バックドラフト/ロン・ハワード

バックドラフト [Blu-ray]

アクションもサスペンスも恋愛も。カート・ラッセル兄貴主演の欲張りムービー

TSUTAYAでレオナルド・ディカプリオやブラッド・ピットのコーナーはあるのに、カート・ラッセルのコーナーがないというのは、いかがなものか。

これは、店舗スタッフの大いなる怠慢であると糾弾したい。『ニューヨーク1997』(1981年)、『遊星からの物体X』(1982年)、『ゴーストハンターズ』(1986年)、『デッドフォール』(1989年)、『スターゲイト』(1994年)、『エグゼクティブ・デシジョン』(1996年)と、そのフィルモグラフィーは、一度は日曜洋画劇場で観たことがあるような、マスターピースのオンパレードだというのに!猛省を求ム!!

ニューヨーク1997 [Blu-ray]
『ニューヨーク1997』(ジョン・カーペンター;)

彼のアクション俳優としてのピークは、消防士の活躍にスポットをあてた映画『バックドラフト』(1991年)だろう。ロバート・デ・ニーロ、ドナルド・サザーランド、スコット・グレン、レベッカ・デ・モーネイ、ジェニファー・ジェイソン・リーという超豪華キャストを従えて、堂々の主役を張っているのが、我らがカート・ラッセルなんである!やったぜ兄貴。オトコだぜ兄貴。

メジャー大作の『バックドラフト』に、B級映画専門のように思われていたカート兄貴がキャスティングされているのは一見不思議だが、実はコレ用意周到な計算。

ご存知の通り、肉体労働者としてアメリカに移民してきたアイルランド系民族は、消防士や警察官といった職務に就いている割合が圧倒的に多い(だから葬儀では、バグパイプなどアイリッシュ式のスタイルがとられているのだ)。

過去に出演した作品で、己の肉体をスタントマンばりに奉仕してきたカート兄貴のハングリー精神は、今作では肉体労働者が身にまとっているマッチョイズムとして発露され、ドナルド・サザーランドやスコット・グレンらが奏でる、WASP優越主義と鮮やかな対照を成す。ブルーカラー礼賛映画にあって、カート兄貴の主演は当然・必然・天命だったのだ。

で肝心のお話なんだが、『タワーリング・インフェルノ』(1974年)みたいなアクション映画かと思っていたら、いきなり主人公が連続爆破放火事件の内偵を始めたりして、意外にもサスペンス風味。

しかもベーシックなストーリーラインは青春群像劇だったりもするので、まあとにかく欲張りな映画である。

タワーリング・インフェルノ [Blu-ray]

映画を牽引する要素が多すぎて、ストーリーテリング的に交通渋滞を起こしている気もしないではないが、ジェニファー・ジェイソン・リーが相変わらずエロいので良しとすべきである。消防車の上でメイクラブするっていうのは、“恋の炎が燃える”というベタな暗喩ですか。

ちなみに『バックドラフト』のサントラは、後にフジテレビの『料理の鉄人』のテーマ音楽として使用されたことですっかり有名になってしまった。

すっかりそのイメージがこびりついてしまって、映画を見直した時も、音楽がかかるたびに鹿賀丈二の顔がチラついて困った記憶がある。何とかならんもんかね。ならんけど。

DATA
  • 原題/Backdraft
  • 製作年/1991年
  • 製作国/アメリカ
  • 上映時間/132分
STAFF
  • 監督/ロン・ハワード
  • 脚本/グレゴリー・ワイデン
  • 製作/リチャード・バートン・ルイス、ペン・デンシャム 、ジョン・ワトソン
  • 製作総指揮/ブライアン・グレイザー、ラファエラ・デ・ラウレンティス
  • 撮影/ミカエル・サロモン
  • 音楽/ハンス・ジマー
  • 美術/アルバート・ブレナー
CAST
  • カート・ラッセル
  • ウィリアム・ボールドウィン
  • スコット・グレン
  • ジェニファー・ジェイソン・リー
  • レベッカ・デ・モーネイ
  • ロバート・デ・ニーロ
  • ドナルド・サザーランド
  • J・T・ウォルシュ
  • クリント・ハワード

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