反逆の映画作家。ヌーヴェルヴァーグの巨人。2022年9月13日、ジャン=リュック・ゴダールが91歳でこの世を去った。スイスでは合法として認められている自殺幇助を受けて、自死することを選んだのである。それは確実に、ひとつの時代の終焉を告げるものだった。
ゴダールという映画作家の全体像を捉えることは難しい。今からおよそ60年前、『勝手にしやがれ』(1959)という1本の映画で革命を起こしてからも、彼は常に挑戦し、試行錯誤を繰り返し、変容し続けてきたからだ。
映画批評誌カイエ・デュ・シネマで、フランソワ・トリュフォー、ジャック・リヴェット、クロード・シャブロルらと共に若手評論家としてキャリアをスタートさせると、ヌーヴェルヴァーグの旗手として映画界の最前線をひた走り、毛沢東に邂逅して政治の時代へと突入。やがてヴィデオの映像実験に没入し、忌み嫌っていた商業映画へと復帰すると、『ゴダールの映画史』(1998)では100年にわたる映画の歴史を総括。彼は生涯にわたって既存のシステムを破壊し、批評し、新たな地平を築いてきたのである。
ぜひご一読ください!
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