『バルカン超特急』の考察/解説レビューをCINEMOREに寄稿しました

『バルカン超特急』正統派サスペンスにして、ユーモアたっぷりのロマンチック・コメディ」という考察/解説レビューをCINEMOREに寄稿しました。

突然ですが、皆さんは「パリの消えた貴婦人」という都市伝説をご存じですか。舞台は1889年のパリ。この年はフランス革命100周年にあたり、それを記念する万国博覧会が開催されていた。この万博を一目見ようと、ある母娘がパリのパレスホテルにやってくる。ところが母親がホテルに着くなり体調を崩し、ホテルの医者に見せると「事態は深刻だから、他の医者に見せた方がいい」と言われてしまう。

娘は慌てて馬車を捕まえ、医者を探しに行く。苦労の末に医者を連れてホテルに戻ってみると、母親の姿がない。ホテルの従業員に尋ねてみると、信じられない言葉が返ってくる。「そんな女性は存じ上げません。あなたは一人で宿泊されています」。母親を診察したホテルの医者を問いただしても、「そんな女性には会ったことがない」の一点張り。突然母親は、忽然とパリの街から姿をくらましてしまったのだ。まさに神隠しのようなミステリーである。

実はこの母娘はインド帰りで、母親はペストに罹っていた。ホテルにチェックインするやいなや彼女は息を引き取ってしまうのだが、この事実を公表してしまうと、万博で人がごった返しているパリは大混乱に陥ってしまう。そこでホテル側は緘口令を敷き、関係者で口裏を合わせ、「母親はそもそも存在していない」という芝居を打っていたのだった。

ぜひご一読ください!

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