危険がいっぱい/ルネ・クレマン

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『太陽がいっぱい』(1960年)の主演アラン・ドロン+監督ルネ・クレマンのコンビ作だからといって、邦題が『危険がいっぱい』(1964年)というのは、あまりにも安直なタイトルなんではないか?

まあそれは置いといて、肝心の内容というと、ギャングのボスの細君と浮気したジゴロが、富豪の未亡人の屋敷に逃げ込み、危険な駆け引きに巻き込まれてしまうという、小粋なサスペンス映画。

ラロ・シフリンのジャジィでゴキゲン(死語)な音楽をバックに、男女の4人の愛憎渦巻くコン・ゲームが展開される。

ちなみに、原題の『Les Fe´lins』とは「ネコ科の動物」という意味らしいが、確かにこの映画にはネコ科に属するであろうオンナたちが登場する(実際に猫も登場しますが)。

特に下着だけのエロい格好でオトコを挑発するジェーン・フォンダは、『バーバレラ』(1968年)を彷彿とさせるほどにコケティッシュな魅力を芳香させ、オトコを魅了する。

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アラン・ドロンを真っすぐに好きになる純真さと、そのためならば手段を選ばない狡猾さが不思議に同居しているアンビバレンスさ。辛抱たまりません。

アラン・ドロンは相も変わらずジゴロなプレイボーイ役を好演しているが、やっぱり『太陽がいっぱい』のリプリーのような鬱屈としたキャラクターよりも、ちょっとIQ低めの開放的な役柄のほうがハマると思う。

自分では、「相手を出し抜く機転と抜け目なさと持っている」と思いつつも、結局は他人に振り回されちゃうみたいな。

結局これ、ジェーン・フォンダの陰謀によって、アラン・ドロンが隠し部屋に隠遁生活を余儀なくされるという、『完全なる飼育』(1999年)みたいなオチなんですが、これはやっぱり同性愛者だったルネ・クレマンの、アラン・ドロンに対する偽らざる想いなんではないか。

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僕的には、ジェーン・フォンダに監禁されるんだったら、全然オッケーです。いつでもアナタのカゴの中の鳥になりますです。

DATA
  • 原題/Les Felins
  • 製作年/1964年
  • 製作国/フランス
  • 上映時間/99分
STAFF
  • 監督/ルネ・クレマン
  • 製作/ジャック・バール
  • 原作/デイ・キーン
  • 脚本/ルネ・クレマン、パスカル・ジャルダン、チャールズ・ウィリアムズ
  • 美術/ジャン・アンドレ
  • 撮影/アンリ・ドカエ
  • 音楽/ラロ・シフリン
  • 衣装/ピエール・バルマン
CAST
  • アラン・ドロン
  • ジェーン・フォンダ
  • ローラ・オルブライト
  • アンドレ・オウマンスキー
  • カール・ステューダー
  • ソレル・ブルック

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