スパルタカス』は私が一切自分を抑えて撮った唯一の映画だ。私はハリウッドの古い伝統の中で会社の御用を勧めるために雇われた監督に徹した。カーク・ダグラスがダルトン・トランボとプロデューサーをやっており、シナリオから俳優の選択まで彼らのいいなりだった」(「世界の映画作家2 ジョン・フランケンハイマー/スタンリー・キューブリック/アーサー・ペン」キネマ旬報社 より引用)

完璧主義者のキューブリックにとって、監督とは映画製作の全権を司る者。そして、その念願が叶った初めての作品が、『ロリータ』(62)だった。原作は、ウラジーミル・ナボコフが1955年に発表した同名小説。中年の大学教授ハンバート・ハンバートが、12歳の少女ロリータの虜になるというセンセーショナルな内容で、アメリカでは最初の3週間で10万部を売り上げる大ヒット。小説家のグレアム・グリーンは「1955年のベスト3本のうちの1本」と絶賛し、瞬く間に古典としての地位を獲得した。

ぜひご一読ください!

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