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2025/11/19

『スプリングスティーン 孤独のハイウェイ』(2025)考察/解説レビューを映画チャンネルに寄稿しました

なぜライブをほぼカット? 沈黙だらけの音楽映画『スプリングスティーン 孤独のハイウェイ』が超クセになる理由。評価レビュー」という考察/解説レビューを映画チャンネルに寄稿しました。

ブルース・スプリングスティーンという名前を書けば、条件反射のように「労働者階級のロック詩人(working-class rock poet)」だの、「アメリカの良心(the conscience of America)」だの、テンプレ化した美辞麗句がついてまわる。まるで自動生成されたレジェンド像のように。

しかし映画『スプリングスティーン 孤独のハイウェイ』が切り裂くのは、そのような磨き上げられた英雄像ではない。この作品が見つめるのは、心の片隅に空虚を抱え、人前に立つことを拒絶し、外界から距離を取ろうとする男の姿。そこには、創作の渇きに取り憑かれるあまり、身近な人間関係をうまく扱えず、恋人さえ自分勝手に突き放してしまうような、不器用で自己中心的な側面すら露わになる。

舞台は1982年。『ザ・リバー』ツアーの熱狂からわずか数ヶ月、次なるアンセムを世界中が待ち構えていた時期、スプリングスティーン(ジェレミー・アレン・ホワイト)が向かったのはレコーディングスタジオではなかった。ギターと安価な録音機だけが置かれた寝室で、彼は吐息のような声をテープに落とし込んでいく。その行為は、もはや誰にも聞かれることのない“祈り”に近い。後に『ネブラスカ』と名付けられることになる傑作アルバムの録音プロセスが、本作が見つめ続ける焦点である。

ぜひご一読ください!

DATA
  • 原題/Springsteen: Deliver Me from Nowhere
  • 製作年/2025年
  • 製作国/アメリカ
  • 上映時間/120分
  • ジャンル/ドラマ、音楽、伝記
STAFF
  • 監督/スコット・クーパー
  • 脚本/スコットクパ
  • 製作/エレン・ゴールドスミス=バイン、スコット・クーパー、エリック・ロビンソン、スコット・ステューバー
  • 製作総指揮/トレイシー・ランドン、ジョン・バイン、ウォーレン・ゼインズ
  • 原作/ウォーレン・ゼインズ
  • 撮影/マサノブ・タカヤナギ
  • 音楽/ジェレマイア・フレイツ
  • 編集/パメラ・マーティン
  • 美術/ステファニア・セラ
  • 衣装/カシア・ワリッカ=メイモン
CAST
  • ジェレミー・アレン・ホワイト
  • ジェレミー・ストロング
  • ポール・ウォルター・ハウザー
  • スティーブン・グレアム
  • オデッサ・ヤング
  • ギャビー・ホフマン
FILMOGRAPHY