ポール・バーホーベン節炸裂!サイテーにサイコーなバカSF
スーパーマンが滑空中、股を広げて寝そべっている全裸のワンダーウーマンを発見。スーパーマンはこれ幸いと、光の速さでワンダーウーマンを強制ファックする。
実はその時彼女は透明人間と性交中だったのだが、スーパーマンのスーパーファックが速すぎて、何が起こったのか分からない。コトを終えた透明人間はただ一言、「よく理由が分からないが、ケツが痛い!」とのたまう。
…こんなサイテーの極みとも思えるド下ネタ・ジョークを、映画『インビジブル』(2000年)の主人公である天才科学者セバスチャン(ケビン・ベーコン)は「面白いだろ?笑えよ」と言い放つ。
実際このジョークが面白いと思えなければ、悪趣味テイストで塗りたくられた『インビジブル』は、単なるB級エロSFでしかない。しかーし!かのH・G・ウェルズの古典小説『透明人間』を、こんなバカ映画に仕上げられるなんぞ、僕は逆に感動を抑えきれません。
これまで何度も透明人間ネタは映像化されてきたが、この『インビジブル』ではCGを駆使し、「皮膚→筋肉→骨格→透明」というプロセスで透明化をビジュアライズしてみせる。皮膚のない筋肉状態は、思わず人体の不思議展を思い出しちゃいました。
軍事目的で始動した国家のプロジェクト・チームは、動物の透明化に成功。セバスチャンはチームの反対を押し切って、自らを被験者に人体実験を敢行…と、物語は快調なテンポで進行する。
しかしお話はここに来て突然R指定モードに。透明人間となったアラフォー男は何をするものぞ?モチロン、エロいことっしょ!という訳で、同僚女子の乳を揉みしだいたり、隣のアパートの部屋に不法侵入して、エロ女子を強姦(未遂?)したり、己のリビドーに忠実すぎるセクハラ行為に及ぶのだ。本家H・G・ウェルズ先生が観たら激高間違いなしなれど、これが我らがポール・バーホーベン節なり。
透明人間から元に戻れなくなったセバスチャンはいら立ちを深め、遂にはプロジェクトの中止を回避するためにメンバー全員の殺害を目論む。
密室内での「異者 VS 人間」という図式は、まんまリドリー・スコットの『エイリアン』(1979年)なれど、要所要所でおっぱいのサービス・カットがぬかりなくインサートされており、さすがはポール・バーホーベン!と思わず顔がほころぶバカ展開。
サイコなファック野郎を演じさせたら右に出る者はいないケビン・ベーコンは、まさにセバスチャン役にドハマリで面白さが20%ほどアップしているし(俺統計)、ヒロインのエリザベス・シューは、バストトップこそないものの豊乳をユサユサと揺らしてムダにエロスを発動。
そしてジョシュ・ブローリンは「いい奴だけどどこか抜けているマッチョガイ」という、『グーニーズ』(1985年)以降から変わらぬキャラを演じている。スタッフもサイコーならキャストもサイコー。
つまり結論としては、『インビジブル』サイコー!ってことであります。100点満点で5億点であります!
- 原題/Hollow Man
- 製作年/2000年
- 製作国/アメリカ
- 上映時間/112分
- 監督/ポール・ヴァーホーヴェン
- 製作/アラン・マーシャル、ダグラス・ウィック
- 製作総指揮/マリオン・ローゼンバーグ
- 原案/ゲイリー・スコット・トンプソン、アンドリュー・W・マーロウ
- 脚本/アンドリュー・W・マーロウ
- 撮影/ヨスト・ヴァカーノ
- 音楽/ジェリー・ゴールドスミス
- ケヴィン・ベーコン
- エリザベス・シュー
- ジョシュ・ブローリン
- キム・ディケンズ
- ジョーイ・スロトニック
- メアリー・ランドル
- グレッグ・グランバーグ
- ローナ・ミトラ
- ウィリアム・ディヴェイン
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