「<2023年必見の映画>『福田村事件』 それでも“世界はもっと豊かだし、人はもっと優しい”」という考察/解説レビューをcinemas PLUSに寄稿しました。
白が黒に、黒が白に反転する。世界を見つめる視点が変わっただけで、自分が真実だと思い込んでいた価値観が転倒する。かつて筆者が森達也監督の『A』(1998)を観たとき、本当に世界がひっくり返ったような感覚を覚えた。
『A』は、オウム真理教広報副部長(当時)の荒木浩に密着したドキュメンタリー映画。破壊活動防止法に基づく調査対象団体に指定された教団を、その内側から捉えようとしたチャレンジングな作品である。
だがフィルムに収められていたのは、社会に牙を剝いた危険な殺人集団ではなく、静かに人生の意味を見つめようとする人々の姿。むしろ、彼らに奇異の眼差しを向け、あからさまに悪意をむき出しにする市井の人々が、迫害する側に見えてしまったのである。
ぜひご一読ください!
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