2024年 アルバムランキング

竹島ルイの独断と偏見による2024年 アルバムランキングです。ランキングは常に暫定的なので、明日にも変わるかもしれません。悪しからず。
  1. 『Endlessness』nala sinephro
  2. 2024年は本当にこのアルバムばかり聴いていた。モジュラーシンセとハープが奏でるサウンドスケープがたまらなく陶酔的な、至極のアンビエント・ジャズ。11月の来日公演も最高でした。

  3. 『What Now』Brittany Howard
  4. やっぱブリタニー・ハワードって最高にカッコいいな。アンビエントやヒップホップな音像に接近しつつ、やっぱりその本流はブルージーなサザンロック。結果ミネアポリス・サウンドっぽくも聴こえて、これプリンスの新曲?って勘違いしそうになる(M-7『Another Day』とか)。

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  5. 『The Room』Fabiano do Nascimento、Sam Gendel
  6. マルチ・ストリング・ギタリストのファビアーノ・ド・ナシメントと、サックス・プレイヤーのサム・ゲンデルの初コラボ作品。南米の霧深い山の頂上で、強い風を浴びながら演奏しているかのような、大自然への畏怖を感じさせるサウンドが素晴らしい。

  7. 『nothing』Louis Cole
  8. メトロポール・オーケストラとコラボした、天才ルイス・コールの意欲作。細かく刻んだマッシヴ・ビートに、華やかなホーンセクションや温かな弦楽器の音色が折り重なって、見たことのないの景色を見せてくれる。

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  9. 『PAST FUTUR.e』Liv.e
  10. サプライズ・リリースされたLiv.eの7曲入りミックステープ。ネオソウルっぽい雰囲気は完全に封印され、どシンプルなリズムトラックにシンセが妖しくループする漆黒のシンセウェイヴ。ダンスフロアで強烈な光が明滅するようなこの感じ、たまらん。

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  11. 『Charm』Clairo
  12. ソウル、R&B、フォークを緩やかに往還しながら、キャロル・キングやブロッサム・ディアリーを彷彿とさせる70’sサウンドを現代に召喚してみせた、クレイロの3rdアルバム。プロデューサーのレオン・ミッチェルズ(El Michels Affair)がこだわり抜いたアナログ・レコーディングによって、温かみのあるグルーヴが焼き付いている。いやマジで、このヴィンテージ感、ローファイ感は、余人をもって代えがたい。M-2「Sexy to Someone」のAメロで半拍早く「ジャン!」って鳴る瞬間が好き。

  13. 『Diamond Jubilee』Cindy Lee
  14. ポスト・パンク・バンドWomenのフロントマンだったパトリック・フレーゲルが、なぜか女装姿でスタートさせたソロ・プロジェクト「シンディ・リー」の7thアルバム。2枚組32曲122分という特大ボリューム、サブスク配信なしってどういうこっちゃねん!!聴いてみたら、捻じ曲がったカントリーミュージックというか、デヴィッド・リンチ的アメリカーナというか、とにかくビザールな匂いが濃厚。ヴェルヴェット・アンダーグラウンドみたいなダウナー系ポスト・パンクあり、マイク・オールドフィールドの『チューブラー・ベルズ』みたいなプログレッシブ・ロックもあり、とにかく射程がとんでもなく広いギガンティックな怪作。

  15. 『ten days』Fred again..
  16. トライバルハウス感もあるし、エレクトロR&B感もあるし、ケミブラみたいなサイケ感もあるし、とにかくフレッド・アゲインの芸の広さに脱帽。捨て曲ナシのアルバムだが、個人的一押しはAnderson .PaakとCHIKAが客演したM-10「places to be」。

  17. 『Sam Wilkes、Craig Weinrib、Dylan Day』Sam Wilkes、Craig Weinrib、Dylan Day
  18. 身も心も解けていく名盤。山々の向こうに太陽がゆっくり沈んでいく情景を思い浮かべたのだけど、本当に山脈が見える屋外で夕方に録音したんだとか。演奏者の名前を並べたシンプルなタイトルに、自由でリラックスした空気が感じられる。

  19. 『Syn Fonia I』EVISBEATS、Kazuhiko Maeda
  20. 大名曲「ゆれる」でも共作したEVISBEATS×前田和彦のコラボ・アルバム。夢の中の夢の中の夢の中の夢の中の夢にいるようなエンドレス桃源郷。ゆるふわインスト・パラダイス。一粒一粒の音がふくよかでなめらかで、それだけで夢心地。

  21. 『Challengers [MIXED] by Boys Noize』Trent Reznor & Atticus Ross、Boys Noize
  22. トレント・レズナー&アッティカス・ロスが手がけたスコアに先駆けてリリースされた、ボーイズ・ノイズによるミックス・バージョン。全9曲がエンドレスで繋がる28分。めっちゃダーク・エレクトロ。

  23. 『Bright Future』Adrianne Lenker
  24. 言葉にならないくらい美しい。広い荒野で地平線に日が沈む様子を眺め、やがてゆっくりと夜の帳が下りてきて、たった独り世界のざわめきを感じているかのような、静謐なカントリーフォーク。

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  25. 『Rising』Jasmine Myra
  26. サックス奏者ジャスミン・マイラがGondwana Recordsの創設者マシュー・ハルソールとコラボした、ゴキゲンなジャズ・アルバム。スピリチュアル・ジャズというと瞑想的で深淵なイメージだが、口当たりが軽やかでとても聴きやすい。

  27. 『Cascade』Floating Points
  28. みなさん絶賛モードですが私も絶賛します。硬質で噛みごたえのあるダンス・ミュージック。奇をてらうことなく、真正面からストレートでプリミティヴなビートを畳み掛ける。ゴリゴリと音が迫ってくる感じ、ちょっと90年代エイフェックス・ツインっぽい。

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  29. 『The Way Out of Easy』Jeff Parker
  30. ETAという名前のレストランで結成したという、ジェフ・パーカー率いるジャズ・カルテット「ETA Ⅳtet」の録音盤。超即興的ダブ・ミュージックというべきか、もしくはアドリブによるアンビエント・ジャズというべきか。このグルーヴは宇宙の果てに繋がっている。

  31. 『Bad Cameo』James Blake、Lil Yachty.
  32. ジェイムス・ブレイクが創り上げたチルなトラックに、リル・ヨッティの浮遊感のあるヴォーカルが心地よく重なっていく。ダブ・ステップの旗手とアトランタ出身のラッパーがコラボしたら、こんなにアンビエント色の強いアルバムが出来上がるとは。

  33. 『iiyo iiyo iiyo』Sam Wilkes、Dylan Day、Chris Fishman、Thom Gill、Craig Weinrib
  34. 言葉を失うほど美しい。幻術的なベースワークに、エモーショナルなギターが絡み、楔を打つようにハイハットが刻まれていく。アトモスフェリックな音響の海に、永遠に身を浸していたい。

  35. 『PHASOR』Helado Negro
  36. サヴァス&サヴァラスへの参加で2000年初頭より注目を浴びた、エラード・ネグロことロベルト・カルロス・ラングの8thアルバム。エクアドル人としてのルーツといえるラテン・フォークと、スコット・ヘレンを彷彿とさせるエレクロトニカとの相性がバツグン。トロピカーナな陽性の光を放ちながら、電子音楽の優しい風が吹き渡る。

  37. 『Born in the Wild』Tems
  38. 『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』で印象的に使われていた「No Woman No Cry」で世界的な注目を集め、アデルやバラク・オバマ元大統領もファンであることを公言している、テムズのデビュー・アルバム。メロウネスたっぷりのアフロビーツ。

  39. 『The Auditorium Vol.1』Common、Pete Rock
  40. ヒップホップ・シーンの親分コモンが、ピート・ロックと初コラボ。スムーズなフロウやスクラッチプレイが90年代ノスタルジーを喚起する。ジャケットに堂々と冠された「KINGS THEATRE」の名にふさわしい覇王っぷり。

  41. 『Dot』Vulfmon
  42. Vulfpeckのジャック・ストラットンのソロ名義、Vulfmon「Dot」。こんな傑作アルバムが4ヶ月も前にリリースされてて、華麗スルーしてしまった自分を殴りたい。アレンジがキュートなファンク+インディロック+エレポップ。M-1「Got To Be Mine」のサビで入るフルートとか超可愛い。

  43. 『The Collective』Kim Gordon
  44. ソニック・ユースのヴォーカリストだったキム・ゴードンの2ndソロ・アルバム。軋んだノイズとエレクトロニック・ビートが交錯する、先鋭的なオルタナ・サウンド。そこに、ヒップホップ・ライクなコラージュ感覚がカラフルに混ぜ合わされる。中毒性高し。

  45. 『Britpop』A. G. Cook
  46. 宇多田ヒカルとのコラボレーションでも知られるA. G. Cookの新譜、1時間40分・24曲入りというハイボリューム。過去・現在・未来という3つの時間軸をテーマに、エナジーをいっぱい詰め込んだ音の粒子が超高速移動するハイパーポップで、耳の快楽しかない。

  47. 『sentiment』Claire Rousay
  48. 自らの音楽をエモ・アンビエントと呼ぶ、クレア・ラウジーのThrill Jcckey移籍第一弾アルバム。アンビエント・フォーク〜ドローン〜フィールド・レコーディングを軽やかに横断しながら、オートチューンをかけたヴォーカルで世界を祝福する、ゴッド・ブレス・ユー的神作。

  49. 『A Lonely Sinner』samlrc
  50. ブラジルの実験音楽家samlrcの4thアルバム。ノスタルジックな手触りのフォークトロニカから轟音が鳴り響くシューゲイザーまで、レンジの広いサウンドを耳触りの良いポップスとしてまとめあげるスキルに脱帽。ぶっ飛ばされました。

  51. 『Dream Trio』Sam Gendel、Benny Bock、Hans P. Kjorstad
  52. サム・ゲンデルがFESTIVAL FRUEZINHO 2023で来日したとき、密かに録音していたというアルバム。ジャズ・ピアニストのベニー・ボックと実験音楽家のハンス・チョースタとの、摩訶不思議なアンサンブル。脳が揺れるくらいにトリッピーで、聴いていてひたすら楽しい。

  53. 『Death Jokes』Amen Dunes
  54. NYで隠遁生活を送る“偏屈一代男”デーモン・マクマホン。彼のひとりプロジェクトAmen Dunesの最新アルバム「Death Jokes」は、内省的な宅録インディーポップから離れ、壮大さすら感じさせるサウンドに。っていうかサム・ウィルクスがベースで参加している時点で傑作確定でしょ。

  55. 『Alligator Bites Never Heal』Doechii
  56. ケンドリック・ラマーが賛辞を送った才能、ドーチー。3枚目となるこのミックステープでは、バウンシーでR&Bテイストなヒップホップがより深化している。M-12には「BOOM BAP」というまんまのトラックもあるくらいに、骨太なブーンバップが脳髄を揺らしまくり。

  57. 『Three』Four Tet
  58. Boards of Canadaのようなダウンテンポ感あり、Underworldの『Two Months Off』を彷彿とさせる清涼なダンスミュージック感あり。ジャスティン・ティンバーレイクとか聴いてる場合じゃない。いや、あっちもいいアルバムだけど。

  59. 『Atavista』Childish Gambino
  60. 4年前の2020年3月22日に限定ストリーミングされた「3.15.20」の完全版で、実質「5.13.24」と呼ぶべきチャイルディッシュ・ガンビーノの新譜「Atavista」。個人的にはサマー・ウォーカーが参加したメロウなバラード「Sweet Thang」が好み。ハイキーな裏声が完全にプリンス!

  61. 『Hit Me Hard and Soft』Billie Eilish
  62. 全世界待望の、ビリー・アイリッシュ3rdアルバム。囁くような彼女の歌声を最大限引き出そうとする、兄フィニアスによる引き算のアレンジメントが美しい。ベースラインを押し出すか否かの絶妙な計算も良き。個人的好みは、ビリー・アイリッシュが大好きな『千と千尋の神隠し』からタイトルを引用したというネオソウル風なM-3「チヒロ」。

  63. 『Ritual』Jon Hopkins
  64. まるで七色に輝く光のプリズムのなかを、もの凄い勢いで宇宙艇が突き進んでいくような、万華鏡的サウンドスケープ。この深淵のさらにその奥深くまでダイブしたくなる、超越的シンフォニー。何かが自分のなかで覚醒しそう。

  65. 『Blues Blood』Immanuel Wilkins
  66. ミシェル・ンデゲオチェロとの共同プロデュースで制作した、イマニュエル・ウィルキンスの3rdアルバム。これまでにはなかったヴォーカルという要素を加えて、神性を帯びた現代ジャズが躍動している。

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    ユニバーサル ミュージック
  67. 『In Waves』Jamie xx
  68. “The xxの頭脳”ジェイミー・xxの9年ぶりとなるソロ・アルバム。あらゆる音のテクスチャーがツヨツヨで、そこのけそこのけジェイミー・xxがまかり通る感が強烈な、ハイパー・サイケデリア。カットアップもサンプリングもバリバリな、90年代クラブ・ミュージックへの憧憬がズシンと胸に迫る。

  69. 『Two Star & The Dream Police』Mk.gee
  70. 80年代プリンスを彷彿とさせるミネアポリス・サウンド。超絶技巧なのにメロウに響くギター。フランク・オーシャンも認めた才能、ミック・ギー鮮烈のデビュー・アルバム。

  71. 『SONORAS』Sweet William
  72. 個人的に全幅の信頼を置いているビートメイカー、Sweet William。3年ぶりとなるこのアルバムは、これまで以上にカラフルで浮遊感のあるトラックがショウケーズのように陳列されている。中山うりとコラボしたM-4「スイカ」は、ビーチに寝そべりながらずーっと聴いていたいグッド・トラック。

  73. 『This Could Be Texas』English Teacher
  74. UKリーズの4人組、イングリッシュ・ティーチャーのデビュー・アルバム。ぶっきらぼうなギターリフをカマしたかと思えば、白昼夢的なドリームポップっぽいアレンジになったり、ポリフォニックなハーモニーを響かせたり、ピアノ一本でポエトリー・リーディングをしてみたり。懐が深いぜこのバンド。

  75. 『Silent, Listening』Fred Hersch
  76. ソロ・ピアノ作品が有名なECMからは、このアルバムが初リリース(リーダー作として)。スタンダードとオリジナル曲を織り交ぜた、フレッド・ハーシュの繊細なタッチが堪能できる。

  77. 『II』Kiasmos
  78. オーラヴル・アルナルズとヤヌス・ラスムセンによる実験的エレクトロニック・ユニット、キアスモスの6thアルバム。ソフトでキャッチーな電子音と、エモーションをかきたてるオーケストレーションが混ざり合う、まっすぐなサウンド・プロダクションに好感。

  79. 『Spectral Evolution』Rafael Toral
  80. ポルトガル出身の実験音楽家ラファエル・トラルによる、1曲47分のシームレスな一大電子組曲。もしくはエンドレス不穏な、狂気と瞑想の祭祀楽。

  81. 『Catching Fire』Elephant9、Terje Rypda
  82. ノルウェーを代表するプログレバンド、エレファント・ナイン。レジェンド・ギタリストのテリエ・リピダルを迎えた2017年コンサートのライヴ・アルバム。小宇宙に脳が引っ張られる。

  83. 『Dunya』Mustafa
  84. ドレイクが認めた才能、トロント出身のSSWムスタファのデビュー・アルバム。“欠陥だらけの世界”を意味するアラビア語をタイトルに冠して、ガザ問題を、信仰を、愛を、アラビックなスケールを織り交ぜて綴る美しいフォーク・ソング集。

  85. 『SOS Deluxe: LANA』SZA
  86. これ、建前上は『SOS』のデラックス・エディションなのに、ほぼオリジナル・アルバムじゃないですか。新曲15曲を追加した、全38曲・1時間54分というスーパー・ボリューム。むしろ『SOS』って壮大な前フリだったのか。ハイライトはやっぱりケンドリック・ラマーをゲストに迎えたM-3「30 For 30」。

  87. 『mukuge』鈴木真海子
  88. ボッサでアコースティックな調べを、エレクトロ/音響系のサウンドプロダクションが柔らかく包み込んでいく、至極の一枚。特にM-8「kimochi」は、どこかクラムボンの「波よせて」を思わせる名曲。

  89. 『Seed of a Seed』Haley Heynderickx
  90. いつだってヘイリー・ヘインデリックスは、70年代アシッド・フォークの風を感じさせてくれる。まさか2024年に、こんな音に出会えることができるなんて。

  91. 『SI Got Heaven』Mannequin Pussy
  92. 女性3+男性1編成というフィラデルフィア出身のパンク・バンド、マネキン・プッシー。彼女たちが奏でるハードコア・サウンドは、エモーショナルレスゆえにエモーショナル。2024年のオルタナ・シーンを牽引したのは、間違いなくコイツらだ。

  93. 『Memoirs In Armour』Navy Blue
  94. ノスタルジックなサウンド・プロダクションにネイビ・ブルーの瞑想的なフロウが重なると、濃い霧が目の前に浮かび上がる。言葉だけでは補足しきれない、幽玄的なリリシズム。「鎧の回顧録」と冠された、家族と神への讃歌。

  95. 『Why Lawd?』NxWorries
  96. アンダーソン・パーク×ノレッジによるユニット、NxWorriesの2ndアルバム。サンプリングバリバリのR&Bというよりも、歌モノとしての魅力に溢れた一枚。H.E.Rが客演したM-7「Where I Go」のダウンテンポなチル感が気持ち良い。

  97. 『Ethereal Essence』Cornelius
  98. 最近の歌モノ路線の延長ではなく、『POINT』や『SENSUOUS』の頃のようなふくよかでやらかいサウンドテクスチャの世界に回帰した、音創り職人としての矜持が伺える一枚。ラストを飾る『Thatness And Thereness』のカバーには泣く。

  99. 『Bando Stone and The New World』Childish Gambino
  100. チャイルディッシュ・ガンビーノ名義では最後らしいこのアルバム、キメキメでモリモリ。振り幅、広!あと、俺も松屋やすき家じゃなくて吉野家派だから、「Yoshinoya」というトラックを入れてる時点でドナルド・クローヴァーは信頼できる。

  101. 『Abbreviations』Qwalia
  102. 謎の多国籍ジャズ・カルテットQwaliaによる、オール即興アルバム。人を食ったようなアヴァンポップあり、土着的なトライバルミュージックあり、ダウンテンポなアンビエント・ジャズあり。芯の通ったフレージングで、くっきりと音像をかたちづくっているのが良き。

  103. 『Seme』Max Cooper
  104. マイケル・ナイマンのようなポスト・クラシカル+フィリップ・グラスのようなミニマル・ミュージック。螺旋状に続く電子の波に教会音楽のような荘厳さが同期する、魅惑的なマックス・クーパーのサウンドスケープ。ポスト・ヨハン・ヨハンソンは、やはりこの男だ。

  105. 『Syn Fonia II』EVISBEATS、Kazuhiko Maeda
  106. めっちゃショートスパンでリリースされた、EVISBEATS×前田和彦のコラボ・アルバム第二弾。前作よりもさらに力が抜けまくっていて、ええ湯加減のナイス・トラックが次々に流れていく。じんわりするなあ。

  107. 『forge』KMRU
  108. まだ人間に手付かずの原始的な風景を彷徨っているかのような、広大なスケールを感じさせるドローン。耳を澄ますと、複雑に絡み合ったディテールをしっかりと感じることができる。

  109. 『Strawberry Hotel』Underworld
  110. 何年経ってもアンダーワールドはずっと変わらない。M-2「denver luna」はもろ「Rez」だし、M-3「Techno Shinkansen」(なんちゅうタイトルだ!電グルか!)はアルバム「A Hundred Days Off」に通底していた清涼感を感じる。ずっと気持ちいい。

  111. 『Odyssey』Nubya Garcia
  112. 今やロンドンのジャズ・シーンを担う存在となった、ヌバイア・ガルシアの2ndアルバム。リッチー・セイヴライト、エスペランサ・スポルディング、ジョージア・アン・マルドロウといった女性ミュージシャンを招聘して、オーケストラ・アレンジを大々的に取り入れたニューウェイヴ・ジャズが堪能できる。

  113. 『Manning Fireworks』MJ Lenderman
  114. WEDNESDAYのギタリストM・J・レンダーマンによる、カントリー魂炸裂のソロ・アルバム。アシュビルのスタジオで、ツアーが休みになるたびにレコーディングしたというリラックスした雰囲気が、心地よくパッキングされている。

  115. 『Curve 1』Mura Masa
  116. Mura Masa自ら“反物語的”というコンセプトを語るニューアルバム、テンションMAXの爆上げEDMで気持ち良い。それでいて音の手触りは洗練されたクラブミュージックで、耳馴染みがサラリとしている。こんなアルバム、なんぼあってもいいですから。

  117. 『ONE FORTY SEVEN』9th Wonder、Give Em Soul
  118. Dinner Partyの活動でもお馴染み、9th Wonder。ふだんはDJ色が強いけど、このアルバムは同じノースカロライナ勢力のギブ・エム・ソウルとタッグを組んで、アナログシンセが全体を包み込むふんわりとしたサウンドスケープに。メロウな感じがたまらん。

  119. 『The Bloody Lady』claire rousay
  120. 1980年にヴィクトル・クバルが発表したアニメーション作品に、電子音楽家クレア・ラウジーが独自の解釈を加えたスコア集。「数百人もの女性を殺害したスロバキアの貴族女性のお話」らしいのだが、音楽もフィールドレコーディングと弦楽器が絡み合う不穏音響系。それでもどこかたおやかを感じさせるのが、クレア・ラウジーっぽい。

  121. 『In a Landscape』Max Richter
  122. マックス・リヒター本人が、「Inner Landscape(内面の風景)」とタイトルを間違えやすいと言っているけど、むしろそっちのほうが正しいのだろう。人間の内面の奥に入り込んで、外界との調和をはかるポスト・クラシカルな意欲作。

  123. 『HOSONO HOUSE COVERS』V.A.
  124. 『HOSONO HOUSE』リリースから50年を経て、ハリー・スタイルズ、安部勇磨、コーネリアス、サム・ゲンデル、ジョン・キャロル・カービーらが集結したカバー集。どれも名曲ばかりなれど、あえてベストトラックを挙げるなら、mei eharaの「住所不定無職低収入」。

  125. 『Patterns in Repeat』Laura Marling
  126. 神や精霊への祈りではなく、半径10mの世界を切り取る素朴なブリティッシュ・フォーク。乳白色のランプが薄明かりを照らすような、穏やかな音像。リラックスした雰囲気で自宅のスタジオで録音したというホームメイド感が伝わってくる。

  127. 『Ahadu』Esy Tadesse
  128. エチオピア・ジャズをベースに、柔らかなポップソングに昇華させてしまうEsy Tadesseのデビュー盤。

  129. 『Milton + esperanza』Milton Nascimento、Esperanza Spalding
  130. 長年にわたってブラジル音楽を歌い続け、“ブラジルの声”とも称される歌手のミルトン・ナシメント。最優秀新人賞など通算5つのグラミーを獲得し、20歳でバークリー音大の講師となり、ハーヴァード大学の教授にも就任した天才ベーシストのエスペランサ・スポルディング。そんな二人の奇跡のコラボ作品であるからして、音楽も当然奇跡に満ちている。

  131. 『Love Flutter』パソコン音楽クラブ
  132. イケイケでゴリゴリなEDMというよりも、ちょっとハウスな感じもある、微炭酸な清涼感が良き。M-10「Memory of the moment」の疾走感とかタマらんです。

  133. 『HYbr:ID III』Alva Noto
  134. 「HYbr:ID」シリーズ第三弾。能からインスパイアを受けたという、幾何学模様のディープ・アンビエント。

  135. 『No Name』Jack White
  136. レコード・レーベル「Third Man Records」の店舗だけで流通されていたジャック・ホワイトのニューAL「No Name」がようやっと配信開始。いつも以上にぶっきらぼうで凶暴なガレージサウンドに吹っ飛ばされそうになる。M-3「That’s How I’m Feeling」の、ピッキングから強烈なギターリフに移行する展開とか、超アガる。

  137. 『Here in the Pitch』Jessica Pratt
  138. 歌声はブロッサム・ディアリーのようにキュート、ガットギターが奏でる音楽はちょっとメランコリック。グッド・オールド・デイズな60’s的アレンジ&ハーモニーが心地良い、サンフランシスコ出身のSSWジェシカ・プラットの4thアルバム。

  139. 『呪文』折坂悠太
  140. “呪文”というおどろおどろしいワードに一瞬ビクっとするが、聴いてきると日々の生活を丁寧に綴ったスケッチ集。だけど抗いがたい魔力が一曲一曲に潜んでいる。あ、だから“呪文”なのか。

  141. 『My Light, My Destroyer』Cassandra Jenkins
  142. 2024年にふさわしい音像を世界に放つワールドワイドなインディ・ロックでありつつ、どこか古典主義的なフォークの匂いも。それでいて深淵なエンビエンスも醸し出す、カサンドラ・ジェンキンスの詩的宇宙。

  143. 『Energy Path』Shin Sasakubo
  144. 秩父の湧水を撮った写真に笹久保伸がインスピレーションを得て制作した、カルロス・ニーニョとのコラボ作。

  145. 『Marginalia VI』高木正勝
  146. 「自然と人間の調和」みたいなスケールの大きい話じゃなくて、鳥のさえずりや雨だれや鼻歌(キース・ギャレットみたい)がただそこに“在る”感じがとても心地良い。音楽って本来こういうもんだろって凄く思うのです。

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    ソニーミュージックエンタテインメント
  147. 『New Strategies For Modern Crime Volume 2』Prefuse 73
  148. いやもう、どんだけカオス?音のテクスチャーが複雑すぎて、咀嚼しきれん。もう僕の知っているスコット・ヘレンじゃないなーと思ってamassの紹介文読んだら、「ニューヨークの犯罪に関するヒステリックな報道と、それを背景にした70年代のエクスプロージョン映画に影響を受けている」らしい。Prefuse 73はナラティヴな方向に舵を切ってきた。

  149. 『The Road To Hell Is Paved With Good Intentions』Vegyn
  150. フランク・オーシャンやトラヴィス・スコットとのコラボレーションで注目を集める鬼才ヴィーガンの、アトモスフェリックなサウンドがとことん楽しめる一枚。それにしても“地獄への道は善意で舗装されている”って凄いタイトルだな。

  151. 『Where the Butterflies Go in the Rain』Raveena
  152. インドにルーツを有するR&Bシンガー、ラヴィーナの3rdアルバム。クレオ・ソルとかハイエスタス・カイヨーテが好きな人にはたまらないオーガニックなネオ・ソウル・サウンド。聴いているだけでグッド・ヴァイブレーションが沸き立ってくる。

  153. 『John Williams in Tokyo』John Williams
  154. なんせワタクシ、サイトウ・キネン・オーケストラを指揮するジョン・ウィリアムズ先生のナマのお姿を、サントリールで観ておりますので。そりゃ感慨もひとしおですわ。

  155. 『Alien Intelligence』Jasmine Guffond
  156. オーストラリアの電子音楽家ジャスミン・ガフォンが、ブライアン・イーノの初期アンビエントみたいな作品をリリース。超絶シンプルな電子音の半永久的音階に、むしろ体温のあるヒューマニティを感じてしまう。

  157. 『Opus』坂本龍一
  158. 坂本龍一がNHK509スタジオで8日間演奏し続けた、最後のピアノソロ作品。生前に「遺すべき曲」として選んだ至極の20曲。枯山水のような境地に辿り着いた教授の静かな打鍵は、モノトーンの映像によく似合う。

  159. 『The Yussef Dayes Experience(Live From Malibu)』Yussef Dayes
  160. 2023年にリリースしたソロ・デビュー・アルバム『Black Classical Music』のナンバーを中心に、マリブ山脈での野外ライヴを収録。マジでこのパフォーマンス動画、最高ですよ。

  161. 『Evening Air』David Grubbs、Loren Connors
  162. 元ガスター・デル・ソルのデヴィッド・グラブスと、“孤高のギタリスト”ローレン・マザケイン・コナーズの共演。空間を支配するノイズ・ギターの間を縫うようにして、ぽつんぽつんとピアノの短音が鳴り響く。灰色の空に覆われたエクスペリメンタル・ミュージック。

  163. 『Disconnect』KMRU、Kevin Richard Martin
  164. ケニア・ナイロビを拠点に活動するジョセフ・カマル(KMRU)と、エクスペリメンタル・ミュージックの鬼才ケヴィン・リチャード・マーティンがが初コラボ。呪いのようなKMRUのヴォーカルがこだまする、モノクロームなダーク・アンビエント。忘れ去られた工業地帯で鳴り響くインダストリアル・サウンド。

  165. 『Evil Does Not Exist』石橋英子
  166. 濱口竜介監督と2度目となるコラボレーション作品。ヴァイオリン、ピアノ、チェロの音色が甘美に絡み合って、ウィアードな世界の扉を開く。

  167. 『Small Changes』Michael Kiwanuka
  168. まだ30代後半だというのにすでに枯淡の境地に達したような、じんわり沁みる系レトロ・ソウル。意図的に抑制したサウンドというよりも、じっくり丁寧にストリングスやギター・ソロやコーラスをミックスしていったら、自然とこうなりましたみたいな。

  169. 『Magic Seeds』Leifur James
  170. 電子音楽の吟遊詩人、レイフル・ジェームズ。今作でもエレガントでリリカルなトラックが心に迫る。このダウナーな感じ、ちょっとマッシヴ・アタックにも通底してる。

  171. 『Adriano Souza Plays Jobim』Adriano Souza
  172. ブラジルのピアニスト、アドリアーノ・ソウザによるアントニオ・カルロス・ジョビンのカバー集。

  173. 『イリュージョン』RYUSENKEI
  174. ヴォーカリストにSincereを迎え、バンド名も流線形からRYUSENKEIに改名。クニモンド瀧口曰く、「ドナルド・バードとかボビー・ハンフリーとか、マイゼル兄弟が手がけたアルバムのようなフュージョンを考えていたが、Sincereの声に出会って、ミニー・リパートンとかリンダ・ルイスみたいなヤングソウル系に変更」したとのこと。

  175. 『Love Heart Cheat Code』Hiatus Kaiyote
  176. ウェルメイドなネオ・ソウルから遠く離れ、カオティックで荒々しいファンク・ミュージックへ。あまりにもサウンドが実験的すぎて、ラストを飾る「White Rabbit」が途中までジェファーソン・エアプレインのカバーであることに気づかず。

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  177. 『The Great American Bar Scene』Zach Bryan
  178. オクラホマ州出身のシンガーソングライター、ザック・ブライアンの5thアルバム。これぞ真っ当なアメリカーナ。これぞカントリーミュージック。

  179. 『NOW I SEE THE LIGHT』toe
  180. 幻惑的なアルペジオと抑制の利いたドラミングが相変わらず素晴らしい。個人的ベストトラックはM-5「WHO KNOWS?」。ちなみにジャケットの灯台の写真は、奇界遺産で知られる写真家・佐藤健寿によるものらしい。

  181. 『POPtical Illusion』John Cale
  182. 頑固一徹なポスト・パンク、アート・ロックを世に放ち続けてきた元ヴェルヴェット・アンダーグラウンドおじさんジョン・ケイルが、、齢80を超えて「今度はポップな音楽を書くんじゃ」とばかりに新譜を作ったら、本当にまばゆいくらいのポップネスで感動してる。

  183. 『Love Deluxe』優河
  184. フォーキーだった前作『言葉のない夜に』から一転、ダンスフロア・サウンドに全振り。イイ。

  185. 『Em Outro Lugar do Céu』Nicolas Geraldi
  186. もはや、ブラジルからやってきたニック・ドレイク。

  187. 『WORLD WIDE WHACK』Tierra Whack
  188. ほぼ全てが2分台のショート・トラック。アフリカン・ミュージックの匂いも漂わせつつ、端正に紡がれたR&Bが並べられている。

  189. 『Mosaic』Fennesz
  190. フェネス5年ぶりの新作はこれまで以上に内省的で、柔らかな光を放つアルバム。さまざまなテクスチャが精緻に配置され、エーテルに溶け込んでいく。

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    Pヴァイン・レコード
  191. 『Hey Panda』High Llamas
  192. コレ気持ちいいわー。かつての90年代ポスト・ロックの雄が、丸みと柔らかさを帯びてさらに快感指数がアップ。Fryarsを共同プロデューサーに迎えて、よりディープに、エクスペリメンタルに、宅録ポップス職人ぶりを発揮したマジカル・ワールド。

  193. 『The Doober』Sam Gendel、Sam Wilkes
  194. サム・ゲンデル&サム・ウィルクスのコラボ・シリーズ第三弾。ヒップホップやエレクトロニック・ミュージックを横断するこれまでの実験的ジャズから、ニューエイジ感の強いサウンドにマイナーチェンジ。もちろんこのラインも僕は大好きです。

  195. 『Perceive Its Beauty, Acknowledge Its Grace』Shabaka Hutchings
  196. サックス・プレイヤーとして無期限休止宣言をしたシャバカがフルートに出会い、ジャズとニューエイジ・ミュージックを組み合わせた世界を創出。南米の瞑想的サウンドが、我々を異世界に手招きする。

  197. 『Look to the East, Look to the West』Camera Obscura
  198. オリジナル・メンバーだったキャリー・ランダーが亡くなった2015年から、長い活動休止期間に入っていたカメラ・オブスキュラの、10年ぶりとなる6thアルバム。優しい風がそっと頬を撫でるような、爽やかなインディーポップ。こんなバンド、なんぼあってもいいですからね。

  199. 『Ten Fold』Yaya Bey
  200. 開放的でアップテンポなR&Bサウンドがパッケージングされた、ヤヤ・ベイの新作。父親を失ったことの哀しみがメランコリックに向かうのではなく、ダンサンブルなサウンドに昇華されることで、彼女の力強さが明確に打ち出されている。

  201. 『Coming Home』Usher
  202. アッシャーやりたい放題!21 Savageとサマー・ウォーカーを招いてミドルテンポなバラードを聴かせたかと思えば、ビリー・ジョエルの「Uptown Girl」をまんまリファレンスしたり、映画『カラーパープル』のインスパイア・ソングをH.E.R.とデュエットしたり。ゼロ年代的回顧性を感じさせるサウンドが、2024年にまっすぐ着地している。

  203. 『Breaking Stretch』Patricia Brennan
  204. ヴィブラフォン奏者パトリシア・ブレナンによる、官能的で奇天烈なカーニバル・サウンド。

  205. 『Introducing Emilia Sisco』Emilia Sisco
  206. フィンランド出身のSSWエミリア・シスコのデビュー・アルバム。メロウなヴィンテージ・ソウルが心に染み渡る。コーラスはまんま60sだし、ベイベベイベベイベ…みたいなクラシック・ソウルの定石もやってるんだけど、パワフルというよりは優しく溶け込んでいく歌声なので、全体的にエレガントな雰囲気。

  207. 『Come Find Me』Caribou
  208. 音楽の隅々にまで“楽しい”が充満してる。イェーイ、カリブー最高〜。

  209. 『Dostrotime』Squarepusher
  210. 90年代のブレイクコアをよりハードに、より暴力的にリバイバルさせた、スクエアプッシャー4年ぶりの新作。開けてはいけない脳の部分をむりやりこじ開けるような、強制覚醒ダンス・アルバム。

  211. 『CHROMAKOPIA』Tyler, The Creator
  212. アンミカの「白って200色あんねん!」という名言を、鮮やかな黒で表現したようなダークネス。トライバルなリズムとメロウR&Bの絶妙ブレンド。生半可な気持ちで聴いていると吹き飛ばされる。

  213. 『Contact』角銅真実
  214. スーパーウルトラ自然体オンガク。角銅真実は、息を吐くように音を紡ぎ出す。誰も勝てん!

  215. 『Fearless Movement』Kamasi Washington
  216. サンダーキャット、テラス・マーティン、ジョージ・クリントン、アンドレ3000、おまけにカマシ・ワシントンの幼い娘まで参加しちゃった、本人曰く“ダンス・アルバム”。コズミック・ジャズをベースに、日本の民謡のようなスケールを使ってみたり、ラップを入れてみたり、遊び心満載の一枚。

  217. 『Red Hot & Ra – The Magic City』Meshell Ndegeocello
  218. サン・ラー『The Magic City』にインスパイアされたというこのアルバム、想像以上の天外魔境っぷり。異星人が地球に降り立って壁画を描いたみたいなマッド・サイエンス・ジャズ。イマニュエル・ウィルキンスのサックスが理知的に暴れてる。

  219. 『nublues』Joel Ross
  220. ヴィブラフォン奏者ジョエル・ロスが、アルトサックスにイマニュエル・ウィルキンス、ピアノにジェレミー・コーレン、ベースにカノア・メンデンホール、ドラムにジェレミー・ダットンを迎えて制作した、その名の通りブルースへの愛を捧げた一作。といっても楽曲自体にあまりブルージーなニュアンスは感じられず、クールで思索的なモダンジャズという印象。

  221. 『IV』BADBADNOTGOOD
  222. 懐か新しいサウンドを聴かせるトロントの3人組、バッドバッドノットグッドの4thアルバム。ホーン・セクションを大々的に打ち出した、ジャズ・セッションのようなラフな雰囲気が楽しい。

  223. 『Daffodils & Dirt』Sam Morton
  224. ウディ・アレンの『ギター弾きの恋』で知られる俳優サマンサ・モートンが、音楽プロデューサーのリチャード・ラッセルとタッグを組んだデュオ「Sam Morton」のデビュー・アルバム。なんでも、BBC Radio4の番組「Desert Island Discs」に出演したサマンサ・モートンの選曲に惚れ込んだリチャード・ラッセルが、彼女に声をかけて企画が始動したんだとか。夢中感強めのデイドリーム・ポップ。

  225. 『Honey』Caribou
  226. ダンスフロアを熱狂させることだけに一点集中したかのような、ひたすら楽しいエレクトロニカ/ハウス。M-1「Broke My Heart」のデン・デン・デンデデ・デン感もいいし、M-3「Volume」のテケテケ感もいい。

  227. 『Kinds of Kindness』Jerskin Fendrix
  228. ジャースキン・フェンドリクスによるサウンドトラック。これ絶対キューブリック映画におけるリゲティの使い方を参考にしてるだろ。「アイズ ワイド シャット」みたいな不穏なピアノ曲あり、「2001年」のレクイエムみたいな曲もあり。

  229. 『Everyone’s Getting Involved: A Tribute to Talking Heads’ Stop Making Sense』V.A.
  230. 伝説のライヴ・アルバム「Stop Making Sense」のトリビュート盤。マリー・サイラスの「Psycho Killer」とかザ・ナショナルの「Heaven」とかもイイけど、カバーよりも原曲のほうが凶暴でアバンギャルドに感じられるのって、トーキング・ヘッズでやっぱり変なバンドだったんだな。

  231. 『New Strategies for Modern Crime Vol.1』Prefuse 73
  232. 以前のようなワチャワチャしたカットアップ感&コラージュ感は影を潜め、ダウナーでジャズっぽい音像に変化。Oneohtrix Point Neverとも共振する、アダルティーなスコット・ヘレン。

  233. 『Great Doubt』Astrid Sonne
  234. デンマーク出身のヴィオラ奏者/実験音楽家アストリッド・ゾンネの3rdアルバム。インストゥルメンタルから離れてヴォーカル・アルバムとして創り上げたことで、アンビエントからエクスペリメンタル・ポップへの飛翔を果たしている。

  235. 『Big Sigh』Marika Hackman
  236. “大きなため息”と冠された、マリカ・ハックマン5年ぶりの新作。ストリングスとエレクトロニクスの狭間に、密やかなメランコリアが浮かんでいる。

  237. 『Still』Erika de Casier
  238. 内省的なエレクトロニックR&B だと思って聴いてたら、ジャングルすぎないジャングル・ビートだったりエスニックになりすぎないエスニック風味だったり微妙なニュアンスで設計されていて、二、三回聴いただけじゃ全体を掴みきれない怪作だった。

  239. 『Your Favorite Things』柴田聡子
  240. このアルバムが発売されて一週間は、柴田聡子のことばかり考えていた。もちろん好きなんですよ、柴田聡子。でも世間の圧倒的な評価に比べると、僕のストライクゾーンからほんのちょっとだけ外れている感じがある。たぶんAメロもBメロもサビも、あまりにもひっかかりがなさすぎてメロディーとして脳髄を揺らすに至ってないんだろう。

  241. 『Got a Story to Tell』Thee Sacred Souls
  242. こんなにモータウンでいいんですか。いいんです。サンディエゴの3人組セイクリッド・ソウルズが送る、レトロすぎるスウィート・ソウル。

  243. 『Pattern Damage』Bianca Scout
  244. ダンサーにして振付師にして音楽家ビアンカ・スカウトによる、エクスペリメンタル・オペラ。ポスト・クラシカルな感触を漂わせつつ、幽玄なダークポップに仕上がっている。

  245. 『Dance, No One’s Watching』Ezra Collective
  246. 世界中をツアーしながら曲作りを並行して進めていたという、エズラ・コレクティヴの3rdアルバム。華やかなホーン・セクションが胸をときめかす、ひたすら楽しいダンス・ミュージック。

  247. 『Abracadabra』Klô Pelgag
  248. 重奏的なシンセサイザーの音色がオーケストラのように響きわたる、スケールの大きい一作。地球を飛び越えて天空の星々と交信しているみたいなダイナミズムにしびれる。

  249. 『Ultra 85』Logic
  250. 2020年に一度引退したにもかかわらず、結果的に2021年から3年連続でアルバムをリリースして、ますます精力的に活動しているロジック。そのバイタリティ、自分も励みになります。自分も頑張ります。あ、アルバムもとても良かったです(適当)。

  251. 『失恋と得恋』小西康陽
  252. 小西康陽、初のヴォーカル・アルバム。ピチカート時代の楽曲も織り込んだ、ふくよかなラウンジ・ジャズ。5人編成のアンサンブルだが、特にチェロのウッディーな響きが優しく耳に溶け込んでくる。リズム隊オンリーの『陽の当たる大通り』アレンジには驚いた。

  253. 『Cellophane Memories』Chrystabell、David Lynch
  254. 我らがデイヴィッド・リンチ先生が、『ツイン・ピークス』第3シーズンにも出演していた歌手クリスタ・ベルと共作したコラボ・アルバム。不安定に空気が揺らぐ異界のブルース。呼び寄せてはならないものを召喚したみたいな霊歌。たまらん。

  255. 『Low End Love Songs』Pale Jay
  256. 60〜70年代ソウルを確信犯的にリバイバルさせたサウンド・メイキングで、そのヴィンテージ感がクセになる。ストリングスやコーラスワークがキラッキラしていて、これぞスウィート・ソウル!って感じ。

  257. 『No More Water: The Gospel Of James Baldwin』Meshell Ndegeocello
  258. 公民権運動家でもあった作家ジェイムズ・ボールドウィンにインスピレーションを受けて制作した、ミシェル・ンデゲオチェロ渾身の大作。コーラスワークを多用し、ゴスペルのような荘厳さで、アメリカの人種差別・性差別問題を歌う。ピューリッツァー賞を受賞した作家ヒルトン・アルスがリーディングで参加。

  259. 『Moth』Fana Hues
  260. ファナ・ヒューズ自身がエグゼクティヴ・プロデューサーを務めた、等身大の女性を綴るネオソウル・ポップス。コーラスワークやドラムのバリエーションに、意欲的なサウンド・プロダクションを感じる。

  261. 『The Sun In A Box』Max Cooper
  262. 10分45秒という演奏時間のなかで繰り広げられる、曼荼羅のようなハイパー・テクノ。ちょっとレトロ風味なこのサウンドには、快感しかない。

  263. 『MADRA』NewDad
  264. 90年代的なインディー・ロック、シューゲイザー、グランジの音をかぐわせる、アイルランド出身の4人組NewDadのデビュー・アルバム。

  265. 『Wall of Eyes』The Smile
  266. ところどころ不穏な音響がかぶさったりするけど、ベースとなる部分はとても耳馴染みが良くてキャッチー。密室的で音響派にも近いサウンド・プロダクションも良き。ギターの轟音が鳴り響くM-7『Bending Hectic』は、『Creep』にも似たアゲ感。

  267. 『らんど』ZAZEN BOYS
  268. 齢50を迎えた向井秀徳がいまだに“触るな危険”的な殺気をちゃんと音楽に閉じ込めていて、複雑なアンサンブルだとか変拍子だとかよりも、そのこと自体に普通に感動する。

  269. 『Live at Third Man Records』Kassa Overall
  270. ライブ演奏をそのままアセテート・テープや1インチ8トラック・テープにダイレクト録音できるThird Man Records。100%アナログ・レコーディングの熱気をそのまま瞬間密封した、カッサ・オーバーオールのライヴ盤。

  271. 『All Life Long』Kali Malone
  272. ストックホルム出身の音楽家、カリ・マローン。寒々とした氷の世界で、どこか遠くから聴こえてくるかのような、ドローン・ミュージック。でも金管楽器やグレゴリオ聖歌みたいなハーモニーで構築されてるから、その感触は温かい。ポスト・バロックというべきサウンド。

  273. 『ati natu』chelmico
  274. サマーソングはchelmicoでキマリ。やじまたくま(ザ・おめでたズ)がプロデュースを手がけた、愉快痛快EP。

  275. 『Em Outro Lugar do Céu』Nicolas Geraldi
  276. ブラジル出身のSSWブルーノ・ベルリのデビュー・アルバム。サウダージな風が吹きまくり。

  277. 『The New Sound』Geordie Greep
  278. ブラック・ミディのフロントマン、ジョーディー・グリープのソロ・デビュー・アルバム。サルサのリズムでエネルギッシュな風を送り込んでくれる、無邪気ism満開音楽。トニー・ベネットあたりが歌いそうなジャズ・バラード「If You Are But a Dream」で締めくくるのもいい感じ。

  279. 『The Great Impersonator』Halsey
  280. ホールジーのコロンビア移籍後第一弾アルバム。「60年代からゼロ年代に自分がアーティストだったら?」というコンセプトで、本当に60年代からゼロ年代を意識したサウンド・プロダクションで作り上げてしまった、非常にコンセプチュアルな作品。

  281. 『MoonDial』Pat Metheny
  282. 70歳を迎えてなお創作意欲盛んなパット・メセニーが、エレキ・ギターをナイロン弦バリトン・ギターに持ち替えて、伸びやかな低音域サウンドが心に染みる一枚。ビートルズの「Here, There and Everywhere」カバーとか泣ける。

  283. 『bird’s-eye view』Siv Jakobsen
  284. ノルウェーの歌姫シフ・ヤコブセンが奏でるトラッド・フォークは、神の言霊のごとし。

  285. 『BRAT』Charli xcx
  286. 今やエレクトロ・ポップ・クイーンとなったチャーリー・XCXの、アトランティックレコード移籍第1弾アルバム。超高速で宇宙をワープ走行しているようなフルスロットル感がタマらん。「kamala IS brat(悪ガキ)」とXに投稿したことで、図らずも政治的な意味を帯びてしまった本作だが、まずは「X世代ガールをスケッチしたハイパーポップ」として受け止めるべきだろう。

  287. 『TM NETWORK TRIBUTE ALBUM -40th CELEBRATION-』V.A.
  288. TM NETWORKで一番好きな「STILL LOVE HER (失われた風景)」を、くるりが歌ってくれる日が来ようとは。岸田繁、いつもより少し情感を込めたような歌い方だし。J-POP史に残る名バラード。あと、CAPSULEの「self control」も最高です。

  289. 『((ika))』Tempalay
  290. EDMもサイケも民謡も、まるごとコトコト煮込んでチルに仕上げた実験作。「あびばのんのん」とか「憑依さん」とか「月見うどん」とか、折坂悠太と並んで“右斜め上のタイトルをぶっ込んでくるミュージシャン”の面目躍如。

  291. 『Cutouts』The Smile
  292. アナログシンセやストリングスの使い方は相変わらずエクスペリメンタルな匂いが濃厚だけど、全体的にはギターロックに回帰している印象。マイフェイバリットは、ジョニー・グリーンウッドが楽しそうにギターをかき鳴らす3曲目「Zero Sum」。

  293. 『My Favorite Things』柴田聡子
  294. 2月にリリースした『Your Favorite Things』の弾き語りヴァージョン。むしろ柴田聡子のSSWとしての真髄は、こっちのアルバムのほうに詰まっているのかも。

  295. 『Modern Vintage Future』高野寛
  296. 音色がとっても気持ちいい。M-8「Head’s Talking」とかYMOオマージュ満載サウンドだけど、ゼロ年代以降の高橋幸宏っぽい音にも聴こえる。それにしてもミックスがAOKI Takamasaでマスタリングが砂原良徳って、どんだけ最高の布陣なの。

  297. 『魔法学校』長谷川白紙
  298. まるでゴルチエのファッション・ショウを早送りで観ているような装飾過多感にクラクラする。メロディーを無効化する過剰なビート、一聴しただけでは掴みきれない複雑怪奇な楽曲構造。1秒ごとに混乱と快感が行き来する、異形のアルバム。

  299. 『SUPER REAL ME』ILLIT
  300. 韓国人3名、日本人2名で構成されるガールズグループILLIT(アイリット)のデビューEP。どこかノスタルジーを喚起させるY2KサウンドはNewJeans直系。

  301. 『Orquídeas』Kali Uchis
  302. カリ・ウチスが全曲スペイン語で歌った3rdアルバム。レゲトンあり、メロウなラバーソウルあり、シャーデーみたいなスムーズジャズあり、去年から続くラテンパワーをひしひし感じる一枚。M-3『Igual Que Un Angel』の芳醇さが好み。

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  303. 『Drop 7』Little Simz
  304. 予告なくサプライズ・リリースされた、フロア・オリエンテッドなEP。エモーショナルというよりはリリカルなリトル・シムズの音楽的宇宙が広がっている。

  305. 『めくらやなぎと眠る女』Pierre Foldès
  306. 村上春樹の短編小説を映像化したアニメーションは白眉の出来だが、監督のピエール・フォルデス監督自身が手がけたサントラも素晴らしい。コントラバスやチェロの弦楽器に、電子音が妖しく混ざり合う異界の音楽。でも木管の優しい音色で、ミステリアスというよりはノスタルジックな感触に。

  307. 『american dream』21 Savage
  308. 不法移民逮捕という衝撃的な出来事から5年、21サヴェージが帰ってきた。ジョージア州出身と明言していながらホントはイギリス人だった彼は、最新アルバムのタイトルをあえて『american dream』に。しかもメトロ・ブーミン、ザ・ウィークエンド、ヤング・サグ、トラヴィス・スコット、サマー・ウォーカー、ドージャ・キャットが客演…って、それ反則だろ。

  309. 『For Cryin’ Out Loud!』FINNEAS
  310. 妹ビリー・アイリッシュ直系なメランコリーソングもいいけど、M-3「Cleats」みたいな開放的な曲もええですね。最近コールドプレイの新譜も出たから気づいたんだが、歌声がちょっとクリス・マーティンに似てる。もっとSSWとして評価されてほしい。

  311. 『Grush』µ-Ziq
  312. コツコツと良質なIDMを量産し続ける、μ-Ziqことマイク・パラディナス。2年ぶりとなる新作は、スペーシーなサウンドと強烈なビートが絡み合った、かなりダンサブルな仕上がりに。

  313. 『We Don’t Trust You』Future、Metro Boomin
  314. フューチャーとメトロ・ブーミンによる最強コラボ・アルバムだけど、客演したケンドリック・ラマーがドレイクとJ.コールを壮絶にディスったM-3「Ice Attack」しか印象に残らん(笑)。

  315. 『Another Side Of Skinshape』Skinshape
  316. インディーロック・バンドPalaceの元メンバー、ウィル・ドリーのソロ作。あっけらかんとした、ご陽気ノスタルジック・サウンドが楽しい。

  317. 『Connection』Night Tempo
  318. M-8「Deep Breath」で広末涼子にディープブレスさせたから大優勝。

  319. 『liquid city』showmore
  320. showmore、3年ぶりとなる4thアルバム。R&B、ジャズ、ヒップホップを横断してアーヴァンに味付けしたポップスを、さらに先鋭化したような一枚。先行シングル「fruit」のベースラインがグルーヴィーすぎて、思わず腰がクネる。

  321. 『Where we’ve been, Where we go from here』Friko
  322. ニック・ドレイクのような繊細さと、ザ・ナショナルのような壮大なアンセム感を併せ持った、激情インディーロック。感情を奥に秘めたNiko Kapetanのヴォーカルも最高。

  323. 『NOBODY』tofubeats
  324. ハウスビートにフラットすぎる歌声が重なることで、トラックに合わせて上下動している自分の体もまた、電気信号による自動反応でしかない感。固有性を剥奪された大量ポリスが踊ってる不穏なジャケットに己を見出すみたいな。

  325. 『連続テレビ小説「虎に翼」オリジナル・サウンドトラック Vol.1』森優太s
  326. 劇中歌「You are so amazing」を、ベル・アンド・セバスチャンのスチュアート・マードックに歌わせてるなんて反則だし、絶対泣くし、絶対名曲だし。

  327. 『You Can’t Negotiate With Zombies』Caput Medusae
  328. 80年代的なドリーム・ポップ(ややダーク・エレクトロ風味)が、聴いているうちにクセになる。

  329. 『Radical Optimism』Dua Lipa
  330. エッジーでディスコティークなダーク・ポップを鳴らしていた前作に比べて、全体的に丸みを帯びたアルバムに。タイトルはRadical(過激)にOptimism(楽観的)だけど、印象としてはTender(優しく)Optimism(楽観的)。

  331. 『Little Sigh』Marika Hackman
  332. 2月にリリースしたアルバム『Big Sigh』から4曲をピックアップ、原曲にあったストリングスを廃して、イングリッシュ・トラディショナル・フォークのような趣きのアコースティックVer.に。この慎ましやかさが、いかにも彼女らしい。

  333. 『地球の歩き方』冨田ラボ
  334. 三吉彩花、森山未來、松本まりか、森山直太朗が出演したNHKドラマ『地球の歩き方』のサウンドトラック。オーケストラを大々的に使った豪奢なストリングスではなく、打ち込み系の柔らかなサウンドに心が浮き立つ。

  335. 『Visions』Norah Jones
  336. プロデュースを担当したリオン・マイケルズとほぼ二人だけで演奏したという、ノラ・ジョーンズの9thアルバム。ちょっとラフでセッションみたいな空気が伝わってくる。

  337. 『GOOD DAY』ハナレグミ
  338. created by Rinker
    ビクターエンタテインメント
  339. 『Silence Is Loud』Nia Archives
  340. 新世代のジャングル・ビートを鳴らすニューカマー、ニア・アーカイヴスのデビュー・アルバム。超高速四つ打ちではあるものの意外とシルキーなサウンド・プロダクションで、耳に程よく馴染んでいく。

  341. 『Dark Times』Vince Staples
  342. ロサンゼルスの吟遊詩人ヴィンス・ステイプルズの5thアルバム。暗闇のなかで密やかな光を放つ13のトラックが、とってもブラック・コンテンポラリーで官能的。

  343. 『A LA SALA』Khruangbin
  344. フューチャリング・ゲストを呼ぶこともなく、エンジニアの倉庫でプレイを重ねてレコーディングした、ライク・リヴィング・ルーム・アルバム。

  345. 『Tyla』Tyla
  346. 南アフリカの新星タイラのデビュー・アルバム。アマピアノやアフロビーツを清涼感のあるダンス・トラックに落とし込んだ快作。

  347. 『Sincere』Khalid
  348. 5年間の活動休止期間を経てリリースされた、カリードの3rdアルバム。M-8「Breathe」ではアーロ・パークスともコラボしてます。ひたすらアダルト・オリエンテッドなR&B。

  349. 『Moon Music』Coldplay
  350. 美メロと荘厳なシンフォニーで王道をひた走るコールドプレイ。新作も、美メロと荘厳なシンフォニーで王道をひた走るアルバムだった。

  351. 『The Night the Zombies Came』Pixies
  352. 2013年にベーシストのキム・ディールが脱退、その後加入したパズ・レンシャンティンも脱退。ベーシストに悩まされているピクシーズが、新しくエマ・リチャードソンを迎えて制作したアルバム。USオルタナティヴ・ロックは死なず。

  353. 『X’s』Cigarettes After Sex
  354. タバコの煙でくぐもったフロアでまどろんでいると、ふとスロウコアなサウンドが聴こえてくる。シガレッツ・アフター・セックスが奏でるのは、そんなサッドコアでドリーミーな世界だ。エドワード・ホッパーの絵を眺めながら、彼らの曲に身を浸したい。

  355. 『Trumpets of Michel-Ange』Ibrahim Maalouf
  356. トランペット+サクソフォン+ギター+パーカッションによる、ホーン・セクションのお祭り騒ぎ。微分音(十二平均律では表現できない、半音よりもさらに細かく分けた音程)のトランペットで、イブラヒム・マアルーフは西洋音楽のカウンター・ミュージックを吹きまくる。

  357. 『See You At The Maypole』Half Waif
  358. 元Pinegroveのキーボーディスト、アナンダ・ローズ・”ナンディ”・プランケットの2ndソロ作。ベースはストリングスをまぶせたフィメール・ポップで、ちょっとエスニックな味わいもあり。

  359. 『Song Symbiosis』トクマルシューゴ
  360. 8年ぶりとなるトクマルシューゴの新作。ハンドメイド感のある音響系。攻撃的なピースフル・ミュージック。ドメスティックのようでインターナショナルでもあるような、不思議な射程の広さを持っている。ちょっとまだ咀嚼できてない。

  361. 『On the shore』踊ってばかりの国
  362. ナイロン弦ギターでつまびかれるアルペジオが優しく響く、穏やかなリゾートミュージック。それでいて時々挟まれる不穏なコードがたまらなくドラッギー。この調合の絶妙さが、やっぱ踊ってばかりの国って感じ。

  363. 『Nonetheless』Pet Shop Boys
  364. アークティック・モンキーズやゴリラズを手掛けたジェームス・エリス・フォードをプロデューサーに迎えた、古き良きエレポップのネクスト・レベル。

  365. 『Cowboy Carter』Beyonce
  366. 僕自身はビヨンセの良いリスナーではないけれど、R&Bのデーヴァがカントリーミュージックに足を踏み入れ、アメリカ伝統音楽を新しく解釈せんとする試みはやっぱり並外れているかと。This is スーパースター。2曲目に収録されている「Blackbird」のカバーでもうブッ飛ばされる。

  367. 『I Hear You』Peggy Gou
  368. ペギー・グー待望のデビュー・アルバム。フィジカルに作用するパワーポップ・コレクション。

  369. 『ネビュラロマンス 前篇』Perfume
  370. 先鋭化の一途を辿ったテクノポップを封印して、ダフト・パンクの「Random Access Memories」のようなレトロフューチャー・サウンドに。ただ、80年代的SF映画のサントラというコンセプトに引っ張られすぎて、一曲ごとの煌めきが少々足りない。

  371. 『ルックバック』haruka nakamura
  372. 最後を飾る「Light song」を何度リピートして何度涙ぐんだことか。

  373. 『放生会』椎名林檎
  374. 全編を通して官能的なベースラインと凶暴なビートが身体を突き刺す、歌謡曲でジャズでムード音楽な一枚。のっちとコラボした「初KO勝ち」で本当にKOされそうになる。

  375. 『Faith Of A Mustard Seed』Mustard
  376. マスタードの4thアルバム。ヴィンス・ステイプルズ、スクールボーイQ、トラヴィス・スコット、ヤング・サグら超大物をゲストに招聘して、歯切れの良いフロウを披露。すいません韻踏んじゃいました。

  377. 『I LAY DOWN MY LIFE FOR YOU』JPEGMAFIA
  378. 一曲目の「i scream this in the mirror before i interact with anyone」から、怒涛のクラッシュシンバル&ラウドなギターでハートを鷲掴み。ヴィンス・ステイプルズ、デンゼル・カリー、バジー・リーといったメンツを招聘し、ドリルンベースやグライムを織り交ぜながら、JPEGMAFIAの現在地を指し示す一枚。

  379. 『Se o Meu Peito Fosse o Mundo』Jota.Pê
  380. 『Iechyd Da』Bill Ryder-Jones
  381. ザ・コーラルの元ギタリスト、ビル・ライダー・ジョーンズの6thアルバム。渋すぎるヴォーカル、スケールのデカいシンフォニックなロック・サウンドが、ウェールズの広大な土地に手招きしてくれる。

  382. 『On The Lips』Molly Lewis
  383. 世界的ホイッスラー(口笛奏者)モリー・ルイスによる、全編口笛演奏アルバム。これ最高のラウンジ・ミュージックじゃないですか。トロピカルなラヴァーズロック感もあれば、時折モリコーネの「さすらいの口笛」みたいなニュアンスもあり。

  384. 『TANGK』IDLES
  385. ブリストル出身のポストパンク・バンド、アイドルズ。その名前とは裏腹に、奏でるサウンドは骨太で泥臭い。え、待って。ナイジェル・ゴドリッチがプロデュースってマジか?

  386. 『Channel Mae』Hedda Mae
  387. 偽ラジオのインタールードをインサートするセンスといい、キラキラアレンジといい、こんなに80’sポップ丸出しでいいんですか。いいんです。

  388. 『Mirror Starts Moving Without Me』Pom Pom Squad
  389. ミア・ベリンが結成した4人組インディー・バンド、Pom Pom Squad。グランジ・ロックな香りを嗅ぐわせつつ、中毒性の高いティーンエイジ・ポップ・ソングに仕上がっている。

  390. 『Ohio Player』The Black Keys
  391. M-4『On The Game』ではノエル・ギャラガーとコラボしてます。

  392. 『Eternal Sunshine』Ariana Grande
  393. 3年ぶりとなるアリアナ・グランデの7thアルバム。映画『エターナル・サンシャイン』からインスパイアを受けたという、ドリーミー・ラヴ全開なポップ・ソング集。

  394. 『Shadows Lifted from Invisible Hands』James Hoff
  395. 『地面師たち』石野卓球
  396. 重いベースライン、ゴリっとした重低音が鳴り響くダーク・エレクトロ。四つ打ちのビート感は剥奪され、陰鬱としたサウンドスケープが広がっている。トレント・レズナー&アッティカス・ロスが手がけた、『ゴーン・ガール』(14)や『ザ・キラー』(23)のサウンドにも近い感覚。

  397. 『SAYONARA』Alvaro Diaz
  398. あまりレゲトンとは相性が良くないのですが、オープニングを飾る「TE VI EN MIS PESADILLAS」のドラマティックな高揚感には吹っ飛ばされた。

  399. 『F-1 Trillion』Post Malone
  400. ビヨンセの『COWBOY CARTER』みたいに“カントリーにインスパイアを受けた”とか”カントリーのエッセンスを組み入れた”とかの次元じゃなくて、まんまどカントリー。ハンク・ウィリアムズ Jr.やドリー・バートンという大御所まで招聘しちゃってるし。ラップ・スターからポップ・スター、そしてロック・スターからアメリカン・スターへの道を駆け上っていく、野心に溢れた一枚。

  401. 『Short n’ Sweet』Sabrina Carpenter
  402. M-7「Espresso」のイントロがもろシティポップ。この波はニュー・ポップ・クイーンにまで届いているんだなあ。

  403. 『HELLO HELLO』TAHITI 80
  404. このエヴァーグリーンぶりはなんなんだ。あれから僕はすっかり打算的で利己的な大人になってしまったけど、TAHITI 80だけは何も変わらない。眩し過ぎて目が潰れそう。

  405. 『Soul Assassins Instrumental Library, Vol. 1』DJ Muggs
  406. 『Between The Lines』Velludo
  407. 沖野俊太郎や小山田圭吾を中心とした伝説のバンドVelludoが、37年ぶりに再結成。やっぱネオアコってすっごい80年代的イディオムで語られるべきジャンルなんだよなあ。

  408. 『Can We Please Have Fun』Kings Of Leon
  409. 『EXTRA』トリプルファイヤー
  410. トリプルファイヤー、7年ぶりの帰還。1曲目の「お酒を飲むと楽しいね」から「BAR」「スピリチュアルボーイ」と聴き続けていくと、歪んだ音像も相まって、酩酊状態からあちら側へと足を踏み入れていく感覚がヤバい。これぞサイケ。タモリ倶楽部の終焉を迎えて、踊れる音楽に。

  411. 『離婚伝説』離婚伝説
  412. プロコル・ハルムやトラフィックを彷彿とさせるサウンドと、「追憶のフロマージュ」とか「スパンコールの女」みたいなタイトルでシティポップを拡張させる、懐かしかっこいい作品。“渚のランデブー”なんて歌詞、30年ぶりに聴いた!

  413. 『Vertigo』Griff
  414. ヤング・アダルトな感性でホームメイドされた、ブリティッシュ・ポップの新歌姫グリフのデビュー・アルバム。

  415. 『Y2K!』Ice Spice
  416. デビューEP『Like..?』を経て、自分の誕生日である2000年1月1日に因んでタイトルを名付けた、アイス・スパイスのデビュー・アルバム。文字通り2000年前後のヒットソングをサンプリングしまくった、堂々たるY2Kトリビュート。

  417. 『Sonido Cósmico』Hermanos Gutiérrez
  418. 『Funeral for Justice』Mdou Moctar
  419. ニジェール共和国のギターヒーロー、エムドゥ・モクターがラウドに暴れまくる暴発作。This is (むきだしの)野生。

  420. 『LOST CORNER』米津玄師
  421. たぶん僕は、いまだに米津玄師にうまくチューニングできてない。『虎に翼』主題歌のM-9「さよーならまたいつか!- Sayonara」は好きなんですけどねえ。

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    ソニーミュージックエンタテインメント
  422. 『Prelude To Ecstasy』Last Dinner Party
  423. ロンドン出身のインディー・ロック・バンド、ザ・ラスト・ディナー・パーティーのデビュー・アルバム。ちょっとゴスな耽美性にヤラれる。

  424. 『最後の初恋』Cody・Lee(李)
  425. なんか随分雰囲気変わったな…。

  426. 『AG! Calling』新しい学校のリーダーズ

OTHER RANKINGS

ローリングストーン誌が選ぶ、2024年の年間ベスト・アルバム100選
1.
『Brat』 Charli XCX
2.
『Cowboy Carter』 Beyoncé
3.
『Manning Fireworks』 MJ Lenderman
4.
『Short n’ Sweet』 Sabrina Carpenter
5.
『Hit Me Hard and Soft’』 Billie Eilish
6.
『Tyla』 Tyla
7.
『We Don’t Trust You』 Future and Metro Boomin
8.
『Eternal Sunshine』 Ariana Grande
9.
『Alligator Bites Never Heal』 Doechii
10.
『Tigers Blood』 Waxahatchee
11.
『Heis』 Rema
12.
『The Great American Bar Scene』 Zach Bryan
13.
『Charm』 Clairo
14.
『Two Star & the Dream Police』 Mk.Gee
15.
『Diamond Jubilee』 Cindy Lee
16.
『Sayonara』 Álvaro Díaz
17.
『Chromakopia』 Tyler, the Creator
18.
『Here in the Pitch』 Jessica Pratt
19.
『Funeral for Justice』 Mdou Moctar
20.
『No Name』 Jack White
21.
『GNX』 Kendrick Lamar
22.
『I Got Heaven』 Mannequin Pussy
23.
『The Tortured Poets Department’』 Taylor Swift
24.
『Passage Du Desir』 Johnny Blue Skies/Sturgill Simpson
25.
『Glorious』 GloRilla
26.
『The Collective』 Kim Gordon
27.
『Las Mujeres Ya No Lloran』 Shakira
28.
『Woodland』 Gillian Welch and David Rawlings
29.
『Princess Pop That』 Anycia
30.
『Dunya』 Mustafa
31.
『Vertigo』 Griff
32.
『Dopamine』 Normani
33.
『Almighty So 2』 Chief Keef
34.
『Underdressed at the Symphony』 Faye Webster
35.
『Wall of Eyes』 The Smile
36.
『The Past Is Still Alive』 Hurray for the Riff Raff
37.
『Born in the Wild』 Tems
38.
『What a Devastating Turn of Events』 Rachel Chinouriri
39.
『Evergreen』 Soccer Mommy
40.
『Timeless』 Kaytranada
41.
『Att』 Young Miko
42.
『The Great Impersonator』 Halsey
43.
『Only God Was Above Us』 Vampire Weekend
44.
『Submarine』 The Marias
45.
『Power』 Illuminati Hotties
46.
『Sugar Honey Iced Tea』 Latto
47.
『Whirlwind』 Lainey Wilson
48.
『Songs of a Lost World』 The Cure
49.
『All Born Screaming』 St. Vincent
50.
『Play Cash Cobain』 Cash Cobain
51.
『Capicú』 RaiNao
52.
『American Hero』 Towa Bird
53.
『The Year I Turned 21』 Ayra Starr
54.
『What Now』 Brittany Howard
55.
『Where I’ve Been, Isn’t Where I’m Going』 Shaboozey
56.
『Bright Future』 Adrianne Lenker
57.
『POPtical Illusion』 John Cale
58.
『Romance』 Fontaines D.C.
59.
『God Said No』 Omar Apollo
60.
『Trail of Flowers』 Sierra Ferrell
61.
『Art of the Unseen Infinity Machine』 Allegra Krieger
62.
『Phasor』 Helado Negro
63.
『Made By These Moments』 Red Clay Strays
64.
『Arooj Aftab』 Night Reign
65.
『Don’t Forget Me』 Maggie Rogers
66.
『Revelator』 ELUCID
67.
『Utopia Now』 Rosie Tucker
68.
『Blue Lips』 ScHoolboy Q
69.
『Box for Buddy, Box for Star』 This Is Lorelei
70.
『Forever』 Charly Bliss
71.
『In Sexyy We Trust』 Sexyy Red
72.
『No One Gets Out Alive』 Maggie Rose
73.
『Y2K』 Ice Spice
74.
『Éxodo』 Peso Pluma
75.
『Dark Times』 Vince Staples
76.
『Sentiment』 Claire Rousay
77.
『NEXT』 Xavi
78.
『Paul Bunyan’s Sling Shot』 Liquid Mike
79.
『Anniversary』 Adeem the Artist
80.
『Prelude to Ecstasy』 The Last Dinner Party
81.
『Viva Hinds』 Hinds
82.
『ATP』 NSQK
83.
『Cascade』 Floating Points
84.
『The Hard Quartet』 The Hard Quartet
85.
『C, XOXO』 Camila Cabello
86.
『SMILE!: D』 Porter Robinson
87.
『Different Type Time』 Cavalier
88.
『Right Place, Wrong Person』 RM
89.
『$10 Cowboy』 Charley Crockett
90.
『Silver Patron Saints: The Songs of Jesse Malin』 V.A.
91.
『Girl With No Face』 Allie X
92.
『Am I Okay?』 Megan Moroney
93.
『From Hell I Rise』 Kerry King
94.
『Ramona』 Grace Cummings
95.
『9 Lives』 Koe Wetzel
96.
『Orquídeas』 Kali Uchis
97.
『Wild God』 Nick Cave and the Bad Seeds
98.
『The Auditorium, Vol.1』 Common and Pete Rock
99.
『Little Rope』 Sleater-Kinney
100.
『Mirror Starts Moving Without Me』 Pom Pom Squad
Pitchforkが選ぶ、2024年の年間ベスト・アルバム50選
1.
『Diamond Jubilee』 Cindy Lee
2.
『BRAT』 Charli XCX
3.
『Here in the Pitch』 Jessica Pratt
4.
『Manning Fireworks』 MJ Lenderman
5.
『Endlessness』 Nala Sinephro
6.
『Tigers Blood』 Waxahatchee
7.
『Night Palace』 Mount Eerie
8.
『Cold Visions』 Bladee
9.
『Great Doubt』 Astrid Sonne
10.
『The Collective』 Kim Gordon
11.
『I Got Heaven』 Mannequin Pussy
12.
『#gigi』 skaiwater
13.
『My Method Actor』 Nilüfer Yanya
14.
『Spectral Evolution』 Rafael Toral
15.
『If I don’t make it, I love u』 Still House Plants
16.
『Ultimate Love Songs Collection』 DORIS
17.
『Night Reign』 Arooj Aftab
18.
『Two Star & the Dream Police』 Mk.gee
19.
『Imaginal Disk』 Magdalena Bay
20.
『Sentir que no sabes』 Mabe Fratti
21.
『Charm』 Clairo
22.
『Tyla』 Tyla
23.
『Bright Future』 Adrianne Lenker
24.
『The Thief Next to Jesus』 Ka
25.
『Akoma』 Jlin
26.
『Only God Was Above Us』 Vampire Weekend
27.
『“NO TITLE AS OF 13 FEBRUARY 2024 28,340 DEAD”』 Godspeed You! Black Emperor
28.
『My Light, My Destroyer』 Cassandra Jenkins
29.
『keep it goin xav』 xaviersobased
30.
『Funeral for Justice』 Mdou Moctar
31.
『Patterns in Repeat』 Laura Marling
32.
『Rong Weicknes』 Fievel Is Glauque
33.
『The Past Is Still Alive』 Hurray for the Riff Raff
34.
『Absolute Elsewhere』 Blood Incantation
35.
『Short n’ Sweet』 Sabrina Carpenter
36.
『ORQUÍDEAS』 Kali Uchis
37.
『Trini Viv: Groovy Steppin Sh*t』 Lisha G
38.
『Being Dead』 EELS
39.
『Box for Buddy, Box for Star』 This Is Lorelei
40.
『Still』 Erika de Casier
41.
『Opus』 坂本龍一
42.
『One Day』 Loidis
43.
『Wood Blues』 Ahmed
44.
『Leave Another Day』 Milan W
45.
『Casts of a Dreamer』 454
46.
『our Day Will Come』 Chanel Beads
47.
『Phasor』 Helado Negro
48.
『Meaning’s Edge』 Djrum
49.
『Almighty So 2』 Chief Keef
50.
『Viewfinder』 Wendy Eisenberg

AWARDS

第67回グラミー賞
レコード賞
『360』 Charli XCX
『Birds of a Feather』 Billie Eilish
『Espresso』 Sabrina Carpenter
『Fortnight』 Taylor Swift featuring Post Malone
『Good Luck, Babe!』 Chappell Roan
『Not Like Us』 Kendrick Lamar
『Now and Then』 The Beatles
『Texas Hold ‘Em』 Beyoncé

アルバム賞
『Brat』 Charli XCX
『Cowboy Carter』 Beyoncé
『Djesse Vol.4』 Jacob Collier
『Hit Me Hard and Soft』 Billie Eilish
『New Blue Sun』 André 3000
『The Rise and Fall of a Midwest Princess』 Chappell Roan
『Short n’ Sweet』Sabrina Carpenter
『The Tortured Poets Department』 Taylor Swift

楽曲賞
『A Bar Song (Tipsy)』 Shaboozey
『Birds of a Feather』 Billie Eilish
『Die with a Smile』 Lady Gaga & Bruno Mars
『Fortnight』 Taylor Swift featuring Post Malone
『Good Luck, Babe!』 Chappell Roan
『Not Like Us』 Kendrick Lamar
『Please Please Please』 Sabrina Carpenter
『Texas Hold ‘Em』 Beyoncé

新人賞
Benson Boone
Sabrina Carpenter
Doechii
Khruangbin
Raye
Chappell Roan
Shaboozey
Teddy Swims

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