ピクニック at ハンギングロック/ピーター・ウェアー

ピクニック at ハンギング・ロック ディレクターズ・カット版 [DVD]

出口の見えないラビリンス。神にレイプされた無垢で汚れない少女たち

映画は、淡々と事実関係を伝える一枚の字幕から始まる。

On Saturday 14th February 1900 a party of schoolgirls from Appleyard College picknicked at Hanging Rock, near Mt. Macedon in the State of Victoria. During the afternoon several members of the party disappeared without a trace.

1900年2月14日土曜日、アップルヤード女学院の生徒達がヴィクトリア州マセドン山近くの岩山で、ピクニックをしていた。午後、数人が跡形もなく消えうせた。

1900年に起きた実話を元に、オーストラリア出身の奇才ピーター・ウィアー監督が映像化した『ピクニック at ハンギングロック』は、彼女たちがどこへ消えたのかという推論は一切提示せず、出口の見えないラビリンスのような、純然たる神秘のみを素描している。

  1. 女性教師のミス・マクロウが「岩山は100万年前の噴火で出来たもの」と説明すると、生徒のアーマが「100万年も待ってたのね、私達が来るのを」と熱に浮かされるように語る。
  2. 時計が12時を指してまま止まってしまう。
  3. もう一人の女性教師のポワチエは、ミランダはボッティチェリの天使であるとつぶやく。
  4. 女生徒のイーディスが絶叫しながら岩山から駆け下りていったとき、ミス・マクロウ女史が下着だけの姿で丘を登っていくのを目撃した。
  5. 集団失踪から一人生還したアーマは、特に目立った外傷はなかったものの、コルセットがなくなっていた。

上記のような“謎”は何一つ解決しない。映画を観終わって、脳裏に焼き付くイメージ、それはそそり立つような荒々しい“岩山”である。あらゆるものを覆い尽くすような、巨大で荘厳なイメージ。それはまるで、天までそそりたつ男根のごとく。

無垢で汚れない少女たちは、導かれるように岩山を登り、コルセットを外し、己の身を捧げたのか。だとすれば、超自然的な“何者か”に選ばれてしまった少女たちは、単に神隠しにあったのではなく、神にレイプされたんではないか?

全編を貫くもう一つのイメージ、それはズバリ「性」だ。淡いソフトフォーカスは、デイヴィッド・ハミルトンのような少女趣味&レズビアン趣味にも近似している。

さあ、ここまで書いたら無性に観たくなっただろう。 今すぐビデオ屋に走って「ピクニックatハンギンロック」下さいと叫ぼう!

DATA
  • 原題/Picnic At Hanging Rock
  • 製作年/1975年
  • 製作国/オーストラリア
  • 上映時間/116分
STAFF
  • 監督/ピーター・ウェアー
  • 製作/ハル・マッケルロイ、ジム・マッケルロイ、A・ジョン・グレイヴス
  • 製作総指揮/パトリシア・ロヴェル
  • 原作/ジョーン・リンジー
  • 脚本/クリフ・グリーン
  • 撮影/ラッセル・ボイド
  • 衣装/ジュディ・ドースマン
  • 音楽/ブルース・スミートン
CAST
  • レイチェル・ロバーツ
  • ドミニク・ガード
  • ヘレン・モース
  • ヴィヴィアン・グレイ
  • アン・ランバート
  • カレン・ロブソン
  • ジェーン・ヴァリス
  • クリスティーン・シュラー

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