プライドと偏見/ジョー・ライト

プライドと偏見 [Blu-ray]

ジョー・ライトが光の表現にこだわった、ジェーン・オースティン原作の古典劇

キーラ・ナイトレイって、コスプレ映画ばっかり出演しているような記憶があるんだが、どうしてだろうねえ。

『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズでは17世紀のカリビアンルックに身を包んでいるし、『キング・アーサー』(2004)では中世騎士伝説の姫君を演じてたりするんだが、この娘ってわりと現代的な顔つきなので、あまりコスチューム・プレイには似つかわしくないような気がする。微妙にしゃくれてるし。

『プライドと偏見』は、サマセット・モームが世界十大小説の一つに挙げた、ジェーン・オースティンの有名長編小説を映画化した作品。

キーラ嬢は、ここでもクラシカルな色使いのロングドレスに身を包み、ブリディッシュなお嬢様ぶりを発揮。18世紀イギリスにおける下級地主層、いわゆる“ジェントリ”の五人姉妹の次女エリザベスを溌剌と演じるものの、時折見せる笑顔が燃える闘魂に見えて仕方がない。

まあお話もですね、キーラ嬢が超金持ちの資産家ダーシー(マシュー・マクファディン)に見初められて、鼻持ちならない奴だと最初は忌み嫌っていたものの、最後の最後で彼女の“プライドと偏見”が彼への気持ちを曇らせていたことに気づき、めでたく結ばれるというような他愛もない話なんだが、これが意外にも予想を裏切る完成度。いやはや、実に良く出来た映画です。

本作が劇場用作品初監督となるジョー・ライトは、とにかく右に左にカメラを動かしまくって、華麗で流麗な18世紀イギリスの風俗を軽やかに描き出している。流れるようなカメラ移動は、まるで社交ダンスのごとし。

実際舞踏会でのダンスシーンも多い映画だけに、違和感なく映像が接続しているのも心憎い計算。時折挿入されるワンカットの長廻しも、映画的に効いている。

何よりも感嘆したのは、屋内での光の落とし方。全体的にカラーの彩度が高い映画なれど、暖かみのある光を巧みに配置して、映像に独特の柔らかさを付与している。

この映画では、意識的に日の入りと日の出のショットを狙っているが、おそらく光の表現にこだわったゆえだろう。まあ、逆光ぎみのシルエットでダーシーと抱擁する最後のカットは、映像ナルシストのマイケル・ベイみたいな演出で、あまり生理的に受け付けられなかったけど。

とりあえず僕は五人姉妹だったら、地味だけど長女ジェーンを演じたロザムンド・パイクがいいです。ナニ?すでに監督のジョー・ライトと婚約しているって?でも結婚式をドタキャンしたって?いやーマジすか。現実は映画のように甘く結ばれないものですなあ。

DATA
  • 原題/Pride & Prejudice
  • 製作年/2005年
  • 製作国/イギリス
  • 上映時間/127分
STAFF
  • 監督/ジョー・ライト
  • 製作/ティム・ビーヴァン、エリック・フェルナー、ポール・ウェブスター
  • 製作総指揮/ライザ・チェイシン、デブラ・ヘイワード
  • 脚本/デボラ・モガー
  • 撮影/ロマン・オーシン
  • プロダクションデザイン/サラ・グリーンウッド
  • 衣装/ジャクリーン・デュラン
  • 編集/ポール・トシル
  • 音楽/ダリオ・マリアネッリ
  • 視覚効果/ダブル・ネガティブ
CAST
  • キーラ・ナイトレイ
  • マシュー・マクファディン
  • ドナルド・サザーランド
  • ブレンダ・ブレッシン
  • ジュディ・デンチ
  • ロザムンド・パイク
  • ルパート・フレンド
  • サイモン・ウッズ
  • トム・ホランダー
  • クローディ・ブレイクリー
  • ジェナ・マローン

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