2024年 アルバムランキング

竹島ルイの独断と偏見による2024年 アルバムランキングです。ランキングは常に暫定的なので、明日にも変わるかもしれません。悪しからず。
  1. 『What Now』Brittany Howard
  2. やっぱブリタニー・ハワードって最高にカッコいいな。アンビエントやヒップホップな音像に接近しつつ、やっぱりその本流はブルージーなサザンロック。結果ミネアポリス・サウンドっぽくも聴こえて、これプリンスの新曲?って勘違いしそうになる(M-7『Another Day』とか)。

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  3. 『Bright Future』Adrianne Lenker
  4. 言葉にならないくらい美しい。広い荒野で地平線に日が沈む様子を眺め、やがてゆっくりと夜の帳が下りてきて、たった独り世界のざわめきを感じているかのような、静謐なカントリーフォーク。

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  5. 『PAST FUTUR.e』Liv.e
  6. サプライズ・リリースされたLiv.eの7曲入りミックステープ。ネオソウルっぽい雰囲気は完全に封印され、どシンプルなリズムトラックにシンセが妖しくループする漆黒のシンセウェイヴ。ダンスフロアで強烈な光が明滅するようなこの感じ、たまらん。

  7. 『The Room』Fabiano do Nascimento、Sam Gendel
  8. マルチ・ストリング・ギタリストのファビアーノ・ド・ナシメントと、サックス・プレイヤーのサム・ゲンデルの初コラボ作品。南米の霧深い山の頂上で、強い風を浴びながら演奏しているかのような、大自然への畏怖を感じさせるサウンドが素晴らしい。

  9. 『Challengers [MIXED] by Boys Noize』Trent Reznor & Atticus Ross、Boys Noize
  10. トレント・レズナー&アッティカス・ロスが手がけたスコアは未発売だが、ボーイズ・ノイズがミックスしたバージョンが先行リリースされてた。全9曲がエンドレスで繋がる28分。めっちゃダーク・エレクトロ。

  11. 『Three』Four Tet
  12. Boards of Canadaのようなダウンテンポ感あり、Underworldの『Two Months Off』を彷彿とさせる清涼なダンスミュージック感あり。ジャスティン・ティンバーレイクとか聴いてる場合じゃない。いや、あっちもいいアルバムだけど。

  13. 『Here in the Pitch』Jessica Pratt
  14. 歌声はブロッサム・ディアリーのようにキュート、ガットギターが奏でる音楽はちょっとメランコリック。グッド・オールド・デイズな60’s的アレンジ&ハーモニーが心地良い、サンフランシスコ出身のSSWジェシカ・プラットの4thアルバム。

  15. 『The Road To Hell Is Paved With Good Intentions』Vegyn
  16. フランク・オーシャンやトラヴィス・スコットとのコラボレーションで注目を集める鬼才ヴィーガンの、アトモスフェリックなサウンドがとことん楽しめる一枚。それにしても“地獄への道は善意で舗装されている”って凄いタイトルだな。

  17. 『Hey Panda』High Llamas
  18. コレ気持ちいいわー。かつての90年代ポスト・ロックの雄が、丸みと柔らかさを帯びてさらに快感指数がアップ。Fryarsを共同プロデューサーに迎えて、よりディープに、エクスペリメンタルに、宅録ポップス職人ぶりを発揮したマジカル・ワールド。

  19. 『The Doober』Sam Gendel、Sam Wilkes
  20. サム・ゲンデル&サム・ウィルクスのコラボ・シリーズ第三弾。ヒップホップやエレクトロニック・ミュージックを横断するこれまでの実験的ジャズから、ニューエイジ感の強いサウンドにマイナーチェンジ。もちろんこのラインも僕は大好きです。

  21. 『Perceive Its Beauty, Acknowledge Its Grace』Shabaka Hutchings
  22. サックス・プレイヤーとして無期限休止宣言をしたシャバカがフルートに出会い、ジャズとニューエイジ・ミュージックを組み合わせた世界を創出。南米の瞑想的サウンドが、我々を異世界に手招きする。

  23. 『Look to the East, Look to the West』Camera Obscura
  24. オリジナル・メンバーだったキャリー・ランダーが亡くなった2015年から、長い活動休止期間に入っていたカメラ・オブスキュラの、10年ぶりとなる6thアルバム。優しい風がそっと頬を撫でるような、爽やかなインディーポップ。こんなバンド、なんぼあってもいいですからね。

  25. 『Fearless Movement』Kamasi Washington
  26. サンダーキャット、テラス・マーティン、ジョージ・クリントン、アンドレ3000、おまけにカマシ・ワシントンの幼い娘まで参加しちゃった、本人曰く“ダンス・アルバム”。コズミック・ジャズをベースに、日本の民謡のようなスケールを使ってみたり、ラップを入れてみたり、遊び心満載の一枚。

  27. 『Red Hot & Ra – The Magic City』Meshell Ndegeocello
  28. サン・ラー『The Magic City』にインスパイアされたというこのアルバム、想像以上の天外魔境っぷり。異星人が地球に降り立って壁画を描いたみたいなマッド・サイエンス・ジャズ。イマニュエル・ウィルキンスのサックスが理知的に暴れてる。

  29. 『New Strategies for Modern Crime Vol.1』Prefuse 73
  30. 以前のようなワチャワチャしたカットアップ感&コラージュ感は影を潜め、ダウナーでジャズっぽい音像に変化。Oneohtrix Point Neverとも共振する、アダルティーなスコット・ヘレン。

  31. 『Big Sigh』Marika Hackman
  32. “大きなため息”と冠された、マリカ・ハックマン5年ぶりの新作。ストリングスとエレクトロニクスの狭間に、密やかなメランコリアが浮かんでいる。

  33. 『Still』Erika de Casier
  34. 内省的なエレクトロニックR&B だと思って聴いてたら、ジャングルすぎないジャングル・ビートだったりエスニックになりすぎないエスニック風味だったり微妙なニュアンスで設計されていて、二、三回聴いただけじゃ全体を掴みきれない怪作だった。

  35. 『Your Favorite Things』柴田聡子
  36. このアルバムが発売されて一週間は柴田聡子のことばかり考えていた。

  37. 『Wall of Eyes』The Smile
  38. ところどころ不穏な音響がかぶさったりするけど、ベースとなる部分はとても耳馴染みが良くてキャッチー。密室的で音響派にも近いサウンド・プロダクションも良き。ギターの轟音が鳴り響くM-7『Bending Hectic』は、『Creep』にも似たアゲ感。

  39. 『らんど』ZAZEN BOYS
  40. 齢50を迎えた向井秀徳がいまだに“触るな危険”的な殺気をちゃんと音楽に閉じ込めていて、複雑なアンサンブルだとか変拍子だとかよりも、そのこと自体に普通に感動する。

  41. 『Live at Third Man Records』Kassa Overall
  42. ライブ演奏をそのままアセテート・テープや1インチ8トラック・テープにダイレクト録音できるThird Man Records。100%アナログ・レコーディングの熱気をそのまま瞬間密封した、カッサ・オーバーオールのライヴ盤。

  43. 『All Life Long』Kali Malone
  44. ストックホルム出身の音楽家、カリ・マローン。寒々とした氷の世界で、どこか遠くから聴こえてくるかのような、ドローン・ミュージック。でも金管楽器やグレゴリオ聖歌みたいなハーモニーで構築されてるから、その感触は温かい。ポスト・バロックというべきサウンド。

  45. 『((ika))』Tempalay
  46. EDMもサイケも民謡も、まるごとコトコト煮込んでチルに仕上げた実験作。「あびばのんのん」とか「憑依さん」とか「月見うどん」とか、折坂悠太と並んで“右斜め上のタイトルをぶっ込んでくるミュージシャン”の面目躍如。

  47. 『ORQUÍDEAS』Kali Uchis
  48. カリ・ウチスが全曲スペイン語で歌った3rdアルバム。レゲトンあり、メロウなラバーソウルあり、シャーデーみたいなスムーズジャズあり、去年から続くラテンパワーをひしひし感じる一枚。M-3『Igual Que Un Angel』の芳醇さが好み。

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  49. 『NOBODY』tofubeats
  50. ハウスビートにフラットすぎる歌声が重なることで、トラックに合わせて上下動している自分の体もまた、電気信号による自動反応でしかない感。固有性を剥奪された大量ポリスが踊ってる不穏なジャケットに己を見出すみたいな。

  51. 『Radical Optimism』Dua Lipa
  52. エッジーでディスコティークなダーク・ポップを鳴らしていた前作に比べて、全体的に丸みを帯びたアルバムに。タイトルはRadical(過激)にOptimism(楽観的)だけど、印象としてはTender(優しく)Optimism(楽観的)。

  53. 『Little Sigh』Marika Hackman
  54. 2月にリリースしたアルバム『Big Sigh』から4曲をピックアップ、原曲にあったストリングスを廃して、イングリッシュ・トラディショナル・フォークのような趣きのアコースティックVer.に。この慎ましやかさが、いかにも彼女らしい。

  55. 『Silence Is Loud』Nia Archives
  56. 新世代のジャングル・ビートを鳴らすニューカマー、ニア・アーカイヴスのデビュー・アルバム。超高速四つ打ちではあるものの意外とシルキーなサウンド・プロダクションで、耳に程よく馴染んでいく。

  57. 『Where we’ve been, Where we go from here』Friko
  58. 噂に違わぬ傑作。ニック・ドレイクのような繊細さと、ザ・ナショナルのような壮大なアンセム感を併せ持った、激情インディーロック。感情を奥に秘めたNiko Kapetanのヴォーカルも最高。

  59. 『A LA SALA』Khruangbin
  60. フューチャリング・ゲストを呼ぶこともなく、エンジニアの倉庫でプレイを重ねてレコーディングした、ライク・リヴィング・ルーム・アルバム。

  61. 『Nonetheless』Pet Shop Boys
  62. アークティック・モンキーズやゴリラズを手掛けたジェームス・エリス・フォードをプロデューサーに迎えた、古き良きエレポップのネクスト・レベル。

  63. 『Cowboy Carter』Beyonce
  64. 2曲目に収録されている「Blackbird」のカバーでもうブッ飛ばされる。

  65. 『Se o Meu Peito Fosse o Mundo』Jota.Pê
  66. 『On The Lips』Molly Lewis
  67. 世界的ホイッスラー(口笛奏者)モリー・ルイスによる、全編口笛演奏アルバム。これ最高のラウンジ・ミュージックじゃないですか。トロピカルなラヴァーズロック感もあれば、時折モリコーネの「さすらいの口笛」みたいなニュアンスもあり。

  68. 『TANGK』IDLES
  69. ブリストル出身のポストパンク・バンド、アイドルズ。その名前とは裏腹に、奏でるサウンドは骨太で泥臭い。え、待って。ナイジェル・ゴドリッチがプロデュースってマジか?

  70. 『Ohio Player』The Black Keys
  71. M-4『On The Game』ではノエル・ギャラガーとコラボしてます。

  72. 『離婚伝説』離婚伝説
  73. プロコル・ハルムやトラフィックを彷彿とさせるサウンドで、「追憶のフロマージュ」とか「スパンコールの女」みたいなタイトルでシティポップを拡張させる、懐かしかっこいい作品。“渚のランデブー”なんて歌詞、30年ぶりに聴いた!

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