「『トゥギャザー』愛と肉体が溶け合う、究極の純愛映画」という考察/解説レビューをCINEMOREに寄稿しました。
ボディ・ホラーの歴史において、“融合”というモチーフは常に忌まわしく、悲劇的なものとして描かれてきた。
例えばデヴィッド・クローネンバーグの『ザ・フライ』(86)では、科学者の身体が遺伝子レベルでハエと混ざり合い、人間としての尊厳が崩れ落ちていく絶望が描かれていたし、同じく彼の『ヴィデオドローム』(83)では、主人公の肉体がメディアという機械に侵食される悪夢が提示された。そして塚本晋也の『鉄男』(89)では、男の皮膚を突き破って金属のドリルや配管が噴出し、歩く鉄クズのような姿へと変貌してしまう。
ここで描かれる融合は、いずれも「人間 vs. 異種」による、主権を巡る侵略戦争だ。自己という聖域に、得体の知れない他者が侵入する恐怖。それがボディ・ホラーの定石だったのである。しかし、マイケル・シャンクス監督の長編デビュー作『トゥギャザー』(25)が挑んだのは、ある意味でそれらよりも遥かに恐ろしく、身近な実験だ。もしも、混ざり合う対象がハエや機械のような異物ではなく、愛するパートナーだったら?
ぜひご一読ください!
DATA
- 原題/Together
- 製作年/2025年
- 製作国/アメリカ、オーストラリア
- 上映時間/101分
- ジャンル/ホラー、サスペンス、恋愛
STAFF
- 監督/マイケル・シャンクス
- 脚本/マイケル・シャンクス
- 製作/マイク・コワップ、アンドリュー・ミットマン、エリック・フェイグ、ジュリア・ハマー、ティム・ヘディントン、マックス・シルヴァ、アリソン・ブリー、デイヴ・フランコ
- 製作総指揮/エマ・フィッツシモンズ、ローラ・ウォーターズ、カイ・ドルバシアン、マイカ・グリーン、ダニエル・ステインマン、サラ・ホン、サミー・キム・ファルベイ、シアン・マッカーサー、リア・ブーマン、ニール・シャー
- 撮影/ジャーメイン・マクミッキング
- 音楽/コーネル・ウィルチェック
- 編集/ショーン・レイヒフ
- 美術/ニコラス・デイア
- 衣装/マリア・パッティソン
CAST
- デイヴ・フランコ
- アリソン・ブリー
- デイモン・ヘリマン
FILMOGRAPHY
- トゥギャザー(2025年/アメリカ、オーストラリア)