Adrianne Lenker『Bright Future』考察/解説レビューをblock.fmに寄稿しました

Big Thiefのヴォーカル、Adrianne Lenkerの新アルバムは家族と仲間、自然の中で育まれた、至高のアンビエントフォークが響く」という考察/解説レビューをblock.fmに寄稿しました。

見渡す限りの荒野。地平線の向こうに、ゆっくり日が沈んでいく。やがて夜の帳が下りてきて、闇が世界を覆い尽くす。冷たさを含んだ空気が頬をなでる。コヨーテの鳴き声が聞こえてくる。たった独り世界のかすかなざわめきを感じながら、満天の夜空を見上げる。手の平にこぼれ落ちてきそうなくらい、煌々と光る大きな星々。

あるいは、木漏れ日が降り注ぐ森のなか。少し冷たい小川に身を浸し、そよそよと木々を揺らす風を感じながら、仰向けで水に浮かぶ。まるで、自分と地球が一体化したかのような感覚。五感で世界を感じる。太陽の光が祝福する。遠くから鳥の鳴き声が聞こえてくる。心が満たされていく。

USインディーシーンの重要バンド、Big Thiefのヴォーカルを務めるAdrianne Lenker(エイドリアン・レンカー)。彼女の最新アルバム『Bright Future』からは、風景が見えてくる。基本的な音のパレットは、ギター、ピアノ、ヴァイオリン、そして歌声だけだが、そのサウンドスケープはとても豊かだ。ひとつひとつのトラックが我々の想像力を喚起させる、極めて美しい作品である。

ぜひご一読ください!

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