吉本芸人勢揃いの、超ドラッギーなスーパー・ハイテンション・ムービー
ハッキリ言わせてもらうで。やっぱな、一回きりの人生な、後悔のないように頑張らあかんねん。そんな当たり前のことが、どんどん伝わりにくい世の中になってんねん。当たり前のことを当たり前に言い放ってみても、誰も耳を貸さへんねん。
言ってることはストレートなことでも、投げる球は直球ストレートやなくて、変化球を投げんと、注目すらしてくれへん。その点、この『マインド・ゲーム』(2004年)っちゅう映画はスゴイで。何かスゴイって、ノリが凄いねん。アタマからケツまで、スーパー・ハイテンションやし、スーパー・ポジティヴやねん。
どう考えても予定調和なお話やねんけど、「過去ー現在ー未来」という時制を意識的にグチャグチャにして、「人生、こんな選択肢もありえたんやな」ってことを示唆してくれはんねん。おたく、シャブ打ってるんのと違うか?なーんてことをツッコミたくなるほど、映像的には超ドラッギーやねんな。
実写やら2Dやら3Dやらが融合してるし、何故か声をアテてはる吉本の芸人はん(今田耕司さんとか、山口智充さん)の顔がそのまま登場してくるし、もう何でもアリ状態やねん。
でもな、お話は哲学的でも内省的な訳やないねん。「一回きりの人生、後悔のないように頑張ろ!」っちゅうメッセージを、2004年現在最も有効に伝えるやり方が、逆にこういうアプローチの仕方やった、ということやねんな。
この『マインド・ゲーム』を監督しはった湯浅政明さんは、もともと『クレヨンしんちゃん』のアニメーターをやってはった方らしいわ。そういや、クジラの胃の中から必死に脱出しようとするシーンって、『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲』(2001)で、しんちゃんが傷だらけになりながら太陽の塔を登って行くシーンと、ちょっとカブるわな。
『マインド・ゲーム』における超絶技巧オンパレードのせいで、ちょっと分かりにくいかもしれへんけど、やっぱし演出的には原恵一さん直系の方やと思うわ。
とにかく、元気のないときにはぜひこの『マインド・ゲーム』を観て欲しいわ。きっと強制的に元気になるで。…実は最後の走馬灯シーンで、「どうあがいても未来は変えることはできない」という真逆なメッセージもインサートされてるんやけど、それは無視したってや!エヘ♪
- 製作年/2004年
- 製作国/日本
- 上映時間/103分
- 監督/湯浅政明
- 製作総指揮/椎名保、田中栄子
- 製作/田中栄子
- 脚本/湯浅政明
- 原作/ロビン西
- 美術/ひしやまとおる
- 音楽/山本精一
- 今田耕司
- 藤井隆
- 山口智充
- 中條健一
- 前田沙耶香
- たくませいこ
- 坂田利夫
- 島木譲二
- 西凛太朗
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