『1900年』の考察/解説レビューをCINEMOREに寄稿しました

『1900年』ドキュメンタリーとフィクションの境界を越えた、堂々たるイタリア現代史」という考察/解説レビューをCINEMOREに寄稿しました。

「あらゆるカルト・ムービーの例にもれずに、大勢の観客向けに作られたにもかかわらず、大観客に受け入れられずに、呪われた映画になってしまった」*

『1900年』(76)に関して、監督のベルナルド・ベルトルッチはこんな風に回顧している。本作は20世紀初頭のイタリアを舞台に、同じ日に生まれた大農場主の息子アルフレード(ロバート・デ・ニーロ)と、小作人頭の息子オルモ(ジェラール・ドパルデュー)の友情と対立を描いた一大叙事詩。本人はこの映画に対して恨み節だが、スティーブン・シュナイダーの名著「死ぬまでに観たい1001本の映画」にも選出され、映画史にその名を刻む重要作であることは間違いない。個人的にも、ベルトルッチのベスト・ワークであると確信しております。

当時まだ30代半ばだったベルトルッチ、彼自身の言葉を引用するなら「思いつくプランは何でも撮れる」という自信に満ち溢れていた。ピエル・パオロ・パゾリーニの原案を元にした『殺し』(62)で颯爽とデビューするや、続く第2作『革命前夜』(64)でカンヌ国際映画祭の新評論家賞を受賞し、『暗殺の森』(70)では全米映画批評家協会賞の監督賞を受賞。そして『ラストタンゴ・イン・パリ』(72)はそのセンセーショナルな内容が世界中を席巻し、アカデミー監督賞と主演男優賞にノミネート。彼は“イタリアが生んだ若い才能”であるばかりか、すでに“世界が認める映画作家”という位置づけだったのだ。

ぜひご一読ください!

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