『バッド・ルーテナント/刑事とドラッグとキリスト』の考察/解説レビューをCINEMOREに寄稿しました

『バッド・ルーテナント/刑事とドラッグとキリスト』ハーヴェイ・カイテル、狼の咆哮」という考察/解説レビューをCINEMOREに寄稿しました。

2024年1月に、『バッド・ルーテナント/刑事とドラッグとキリスト』(92)と『レザボア・ドッグス』(92)がリバイバル公開された。これは何かの符号なのだろうか?暗黒系インディーズ映画として名高いこの2本が、しかもどちらもハーヴェイ・カイテル主演のこの2本が、同じタイミングで劇場公開されるとは。特に『バッド・ルーテナント/刑事とドラッグとキリスト』は、この機会にぜひスクリーンで目に焼き付けて欲しい異形の傑作。生半可な気持ちで鑑賞すると大火傷する、激ヤバ映画である。

本作は、ハーヴェイ・カイテル演じるニューヨーク市警の警部補が、二人の子供を車で学校に送り届けるシーンで始まる。それは、我々が映画で何度も目撃してきたシチュエーションだ。子は親に揺れる想いを吐露し、親は子を優しく気遣う。何気ない親子の会話から、リアルな家族の風景が見えてくるはずだ。

だが彼の口を衝いて出るのは、呪いの言葉ばかり。「父さんを運転手と間違えてるのか」、「うるさい」、「黙れ」、「頭が痛くなる」。そして子供を送り届け終えると、やっと厄介払いできたとばかりに、思い切りコカインを鼻から吸い込む。冒頭わずか数分で、この男は家族を顧みることもしない、最低・最悪の父親であることが示される。

ぜひご一読ください!

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