「アイナ・ジ・エンド × 岩井俊二。聖なる声が世界を照らす、『キリエのうた』」という考察/解説レビューをblock.fmに寄稿しました。
岩井俊二自ら書いた小説を原作に、松たか子、福山雅治、広瀬すず、森七菜ら豪華キャストが集結した映画『ラストレター』。2020年に劇場でこの作品を観たとき、筆者は「これは岩井俊二の集大成的映画ナリ!」としみじみ感慨に耽ったものだ。
彼の代表作『Love Letter』で用いられていたというアナログなモチーフを、新しい装いで再構築したような、それでいてどこか懐かしいような感覚。『Love Letter』で主演を務めていた中山美穂と豊川悦司のコンビが、サプライズ出演していたこともその印象を強めていた。岩井俊二はこの映画をきっかけにして、新しいフェーズに突入するのではないか?当時筆者は、そんな予感を抱いたものである。
ところが最新作の『キリエのうた』を観て、驚いた。『ラストレター』に輪をかけて、岩井俊二の集大成的な映画だったからだ。舞台となる場所が次々に入れ替わる構成や、過去と現在が交錯する時系列(『Love Letter』、『ラストレター』)、“歌”が世界を照らしていくストーリー(『スワロウテイル』、『リリイ・シュシュのすべて』)、青春の恋(『四月物語』、『花とアリス』)、放浪する主人公(『スワロウテイル』、『リップヴァンウィンクルの花嫁』)、双子のようにそっくりな2人の女性(『Love Letter』、『ラストレター』)、仄かに香る死の匂い(『ヴァンパイア』、『花とアリス殺人事件』)。岩井俊二が過去に描いてきたモチーフが、これでもかというくらいに詰まっている。
ぜひご一読ください!
作品情報
スタッフ
- 監督/岩井俊二
- 脚本/岩井俊二
- 製作/吉村文雄、竹澤浩、白石直人、中村浩子、岡田美穂、川上伸一、寺内達郎、玉井忠幸、栗花落光、檜原麻希、小林武史、渡辺裕介
- 製作総指揮/紀伊宗之
- 制作会社/東映、ロックウェルアイズ
- 原作/岩井俊二
- 撮影/神戸千木、雪森るな
- 音楽/小林武史
- 編集/岩井俊二
- 美術/我妻弘之、松浦健一
- 衣装/申谷弘美
- 録音/中川究矢、井口勇、岩間翼
キャスト
岩井俊二 監督作品レビュー
- 打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?(1993年/日本)
- Love Letter(1995年/日本)
- リリイ・シュシュのすべて(2001年/日本)
- 花とアリス(2004年/日本)
- キリエのうた(2023年/日本)
![キリエのうた/岩井俊二[DVD]](https://popmaster.jp/wp-content/uploads/61aEUX2L0QL._AC_SL1235_-e1759637209231.jpg)