『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』(77)で歴史的成功をおさめたジョージ・ルーカスが、その続編を制作するにあたって心に決めていたのは、「自分は監督しない」ことだったという。考えてみれば、自分が生み出した偉大なるサーガを人の手に委ねるというのは、一人のクリエイターとして非常に奇妙なこと。それだけ彼は、一作目で疲労困憊していたのである。
非常に内向的な性格で、役者に対する演技指導も苦手。スーパーシャイなルーカスにとって、監督業に戻ることはありえないことだったのだろう。第二作『スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲』(80)では製作総指揮にまわり、具体的なプロデュース業も盟友ゲイリー・カーツに一任。家族との時間を楽しみつつ、自身が設立した特撮工房インダストリアル・ライト&マジック(ILM)のさらなる拡大と、カリフォルニアに巨大スタジオのスカイウォーカーランチを設立することに専念する…。それが、彼が描いていた青写真だった。さっそくルーカスは、映画監督のアーヴィン・カーシュナーにコンタクトをとる。
「ある運命的な日、ジョージ・ルーカスから電話をもらった。テニス仲間だったから、その誘いかと思ったよ。あるいは相談事かと。だが違った。彼は“ユニバーサルで昼食を”と誘い、私は承諾して撮影所へ行った。一緒においしい昼食をとったよ。やがて彼は言った。“カーシュ、『スター・ウォーズ』の続編の監督を頼む”。シーンと静まり返ったよ。私は彼を見てこう言った…“イカれたのか?”と」(*1)
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